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点数にはつながらないけれど重要な話(…だと思う)

こんにちは。
ランケミストtamacoです!

中学の英語の時間、"want" を習うときに出てきた

"to + 動詞の原形" 

いや、現在形(一・二人称)と同じやん。
なんでわざわざ「原形」とか言うん?
ってなりませんでしたか?

わたしはなりました。

そして高校の英語の授業で "to + 不定詞" を習ったとき、
名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の見分けむりー、やだー
ってなる以前に、そもそも「不定詞って何?」って思いませんでしたか?

私は思いました。

でも、そのときはとりあえず
「あーあー、まーそーゆーことになっとるんやね」
ということにして深く考えずスルーしていました。

で、大学生になって第2外国語のスペイン語の授業を受けていた時、
まるで天啓のごとく、その放置していた疑問がきれいさっぱり解消したのです!
点と点が線でつながった爽快感に、思わず「おー!」と声を挙げそうになりました。(授業中だったので自制しましたよ、もちろん笑)

ズバリ!
不定詞はそのまま「形が定まってない状態の動詞」のこと
原形「人称・数変化や格変化などをしていない元の状態(=原)の動詞の形」のこと
をそれぞれ言っていたのです。

説明から分かる通り、どちらも同じ内容を表していますね。
たぶん、中学生に「不定詞」という用語は難しいのではないかということで
漢字からなんとなくその言わんとするところがわかる「原形」という用語を使うことにしたのでしょう。(勝手な推測ですが、、)

スペイン語・ロシア語の例

たぶん「形が定まっていない状態の動詞」ってなんやねん?
ってなっていると思うので、以下、スペイン語とロシア語の
具体例を挙げてみようと思います。

英語でいうところのbe動詞は、スペイン語では "ser" "estar" のふたつがあります。
ここでは "ser" を取り上げます。
活用は以下の通りです。

1人称単数 soy     1人称複数 somos
2人称単数 eres       2人称複数 sois
3人称単数 es       3人称複数 son

お気づきの通り、えらい活用してますよね。
主語の人称と数によって細かく動詞が変化します

これはスペイン語特有の現象、というわけではなくロシア語でも同じです。
ちなみに、ロシア語にはbe動詞に相当するものがありません。
(私が習った範囲では、という条件付きですが…)

ロシア語で「読む」を表す "читать" の活用は以下の通りです。

1人称単数 читаю      1人称複数 читаем
2人称単数 читаешь     2人称複数 читаете
3人称単数 читает      3人称複数 читают

ちなみに、今示したスペイン語もロシア語も現在形の活用なのですが、
このほかに過去形、未来形などもそれぞれ6つずつ活用があるので覚えるのがめっちゃ大変です。
まあ、ある程度活用に規則性があるので、それさえ掴めればだいぶ楽にはなるんですが…
私はそれがとても楽しくて面白かったのですが、ほかの学生は「めんどー」って言ってました。それがふつうだと思います。
活用の多様さとその規則性の発見で興奮するのは、ことばオタクの性のようなもの。どうしようもありません。
だって、おもしろいんだもん。。。

話が少し、いや、かなりずれてしまいましたが笑

うえで示した

スペイン語では "ser"
ロシア語では "читать"

が英語でいうところの「不定詞」です。

どうでしょう。
なんとなくわかりましたか…?

もう "ser" に至っては、活用後のやつ原形留めてないし…

っお!
まさに「原形」(=活用する前の形)ですね。
ここからいろいろ変化していくんです。

スペイン語・ロシア語の "to + 不定詞" 用例

さて、おまけとして、
スペイン語・ロシア語の "I want to ~" 表現をご紹介しようと思います。

(Yo) Quiero ver el partido.
I want to watch the match.

Я хочу есть хлеб.
I want to eat bread.

英語では、動詞を二つ重ねることができないため、"to + 不定詞" の形にして表現します。
(そういえば、一文一動詞って口を酸っぱくして言われたなぁ…)
一方、スペイン語・ロシア語では、「(主語に合わせて活用した)動詞+不定詞(=動詞の原形)」と動詞をふたつ立て続けに並べて表現することができます。

英語では活用を最小限までそぎ落としていった結果、不定詞(=原形)と現在形の見分けがつきにくくなったので、「こっちの動詞は不定詞ですよー」ということを示す苦肉の策として "to" を使うことにした・・・というのは私の推測ですが、大方合っているような気もします。(←ただの自信過剰)

スペイン語とロシア語をみればわかるように、不定詞と現在形活用でもだいぶ違いがあるので、どちらが不定詞かということが一目瞭然ですよね。

さて、「不定詞」について理解、深まったでしょうか?

今回は、文法的なところの説明は教科書、参考書、各種サイト・動画にお任せすることにして、英語と他の印欧語を比べることで「不定詞」の輪郭をはっきりさせる、という試みをしました。

もし、「文法的なことが知りたかった」という方がいたら、ごめんなさい…

本投稿が少しでも、読者のみなさんの「不定詞」理解の助けになっていたら嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。