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あまり参考にならない「大学教員の時間の使い方」(1/5)『忙しそうで暇なとき、暇そうで忙しいとき』

 期末試験の時期になると、学生たちの目の色が変わります。単位を落とすわけにはいきませんから、キャンパス内のいたるところで勉強らしきことをしている姿が多く見られます。
 この時期は、学生たちにとって一年間で最も忙しい時期といえます。ある学生はアルバイトをしながら、ある学生は推し活をしながら、日頃はあまりやらない「勉強」をしなければならないのですから。

 研究室に勉強や授業内容に関する質問が寄せられることはほとんどありませんが、この時期は頻繁にドアがノックされます。

「テスト範囲について質問があります」

 授業をちゃんと聴いていない証拠です。

 この時期、多忙を極める学生とは異なり、私たち教員は一年で最も暇な時期となります。試験問題は既に事務局に提出済みですし、翌週が期末試験であることから授業準備が不用だからです。
 たまに授業をちゃんと聴いていない学生が訪れて「テスト範囲」を確認していくくらいで、ほかにやることは特にありません。学生たちにはバレていないようですが、この時期の私たちは申し訳ないくらいにのんびり過ごしています。

 期末試験が終わると、長期休暇がスタートします。大学の長期休暇は本当に長いので、学生たちにとっては天国のような時間でしょう。一方、私たちは、ここからが忙しくなります。会議、学会、公開講座、地域活動、研究(論文執筆)、授業準備など、長期休暇(学生にとっての)中の予定はびっしりです。この点は、長期休暇中にキャンパスに足を踏み入れることのない学生たちにはたぶん知られていない現実です。

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