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いつか、なくなってしまうかもしれない、きらきらした学童での毎日のこと 3日目
「こんにちは。バイトのシフトに入ってます。ひろみです。バイトリーダーやってます」
………バイトを雇った覚えはないが。
子供たちが帰ってきて少しした頃。おやつを作っている私の背中に、2年のひろみちゃんが声をかけてきた。どうやら、前日、別の指導員がおやつを作っているときに雇ってもらった(?)らしい。
「そうですか!アルバイトに!あーーありがとうございます…えっと…」
今日のおやつは蒸しパンケーキ。実は、もうすでに、生地も完成していた。カップに入った状態で蒸されるのを待っているカップを見て、
「あーーーー」
と、ただ吐息(?)をもらすひろみちゃん。
その後、ふと流しを見て、洗い物かあるとわかった瞬間、また目を輝かせて
「じゃあ、洗い物やる!!!」
と、張りきってくれた。が。
「はーい。バイトさんですか?じゃあ、こっち手伝ってくれます?」
と、そう声をかけたのはパートの金井さんだ。実は、おやつを作っている際、金井さんが、『子供たちにあまり洗い物をさせたくない』とぼやいていたのだ。
「昨日、子供たちが『やりたい!』って言って、片付けしていたみたいで…。。食器の洗い残しがひどくて…」
昨日は、自分は他の子供を見ていたので台所事情を見ていなかった。アルバイトさんが見てくれていたのだが、食器のことまでは気が回らなかったらしい。
と、こんな会話をしたばっかりだったので、『洗い物したい!』という気持ちに、すぐに答えてあげることができなかった。
子供たちの、『やりたい!』『やってみたい!』という気持ちはとても尊いものだ。私は、その気持ちを大事にする指導員でありたいと思っている。しかし、『大人』である金井さんの意見もわかるのだ。圧倒的に、大人がやった方が早いし、仕上がりも良い。
こんなとき、『学童』にどんなことが求められているのか、それを再度思い浮かべる。
学童は、子どもたちの放課後の居場所だ。子どもたちが、学校終わりに、自分のやりたいことをやれる場所。私は、そんな風に考えている。
しかし、職員も少ない中、子どもたちの『安全』も担保していかなければならない。『楽しく過ごせる場所』よりも絶対的に『安全に過ごしてもらう場所』が大切。
それはわかっている。
職員が少ない中、大人がいつまでも子どもを見られない立ち位置にいるのは問題。というのもあるだろう。
だけども、そんな『大人の事情』で全て片付けて良いものか…と、常に考えている。
子どもの立場にたつのであれば
『自分が見るから許してやってください』
と言い返すことも考えられた。
どちらがよかったのか、自分でもまだ、ちゃんと答えが出せていない