デザイン専門学校→web制作会社への就職活動と初任給
こんにちは、無名です。
今日は新卒でweb制作会社に就職した時のお話をしようと思います。
高校時代の話
デザイナーになる人は、何かしらのクリエイティブな趣味がある人が多いと思うのですが、私は絵を描くことが好きでした。
少女漫画が好きだったので、そんな感じの女の子をひたすら描いていて、将来はイラストレーターになりたいと思っていました。
高校生くらいになってくると、夢は少しずつ現実的に、目標に変わってきますよね。
そうして未来を考え、イラストレーターへの具体的な道のりを調べると、想像以上に厳しい世界だと知りました。
当時行き着いたのは、「イラストレーターのほとんどはフリーランスで、営業活動は制作会社などに直接持ち込んで営業をする」というもの。
私はそれを見て、持ち込みなんて、無理だ……と思いました。
何十社何百社も訪ねて、絵を見てくださいと言うなんて、自分には出来ません。というか、それをするほどの情熱が無い事に気がつきました。
まあでもそんな毎日一生懸命絵を描いていたわけでもなく、高校生時代はほとんどアルバイトかオンラインゲームをして過ごしていました。
たまに趣味の漫画を読んで盛り上がった時にそのシーンを描いてみたりするくらいです。絵を描くのって…….エネルギーがいるので……笑
ちなみに通っていたのは普通の公立中学校、私立の女子高校でした。めっちゃばかな高校です。数学0点とか普通に取ってました。
小5から父子家庭だったのですが、父に「早く出て行け」とよく言われていたので、高校卒業後は就職かなぁと思って動いていたのですが、それは本気で言っていたわけではなかったようで、高校生最後の三者面談で「進学はせえ」と言われました。
ですが親子でそれを擦り合わせた時期が遅すぎましたし、バカすぎて大学に行くには今からでは間に合いません。
日本史とか暗記系は楽しいので100点も取ったりしていましたが、数学や苦手な教科は0点常連、最後の方は頑張って頑張って60点くらいの高校生でしたから。
それで、専門学校なら私でも行ける。どうせならイラストが学べる専門学校が良いなぁ〜と思いました。
漫画・イラスト学科一択だと思っていましたが、それを離れて暮らしている母にも相談してみると「グラフィックデザイン学科にしなさい。イラストだけで食べていくのは難しい。企業勤めかフリーになるけど、企業に雇ってもらえるほどの実力があんたにあるんか?フリーで食べて行くのもうんぬんかんぬん」と私の希望に沿いつつ現実的なアドバイスを貰いました。笑
グラフィックデザイン学科の内容を見てみるとイラストの授業もあり、好きなイラストレーターさんの経歴も調べてみると、結構デザイン系を卒業してる方が多い事に気がつきました。
それで、おー、ええやん。となり、グラフィックデザイン学科への入学を決めました。
デザイン専門学校に入学
教室の2/3くらいは女の子の、穏やかなクラスでした。
クラス全員でたしか15人くらいの少人数だったので、男女で別れる程度の分裂しかありませんでした。ごはんなどはクラスの女の子みんなで集まって食べていたような気がします。それかそれぞれ好きなところで自由に食べていました。
高校ではグループでいるってのは結構大事だったのですが、専門学校ではそれが特になく、優しい毎日でした。
2年間クラス替えはなく、ずっと同じ担任、同じクラスメイト。
授業では基本的なソフトの使い方(Illustrator、Photoshop、Fire Works、Dreamweaver)、デッサン、デザイン作成、POPデザイン、コーディング等を学びました。うろ覚えなので結構抜けているかもです。
2年生からはたしか選択授業があって、私はシルクスクリーン、エディトリアルデザイン、webを学びました。
いや、もしかしたら1年がシルクスクリーンとエディトリアルで2年がwebかも?記憶が……(^_^;)
全部面白かったです。
入学前に楽しみにしていたデッサンの授業は、思っていたより面白く感じませんでした。専門学校に入学してからは、絵よりもデザインに対する憧れの方が強くなっていました。周りの空気もあると思いますが。笑
ここでも私はめちゃくちゃ不真面目でした。あと一回欠席したら卒業できないと言われていたような気がします。
でも子供の頃からサボり癖があったため、無駄にサボり慣れていて、そういうラインは超えないようにしていました。
就職活動
担任の先生は1年生の時から「この業界はどこの会社もブラックだから、どこでも良いから3年間は頑張って働いて勉強するしかない」みたいなニュアンスのことを何度も言っていました。
私が通っていた2年制の専門学校は、2年生に進級して5月か6月くらいから就職活動が始まりました。
教室で、その日時点で学校に来ている求人一覧が配られます。
これはまとめて来るわけでなく、新学期から卒業間際まで、会社のタイミングでばらばらとやってくるようでした。
配られた求人一覧を見て、まずは気になる会社の説明会に参加してみます。
専門学校まで説明に来てくれる会社や、会社まで伺って聞く説明会など、説明会もそれぞれです。
私が就職した会社の求人は、たしか6月に来ていました。
これは結構早めで、この時期は進級したばかりでまだまだ就活モードに入っていない人が多かったと思います。
みんなも「とりあえず行ってみようかな」くらいの空気だったと思います。知らんけど。ていうか先生が「とりあえず行ってみて」と呼びかけていたような気がします。忘れたけど。
私は自分がいかに出来ない人間か、しっかりと分かっていたため、少しでも気になった会社説明会には全て行っていました。
まずは看板屋さん、広告会社?、印刷物の会社とかを数件行きました。
看板屋さんはどう見ても自分がやりたいこととはマッチしておらず、広告会社はどう見ても自分は実力不足でお呼びでない、印刷物の会社も同じで、ポートフォリオを見せながら「最近エディトリアルデザインも気になってます(*'▽'*)」みたいなことをぬかしたら「その割にエディトリアルデザインが一つも入ってないね」と冷たく言われました。笑
こわい(´・ェ・`)と当時は思っていましたが、今思うとそりゃそうだって感じです笑
ちなみにポートフォリオは授業で作ったものばかりで、最後に2点くらい趣味のイラストを入れてたかなって感じです。
NG例の極みみたいなポートフォリオですね。
webも入っていませんでした。
学校に来て説明会をしてくれた会社では、みんなの前で会社についてスクリーンを見ながら説明した後、会社の方々は別室に行き、先生が参加生徒のポートフォリオを集め、そして忘れたけど解散か待機。
後でポートフォリオを見た会社の方々から指名された何名かが知らされ、その生徒だけが別日に採用試験を受けられる、みたいな感じでした。
他の会社も基本的にポートフォリオを見てもらって、指名された人だけ採用試験に進む流れです。
もうポートフォリオ次第ですね。ポートフォリオが通過しないと、基本的に人物も履歴書も見てもらえません。
web制作会社との出会い
参加した説明会の一つに、web制作会社がありました。
その会社は4人の小さい制作会社で、社長以外はみんなうちの専門学校の卒業生でした。その縁で、求人もうちの専門学校だけに出していました。
説明会は会社までみんなでぞろぞろと行って、ソファに座れる人数に合わせて、代わる代わる入っていきます。
会社のチーフデザイナーさんが一人一人のポートフォリオを見ながら、生徒とお喋りをしてくれました。
細かいことは覚えていませんが、なんだか他の説明会より距離が近くて緊張しました。
後日、学校で私に指名があったと先生に教えていただきました。
私のクラスで指名があったのは、私ともう1人、抜群にセンスの良い子でした。
その子はずば抜けていたので、先生に「決めるのはまだ早い。もっと良い会社の求人が来ると思うから、ここはやめておいた方が良い」みたいなことを言われていました。
先生は私には「君はどこに行っても大丈夫!」と肩を叩いてくれました。え!?
ちなみにそのもう1人の子はデザイン会社に就職し、最近賞を受賞していました。凄すぎます。圧倒的努力の子で、本当かっこいいです。
とりあえず先生のおかげで私の就職ライバルは減り、採用試験を受けるのは私と漫画学科の子になりました。
採用されるのは、試験を受ける2人のうちどちらかだけでした。
採用試験
試験内容は、webサイトのトップページデザインです。
架空の工務店のサイトの情報が渡されました。
綺麗なワイヤーフレームと、参考サイトを2つくらい貰い、2週間か3週間くらいで提出します。
社長とメール交換をしてデータを送っていただきました。
メールの最後には、「分からないことはなんでも相談してください」みたいなことが書いてありました。
採用されるのは1人だけ。
デザイン力もない私が選ばれるにはどうしたら良いか、足りない頭で考えました。
私は根暗ですが、高校生の時からずっとファミレスのホールでアルバイトをしていたので、根暗にしては喋れる人間です。(高校生ができるアルバイトって飲食だけですよね笑)
メールを5万回くらい読み返すと、「相談していいよ」と書いてある……これだ!と思いました。
アルバイトで学んだ"ほうれん草"を、当時の私なりに精一杯実行しました。
採用課題のデザインには当然締切日があったのですが、それよりだいぶ早い段階で「トップページデザインを作ったので見てほしいです」みたいなことを会社に連絡して伝えると、気さくな社長は「オッケーオッケー」という感じで了承してくれました。
会社に行くと、説明会でポートフォリオを見てくれたチーフデザイナーさんが、課題を見てくれました。
私の人生の集大成と言っても過言ではない制作物を、横に座って一緒にパソコンで見て、リアル3時間くらいフィードバックをいただきました。
最初にデザインを少し褒めてくれました。今思うと褒めるところなんてないくらい酷い物だったのですが、一言かふた言褒めてくれました。雰囲気が良いみたいなそんな感じでした。笑
その後はたくさんアドバイスをいただきました。
まずデザインを作る前に競合会社のサイトを見たり、参考になるサイトを見ること、それらは少なくとも100サイトは見るべきだということ。
文字などのサイズ感、デザインの意図、あしらいをこだわることなど……
記憶にある限り、4,000pxくらいの普通か少し短いくらいのトップページのボリュームですが、3時間くらい本当にみっちり指摘していただきました。
初稿ではナビゲーションに矢印アイコンをつけていたのですが、「例えば矢印にもこれとかこれとかこれとか、いろんな種類があって、どれがこのデザインに合うのか選ばないといけない」みたいなことを言いながらサラサラサラ〜と矢印アイコンを目の前で何種類も作って見せてくれたりしました。5種類以上はあったと思います。
そんな感じで上から順番に一つ一つアドバイスをいただきました。
ものすごい丁寧で熱量があって、もう自分のメモ量もすごいことになってるし圧倒されてワーって感じでした。
そして最後に、「修正してまた見せてね」と言ってもらえました。
帰りに社長から「頑張ってね。チーフデザイナーが驚くような良いデザインを作って欲しい」みたいな感じで声をかけてもらいました。いやこれはメールで言われたかもしれません。笑 記憶が……
そして帰ったら修正です。家にはノートパソコンはあったのですが、Adobeを開けるようなスペックもソフトもないので修正作業は学校のパソコンで行います。
全然覚えてないですが、当時の実力的に数日かけて修正したと思います。
3時間のフィードバックでいただいた箇所……っていうか全てを修正しました。
チーフデザイナーさんは、「例えばこういうデザインを作りたいならこうした方があーでこーでもっと良くなるよ」みたいな、今思うと正解を目の前で作ってちゃんと教えてくれていたのですが、社長に言われた「チーフデザイナーが驚くような」を意識してしまい、
言われた通りに作ると、少なくとも驚くことは無いよな……と、せっかく言ってもらえた正解では作らず、別の案を考えて再提出しました。
そしてもう一度連絡して訪問。
次は2時間のフィードバックでした。
当時は右も左も上も下も知らないので「ワワ……」くらいしか考えていませんでしたが、今思うと本当に良い方です。
そしてまた修正して、再提出
これで終わりか、あと1ラリーかして終了しました。
最後に30分くらいフィードバックをいただいて、もう1人の子が提出したデザインも見せて貰えました。
チーフデザイナーと一緒にライバルのデザインを見ながら、
「デザインはもう1人の子の方が良いんだけど、君は相談しに来たから、明日とかに学校で言われると思うけど採用は君」みたいなことをもっと上手い日本語で言っていただきました。
もう1人の子は何回修正したのかは分かりませんが、何度も訪問して直接指導していただいて修正した私のデザインよりも、遥かに良いデザインでした。
もうこの頃にはこのチーフデザイナーさんをめちゃくちゃ尊敬して神だと思っていました。今も思っていますが。
ちなみにこれは採用ではなく、仮です。泣
まずはアルバイトとしてお試し雇用
仮採用が決まったのは2年生の夏でした。
少し早めに一応?就職先が決まり、ちょっとホッとしたのも束の間。
春の入社までの間、アルバイトとして会社に通うことになりました。
このお試し雇用で、本採用かどうかが決まります。
たしかアルバイトスタートは専門学校の夏休みからだったと思います。
うろ覚えですが、たしか平日は会社に通い、土日はファミレスのアルバイトをして、当時の自分にとってはものすごく大変でした。
交通費、スマホ代、外出先での食費を自分で払っていたのですが、ファミレスアルバイトが減って収入が減ったため、スマホ代をよく滞納していました。
夏休みはまだ良かったのですが、学校が始まると放課後は1時間だけ会社でアルバイトすることになり、平日1時間、土日数時間のアルバイトでは全てを払いきれなかったんですよね。
専門学校は夕方に終わり、会社もまた夕方に終わりますからね。
そしてファミレスでは当時の年だと21時とかまでしか働けなかった気がします。忘れたけど。もしかしたら夜は怖いから拒否してただけかもしれない。
今思うと他に色々やりようがあったと思いますが、まあその時は結構気軽にスマホ代を後回しにしていました。
アルバイトのお仕事
正直何をやってたかは全然覚えていません。
でも新人がやることは覚えています。
先輩が作ったデザインのテキストチェックとか、画像切り抜き、スキャンデータ書き起こし、電話応対、打合せ同行、簡単なテキスト修正とかです。
たぶんアルバイト時代もそんな事をさせていただいていたのではないでしょうか。
雑用ですが、全てとても勉強になりました。
会社は業界にしては本当に珍しいホワイト企業で、定時過ぎたら皆ぱらぱら帰っていき、19時には社長と私だけになっていました。
私は仕事も遅いし、特に期限も言われてないいつまでなのかよく分からない仕事もあるしで帰ると言い出せず、23時くらいまでよく残っていました。
今考えると、社長はそれに黙って付き合ってくれていました。
コーダーさんもわりと残っていて、たまに3人で飲みに連れて行っていただいたりもしました。
まだ学生ですが、気分はもう新社会人で、いっぱいいっぱいの毎日でした。
私なりに頑張ってはいたんですが、なかなか成長しない私を見たチーフデザイナーさんが、ある時「明日からの三連休で5ページのコーディングをやってきて」と宿題を出してくれました。
これがちょっとタイミングが悪くて、当時付き合っていた彼氏と卒業前最後の旅行に行く前夜でした。
旅行は2ヶ月くらい前から計画していましたし、仕事の自信も当たり前にまるで無く、私はどちらにも何も言えず、移動中や旅行先のホテルでもコーディングしたのはいい思い出です……笑
ほんまその旅行コーディングしてた記憶しかないです笑
でも私コーディングもてんでダメなので……。
結局コーディングは1ページも完成させる事ができず、週明けお叱りをいただきました(^_^;)
ほうれん草で採用されたのにね……(^_^;)
本採用と初任給
時期は忘れましたが、「さすがに今ほっぽり出されたら暴れるよ」くらいの季節に「まだまだだけど、頑張ったから採用!」みたいなことを社長に言っていただきました。
よかった〜。
そして専門学校を卒業して、就職しました。
ちなみに初任給は15万円くらいの手取り12万円くらいでした。
最後まで見ていただきありがとうございました。