恋と愛について
みなさん、こんにちは!
ランケミストtamacoです。
恋と愛の違いってなんだと思いますか?
・・・はっ!
すみません、唐突に。
こんなこと聞いといてなんですが
正直、私にもよくわかりません笑
といいつつ、このまま終わってはどうしようもないので
わからないなりに考えていこうと思います。
以下では、主に、この二つの語がどのように使われているかに焦点を当てて
恋と愛の違いについてゆるく考察?分析?していきます。
恋人と愛人
さて、いきなりぶっこみました。
でも、みなさん、一度は考えたことありません?
「恋人」「愛人」格差。
恋も愛もだいたい同じ意味だし(反論の余地は大いにありますが…)、
恋愛っていうくらいなのに、なんで恋人はよくて愛人はだめなのか。
ここで、tamaco的定義をば。
恋人:交際している相手のこと。主に婚姻前の状態の時に用いる
愛人:パートナー(婚姻関係にあることが多い)とは別に
肉体的関係を持つ相手のこと。
ほとんどの場合、パートナーの同意を得ていない関係である
中国語では「愛人」が恋人の意味というのは、知っている方も多いかと思います。
考えてみれば、「愛している人」なんだから「愛人」で何も問題ないですよね。
では、なぜ日本語では「愛人」がよろしくない意味になるのでしょう。
まず、動詞にして考えてみましょう。
「恋する」と「愛する」
※恋愛的意味合いに限定して考えていきます。
「恋する」には、初々しい感じやピュアな感じがあります。
ウキウキ、ワクワク、ドキドキ、キュンキュンといった感じでしょうか。
一方、「愛する」はもっと深くずっしりとした感じがします。
「恋する」より何段階か先に行った感じ。
「恋する」には肉体関係的含意はありませんが
「愛する」にはそのような含意があるときもあります。
好意を抱いている相手に
「愛してるよ」とはいいますが
「恋してるよ」とは言いません。
そういえば、愛の告白とはいっても恋の告白とはいわないよなぁ。。
「恋してる」は、好きな相手ではなく、友達と話しているときや、話し相手に好きな人がいるか訊くときに使うのがしっくりきます。
むしろ、そのような場合には「愛してる」はちょっと重い感じがします。
友達にいきなり「私、○○のこと愛してるかも」って言われたら、自分のことでなくてもちょっとギョッとしちゃいます。逆に、気になる人について友達に話しているときに「○○を愛しとん?」って訊かれたら、「いや、そこまでじゃない、、(笑)」ってなりません?
すこし別の角度から。
坂本冬美の「また君に恋してる」
これ、「また君に愛してる」だったらどうですか?
なんか変ですよね、、
「また君に恋してる」だと文のすわりがいいですが
「また君に愛してる」だとなんか足りない、、
っていうか、意味が変わってる。
「また君に「愛してる」」だとギリセーフ…?
・・・んんっ?!
助詞をみてみると、
~に恋する
~を愛する
と、「恋する」は「に」「愛する」は「を」ですね!
助詞を入れ替えると、とても不自然になってしまいます。
国語便覧で確認すると、どちらも格助詞のよう。
「に」は<時、場所、対象、変化の結果、理由、並列>
「を」は<対象、目的、起点> だそうです。
「恋する」「愛する」の場合はどちらも<対象>なのかな…?
"fall in love" は「恋に落ちる」と訳されます。
「愛に落ちる」とは言わない。
これも助詞「に」と関係があるのでしょうか?
助詞について、もっと掘り下げて行けそうですが、
今回はここまでにしようと思います。
ではでは、つづいて名詞を考えてみましょう。
恋と愛
失恋とはいっても失愛とはいわないですよね。
恋は失うけど愛は失わない・・・のか?
愛は標準装備で、恋はオプションなんですかね、、
愛を「エロス」に限らず、「フィリア」「アガペー」も含めると、そう言えるのかもしれません。
「恋情」と「愛情」だとむしろ「愛情」のほうが肯定的な感じがします。
こう見ていくと、恋は不安定で愛は安定しているといえるのかもしれません。恋情は恋愛感情だけですが、愛情は恋情も含むより射程の広い感情な感じ。数学的にいうと、恋情⊂愛情?
ところで、英語に「恋」という単語はあるのでしょうか?
愛は言わずと知れた"love"ですよね。
Google先生の回答は"love"とのことです、、
なんやそれ…
気を取り直してどんどん行きましょう!
もうめんどくさくなったので、一気にいきます笑
恋のつく熟語と愛のつく熟語の比較。
恋を愛に、愛を恋に変えると変になる熟語集!
恋心、恋敵、恋仲、恋路、初恋、片恋、色恋
愛欲、性愛、熱愛、求愛、相愛、自愛、最愛
などなど、たくさんありますね。
ここに挙げたものだけみると、なんとなく、愛と性が密接にかかわっているような気がします。
あと、恋は一方通行で愛は双方向な感じ。
さて、最後は形容詞を考えましょう。
恋しいと愛しい
形容詞になると、ずいぶん恋と愛のあいだに差が生まれたように感じますね!
えっ… もしかして、そう感じてるの、私だけ…?(オロオロ)
たぶん、みなさんもそう思っていると信じて(!)
話を進めていきたいと思います。
「恋しい」には喪失感が伴っている感じがします。
いないと思えば思うほど寂しさが募っていく、、
もう戻れないあの頃、過ぎし日の思い出、記憶の中の君の笑顔…
もういなくなってしまった、なくなってしまった人、事、物。
いないことが前提の感情、それが「恋しい」ではないか。
一方、「愛しい」は満たされていて、心の奥底から暖かさが湧きあがってくる感じがします。
大切な人をおもい、その人を思えばおもうほど満たされてゆく。
嬉しさ、喜び、慈しみ・・・
そんな、まあるく、暖かで、深い感情、それが「愛しい」なのではないかと思います。
「恋しい」は胸が締め付けられるような感じ
「愛しい」は心の扉が開け放たれているような感じ
さいごに
さて、いかがだったでしょうか?
いかがもなにも
冒頭、自分で立てた問いに答えていない(おいっ!)
「愛人」がよろしくない意味の理由
考えていくうちに、場合によっては「恋」のほうが「愛」よりネガティブな意味合いを帯びるということが見えてきました。
少々強引に理由をつけるとすると、「愛」には性的な意味合いが含まれるから、ということになるんでしょうかね…?
まあ、問いへの回答はともかく、何か一つでも面白いと思っていただけていたら、とても嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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