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水の中を進むことに似ている打鍵の概念

今回のテーマは、指の使い方にあたるものですが、これも前回のフォルテピアノの概念と同様、逆の奏法で頑張って弾いてらっしゃる場合を多くみますので、早速取り上げてみたいと思います。

速く弾かなくてはならないということは、指の動きのロスをなくす必要があります。無駄な動きをしている場合じゃありません、急いでるんですから(笑)

指の動きを鍵盤の上に意識してしまうと、速いパッセージのときにはやたらバサバサと派手に動かすことになりますが、そもそもピアノを弾くということが、鍵盤を押した状態に作用されたものと考えると(音につながる動作、打鍵)鍵盤上のオーバーアクションは全くいらないことになります。むしろ、腕・手首・指の動きを出来るだけコンパクトにする必要があります。

鍵盤を押してニュートラル(弾く前の高さ)に戻す それより上の動作はいりません。

それは例えば、泳ぐこととよく似ていると思うんです。水面=鍵盤のニュートラルな状態、水上=鍵盤上、水中=鍵盤が押されて沈み込んだ状態 と考えると、とても当てはまるんですね。水の上でいくら手を動かしても進まないばかりか、その余計な動きは水中動作を阻害します。あくまでも水の中を掻かないと推進しません。(筆者はよく泳ぎますが、なかなかうまくいかなくていつもそれを痛感しています!)

指の鍵盤下の動作をよいものにするためには、手の甲の在り方、指の関節の在り方(フォルムや方向性など)が大変重要になってきますが、それについては後の回で詳しくお話ししたいと思います。

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