ロマン派奏法、"耳と腰"で勝負!!
古典派奏法に続き、今回はロマン派奏法について考えてみたいと思います。まず、両者の圧倒的な違いは「ペダリング」と「腰使い」です。
古典派時代の終わりとともにピアノの原型が出現してからは、その演奏方法は飛躍的に変化しました。それは古典派の時代には出来なかった、同一の響きの中を増幅させる(ワンペダルで共鳴のボリュームを出す)演奏スタイルを可能にしたことです。ここで、ペダルを踏む技術が大変重要になったのは言うまでもありません。
ピアノはその構造上、弾くのと同時にペダルを踏み込むと必ず濁ってしまいます。その濁りを生じさせないためには、弾いた瞬間と同時にではなく若干ずらして踏み込むと良いです。コンマ何秒後にです。かなり繊細な足さばきです。慣れないと、テンポに影響を与え、なんか後ろに引っ張られた感じの演奏になってしまいます。
あくまでも、耳で響きを確かめながら、です。
ペダルは耳で踏みます。足ではありません。
上半身はせっかく弾けてるのに音が濁っている残念な状態・・・なぁ~んてことが起こらないようにしたいですよね。
たまに足がフォルテになってる場合を見かけますが(笑)、指の動きと共に、足も楽曲の邪魔をしないようにコントロールが必要です。ペダルノイズを消しましょう。かかとを床にしっかり付けて、ダンパーとウナコルダ両方に足を掛けます。両足その姿勢だと、長時間(8時間レベル)練習していると、むこうずねが痛くて足がけいれんして。やるとなるとどんな物事にも悩みは付きもの、ということでしょうね・・・
加えてロマン派作品には、広範囲にわたる腰の移動が欠かせません。ピアノの構造を生かしたロマン派時代の作品は、古典派時代とは比べものにならないほど、広範囲の鍵盤を弾きます。その結果、奏者は古典派には無かった「腰の移動」を要求されることになりました。
腰の移動を助けてくれるのが、長方形の椅子です。腰は、鍵盤に対して真横移動ではなく、Vの字に移動させないと椅子から落っこちそうになるので、正方形の椅子より長方形が有り難いところです。ロマン派作品はもちろん、手や腕の状態がその仕様でないと弾ききれませんが、手と腕だけでなく腰を有効に使って弾かないと太刀打できません。
腰を存分に使って、両腕の真ん中に身体の重心を出来るだけ持ってこられるように(どんなポジションでも頑張って!)
腰をフルに。ん?腰を振る??(笑) いやいや・・・