”使える”手が、欲しい!!
前回の末尾にお約束したフィンガートレーニング(=F)と、色々な曲中の超絶フレーズだけをピックアップしたフィンガートレーニング(=成果チェック)の続きをお話したいと思います。
大きなテーマは、「(F)と(成果チェック)は、とにかく何を置いても一番やらなければならない基本的な訓練」というものでした。これはスポーツに当てはめると筋トレや体幹トレーニングのようなもので、競技以前の身体作りに当たる部分です。練習時間を充分にとれない時は、尚更これだけは欠かさず実行することをお勧めします。
いつでも”弾ける手”を作っておきたいものです。
まず、(F)の中身です。具体的な教則本のエディションについては、ここでは特定してご紹介しませんが、ピアノ奏法のおおよその種類を、トータルで網羅すれば何冊かに分かれても良いと思います。手のひらの強化にはそれらを毎日365日、超高速で弾ききれるようになると効果的ですが(所要時間は大体2時間程度)、気をつけてやらないと腱鞘炎や指・腕の故障につながりますから、現在師事されている先生と充分ご相談の上、練習をお願いします。 一度手指を痛めると繰り返すようになりますので、どうぞこの点くれぐれも気をつけて下さいね。
次に、(成果チェック)についてですが、これは、かつて苦戦した曲中の弾けなかったフレーズが、(F)をやり込むことによって、弾きこなせるようになったかどうかを確認するための練習です。何処が出来ていないからうまくいかないのかを考え抜いて下さい。その原因を自分で正しく突き止められるようになると、上達が見えてきます。ただし、問題点に自覚がないまま、出来ない部分を何度も何度も弾き込んでしまうと、良くない奏法を逆に刷り込んでしまうことになるので、注意が必要です。
そして、自分仕様の練習フレーズプログラムを、クリアしたものから外し、絶えず入れ替えて作ると良いです。最低でも1時間以上の長さがいいです。
”使える手”の維持・強化は、日頃の鍛錬以外には実現しません。
そして、その努力は本番演奏を必ず支えてくれますね。
(曲の通し稽古)については、次回にさせていただきます。