変わった人

『あなたはいい人ですか?』

『そんなこと自分ではわかりませんよ、あなたにはどう見えるのですか?」

『私には風変わりな人に見えますよ』

『なるほど』

『でも、悪い人には見えないです』

『理由は?』

『あまり人に絡まないし深入りしないでしょ』

『確かに』

『お節介の過ぎるのは私は苦手で』

『親切にされてるのじゃないんですかそれって?』

『そうかもしれないですけどそういう人って決めつけたがるから』

『あー確かにそうかもですね』

『それにあなたは陰口言わないでしょ』

『いやそんなことないですよ、人間ですからたまに言ってしまいますよ』

『大勢で?』

『それはいじめだからやらないです』

『でしょ、だから風変わりに見えるんですよ』

『え?』

『だってみんなその場にいると流されて悪口に乗るでしょ?』

『そうなんですかね?僕はすぐ反論をしますよなんでも』

『ほら』

『まあ、一般論では風変わりかもですね』

『一般論というのが曲者なんです』

『自分の意に沿わない意見を言う人は変わってる...ですか?』

『そうですね、その場の支配者にとっては一番都合が悪い』

『日本人はデェベートが苦手』

『あなたは良く英語を使いますが、英検でも?』

『いや、何かの受け売りで真似してます、カッコいいかと思って』

『そうですか』

『カッコつけなんですよ私は』

『それはみんなそうですよ、良く見られたいから』

『そんなもんですかね、自然とカッコいい人いますけど』

『その人はいろんな経験があってのことだと思いますよ、一般論では』

『曲者ですね、一般論』

『ですね』

『何を話してたかわからなくなりましたね』

『会話というのはそんなもんでしょう』

『何を伝えるのではなく、いかに暇をつぶすか』

『そんなこと考えてるんですか?』

『そうですね』

『変わった人ですねやはり』

『だって独り言ですからね』

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