アメリカ製保健室
あと三マスで保健室だ。私達の学校では顔くらい大きなペロペロキャンディ目当てに保健室に向かう。
アメリカ人と結婚した保健室のマー君先生が、あの子に渡したのが始まりだった。
先生は内緒にしておくようにって言ったのに、あの子は友達に、秘密なんだけど、って言ってキャンディの事を沢山の人に話した。
そしたらあっと言う間に秘密は秘密じゃなくなった。
だから先生は一番始めに保健室に辿り着いた子にだけキャンディを渡すようになった。
今日、私は絶好調で、あと三マスで念願のペロペロキャンディにありつける。
サイコロに願いを込めて投げる。
えい
一だ。
まぢ?
とりゃ
また、一だ。
その間に十二マスも後ろにいた友達に先を越された。
その子は舌の全部を使ってペロペロキャンディを舐めながら私の横を通り過ぎてった。
私は悔しくってサイコロを舐める。
サイコロはすっごく甘くて美味しい。
なんやかんやで勝った気がしていたら、案の定、頭上に逆転勝利の四字が浮かんでた。
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