【2022/3/01更新】(日本)鉱工業生産指数
直近値の状況
・2022/3/01公表の直近値(1月)は95.2で前月から1.3ポイント悪化しました。また、実現率▲6.7%(▲2.6%)、予測修正率▲3.5%(▲2.4%)と前回から悪化しています。
・部材不足を受けた自動車の減産が下押ししており、指数としてはマイナス側に振れていますが、先行する米国の景気回復に後追いする形で、国内の生産活動も回復に向かうとみられます。
指数説明
・製造業・鉱業(石炭や金属など地下資源を採掘する業種)の生産量を指数化したもので、世界中の国でGDP同様に整備されている基礎的な統計です。
・GDPの数値は四半期別でしか手に入りませんが、鉱工業生産指数は毎月分が翌月には公表され、頻度の高さ・速報性に優れています。
・GDPのように経済活動全体に対応した統計ではありませんが、依然製造業の経済に占めるウェイトは大きいため、実際に景気に連動する特徴(景気一致指数)があり、足元の景気動向をいち早く把握するために用いることができます。
・製造業の経済に占めるウェイトが大きい日本においては特に重要な指数です。
・季節調整後の指数が公表されていますので、こちらの動向が過去の指数の推移から見て上向き・下向きのどちらを向いているか確認することで、景気の方向性を把握することができます。
(実現率と予測修正率)
・日本の鉱工業生産指数は街頭月の翌月末に公表されますが、当月の見込み指数、翌月の予測指数が公表されます。
・例えば、1月分は2月末に公表され、2月分の見込み指数と、3月分の予測指数が公表されます。
・これらで算出されるのが、実現率と予測修正率です。
・実現率は、実績値を前月の予測指数で割ったものです。上述の例で言えば、2月末に公表された1月の実績値を1月末に公表された1月分の見込み指数で割って伸び率にしたものです。
・予測修正率は、見込み指数を前月の予測指数でわったものです。上述の例で言えば、2月末に公表された2月の見込み指数を、1月末に公表された2月の予測指数で割って伸び率にしたものです。
・この実現率と予測修正率がプラスであると企業の想定よりも生産は上向きで景気は改善、マイナスであると逆で景気は悪化しているとみなすことができます。