最高の瞬間ってのはね
202X年Y月。僕と彼女はひょんなことから一足先に、新型コロナが終息した世の中に飛んできていた。
戸惑っていても仕方がないので、気持ちを切り替えて、ずっと我慢していた旅行に行くことに。
3泊4日関西周遊旅行に出発だ。GoGo!
久しぶりだから奮発して高級宿に宿泊だ。YayYay!
1泊目は京都の老舗旅館。
老舗ではあるが最近改装されており、畳部屋と洋室が融合した清潔感溢れる和モダンな部屋。
家具も新調されていて、特にベッドは畳とも馴染むように檜で作られており、い草との香りのコラボによるリラックス効果は抜群でした。更に寝具の所々に朱色の七宝文様が採用されており、これが良いアクセントになっていて、和のなごみを存分に堪能できました。
そのおかげで、旅先では寝付きの悪い僕もすぐに安眠できました。
2泊目は神戸の最先端デザインホテル。
現代アートの新鋭と、あの誰もが知る建築家がコラボして創り出した部屋は、斬新な芸術作品に囲まれていながらも、自然と調和した空間設計のおかげで、とても居心地が良かった。
ベッドの足元側の壁一面にはプロジェクターで満天の星空が映し出されており、ベッド横の窓から見える実際の星空と相まって、宇宙に包まれて寝ている感覚になった。またしても快眠。
最終日は大阪中心部のハイクラスホテル。
前日に泊まったデザインホテルのような奇抜さは無いが、ハイクラスホテルならではの気品が漂う部屋。
家具やアメニティはもちろん、空気の湿度から照明の度合い等も徹底的に管理されていました。
もちろん寝具も完璧にベッドメイキングされていたのだが、何より驚きだったのが事前に体型などを伝えることで、僕らにあったマットレスを手配してくれていたことだ。
ハイクラスホテルでは高級マットレスを使用しているが、それらは大柄な海外の人に合った作りに
なっているものも多く、必ずしも日本人に適しているとは限らないからだ。
そのことも踏まえてひとり1人に最適な環境を整えてくれるあたり、さすがだ、と唸るしかなかった。言わずもがな快眠であった。
そうやって大満足、大満喫して家に帰って来た僕ら。
荷解きもほどほどに、久々に我が家のベッドに倒れ込んだ。
その瞬間に忘れかけていた感覚を思い出した。
ああ、そうだった。
どんなに伝統的で最先端で高級なベッドよりも、うちのベッドが最高だったんだ。
白くてもふもふした生き物に抱きしめられているような感覚。
これ、これ、これなんだよ!
我が家のベッドにダイブ。その瞬間に感じる何ものにも変えられぬ心地良さ。
この心地良さを最大限に満喫するために、僕らは旅してると言っても過言では無いのだ。
しばらく旅をしていなかったから、こんな大切な感覚すら忘れかけていた。
危ない危ない。
しかし最高だな。
そう思いなが、猫のように、
うにゃ〜と伸びをし
口からは
ふにゃ〜と声が漏れ出す。
そしてすぐさま夢の中に潜り込むのであった。
終わりZZz
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睡眠をテーマに1000文字程度でショートショートを作り、
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身近にある睡眠がテーマなので、書きやすかったです。楽しい企画をありがとうございます。