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ピアノ太鼓??
今回は「スタッカート」についてのお話です。
スタッカートをするには、実は腹筋が必要です。手首は折り曲げず、グニャグニャ動かないように固定して使います。手の甲から肘までを一本につなげたイメージで、腕全体でスタッカートに必要なバネを使います。その際、腹筋で音を“絞め”ます。音量の話ではなく、音質の問題です。
連打のスタッカートは、腹筋だけでなく胴体全体を支えにして、腕は最も脱力し、リラックスした状態です。脱力しないと速度を上げることが出来ません。そして、この辺のパワーテクニックは、実は、ピアノそのものの練習だけでなく体を鍛える方が手っ取り早いこともあります。この"腕ごと切った"音を出せるようになると、奏者が俄然、格好良く見えます!まさに、筋肉の躍動感です。
ん?!これ、太鼓の打ち方だなぁ!
実は、ピアノには打楽器の要素があります。楽器の構造上、ハンマーが弦を叩くことで音が出る仕組みですから、鍵盤楽器の中でも、太鼓の仲間なんですね。
指先は硬く引き締め、タッチ面積を狭く絞り、格好いい"太鼓奏者"になりきってスタッカートをしましょう。そして、鍵盤の戻りのスピードをあげないと、ピアノの構造上次の音が弾けません。連打スタッカートの時は、鍵盤の戻りを速くするためにも、指を鍵盤下の動きで最小限に済むように、コンパクトに使って下さい。
ちなみに、パイプオルガン(小さいオルガン等も)は、同じ鍵盤楽器でもラッパの仲間です。空気を送り込んだ圧で、管が音を出す仕組みですから、管楽器同様です。そして、パイプオルガンの鍵盤は、ピアノと比較するととても浅く、とても軽いものです。バッハはパイプオルガンで作曲していますので、作曲技法は別として、打楽器の仲間であるピアノで弾くのは大変です。深さのある重いピアノ鍵盤をパイプオルガンのように弾くには、ダブル・トリプルで難しいですね(笑)
一本一本の指を太鼓のバチのように「打つ」イメージを持てると、演奏の概念が変わると思います。