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仮名遣いと文体と

 俳句を作る立場になるまでは、何も考えていませんでした。教科でいうなら「現代国語」が日常の普段使いの言葉で、「古文」は歴史のなかの言葉であり、創作においてポリシーに基づいて選択する一部の作家がいらっしゃる、くらいの認識でした。
 俳句と向き合うようになって、表記をどうするのが良いのか、口語なのか文語なのか、歴史的仮名遣いにするのか、それは「自分で決めて良い」らしいことのようだとわかったのですが、何を基準にしたら良いのか悩んでいます。
 当初は、口語体✖️現代仮名遣いでと考えていました。しかし、作句する中で、文語体の魅力を無視できなくなりました。
 それは、俳句というジャンルの宿命かもしれません。先人の句を口ずさめば、その韻律の美しさにうたれます。もちろん口語体からも優れた作品はうまれていますし、それを志向して始めたのでもあります。まだどうするか決められません。
 俳句の表現法について、長谷川櫂先生が、明治期に口語体が生まれたことと、太平洋戦争の戦後に国語が現代仮名遣いとされたこととの、時間的にも論理的にも整合がないために、現在では複数の表現方法が併存していることを整理されておりました。
つぎにリンクをおきます。
『俳句的生活 長谷川櫂のサイト』


引用をご許可いただきました。長谷川先生ありがとうございます。

新仮名か、旧仮名か」の簡単なまとめ
①文語体✖️旧仮名
②口語体✖️旧仮名
③口語体✖️新仮名
④文語体✖️新仮名この中で④は論理上の存在で言語としては存在していない、とありました。衝撃でした。
悩みはますます深くなりました。

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