走るのやめたら緑の世界
おはようございます。
本日はこちらの企画に参加させていただきます。
その名も
「私が見たゆめのせかい」
画家のゆめのさんの作品を見て感じたことを元に創作をすることで、まつおさんが対象作品を審査してくださります。
ゆめのさんのnoteはこちら。
ゆめのさんの数ある作品の中で僕のお気に入りはこちらです。
ちょうど1年前の、この季節に投稿された作品。
緑輝く翡翠の世界に見入ってしまいました。
五月は誕生石がエメラルドだったり、自然界でも桜が葉桜に変わり、樹木花々達が緑に色づき始める季節です。
そんな緑の季節に包まれながら、僕は産まれました。
だからゆめのさんのこの作品を観ていると、僕が産まれた瞬間の世界を表している様にも感じとれました。
緑輝く翡翠の世界に産まれた僕は、なんだってできる気でいた。
添えられている言葉のように
どんなことでも、走れば届く気がしていた。
しかし、現実は走っても走っても届かないことの連続だった。
全力疾走。あと一歩で届きそうだった。
それでも結果は不合格だった大学受験。
第二志望の大学こそ、自分が行くべき大学だったんだと、自分に言い聞かせたが、ふとした時に悔しさが込み上げる。
あんなに全力疾走で努力したのに。
あれ以上どうやって走ればよかったのか。
油断すると、こうやって後悔ばかりが押し寄せてきた。
この雪辱は就職活動で果たしてやろうと決意し、もう一度疾走して望んだ就職活動。
がむしゃらに取り組んだおかげで同時期に4社の最終面接にまで漕ぎ着けた。しかもどれも僕が行きたい企業ばかり。
油断せず、最後まで全力で臨んだ。
しかし結果は全て不採用。
またしてもあと一歩のところで届かなかった。
これらの出来事により知らず知らずのうちに自尊心が傷つけられていた。
僕はどうせ全力疾走しても、あと一歩のところどまりの、「惜しい人間」と自分をどこかで卑下してしまっていた。
だからあんなにも美しい翡翠の世界に産まれたのに、ゴロゴロゴロゴロと闇の世界に転がり落ちてしまったのだ。
闇の世界から抜け出すには時間も気力もかかった。
疲れ果てていた。
だからその時から僕は全力疾走をすることをやめた。
するとどうだ。
走ることをやめて、上を見上げたら
ほら
そこにずっと青々と輝く緑の世界が、僕を見守ってくれていたではないか。
走れば届くと思っていた。
走らなければ届かないと思っていた。
だけれども、
走らなくとも美しい世界はずっと僕を包み込んでくれていたのだ。
産まれた時から、その翡翠の輝きで。
春の森林。僕は走るのをやめ地面に身を任せ、空を見上げる。
そこには青空ではなく、緑の空が浮かんでいた。
木漏れ日の光、小鳥のさえずり。
僕の心は復元されていく。
終わり
ゆめのさんの作品には青色のものが多い。ゆめのさん自身も青色が好きだとおっしゃっている。そんな中で見つけたこの緑色の作品から、とてつもない『希望』を感じました。
素敵な作品をありがとうございます。
そしてその素敵な作品に巡り合わせてくれたまつおさん、本当にありがとうございました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。