国立国会図書館の「個人向けデジタル化資料送信サービス」がいよいよ開始!
~2022.12.22 追記~
2022年12月21日に「国立国会図書館デジタルコレクション」がリニューアルされました。全文検索できる資料が大幅に増えたほか、「国立国会図書館オンライン」とのシングルサインオンも可能となりました。そのため、下記のログインに関する説明は現状と異なる部分がございます。詳しくは国立国会図書館によるプレスリリース(https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2022/__icsFiles/afieldfile/2022/12/02/pr221202_01.pdf)をご覧ください。
国会図書館が提供する200万点以上の絶版資料がアクセス可能に!
国立国会図書館の「国立国会図書館デジタルコレクション」(以下、「NDLデジタルコレクション」)には、国会図書館が所蔵するデジタルデータ279万点が登録されていますが、個人がアクセスできたのは、これまで約2割(56万点)にすぎませんでした(2022年1月現在)。
しかし、この度、国立国会図書館が「個人向けデジタル化資料送信サービス」を開始したことにより、追加で153万点の絶版資料に、登録さえすれば、個人のパソコンやタブレット、スマホなどからも見られるようになったのです!
全部で200万点以上の資料がデジタルデータでアクセスできるようになったことになります。これは、著作権法の改正に基づき可能になったとのこと。なんて、うれしい状況でしょう!!
国会図書館への利用者登録の方法
国立国会図書館の利用登録は、満18歳以上の方ならだれでも可能ですが、今回の「個人向けデジタル化資料送信サービス」の対象となるのは「個人の登録利用者」であり、日本国内に居住している人となります。また、登録には氏名、生年月日、住所が確認できる本人確認書類が必要です。
実は、これまで新規の利用登録は国会図書館に直接足を運んで登録するか、郵送による申込みしかできなかったのですが、インターネットでの登録も可能になりました。本人確認までの手続きにしばらく時間を要しますが、この機会に登録してみてはいかがでしょうか(ただし、サービス開始直後は通常より混み合う可能性があります)。
なお、「個人向けデジタル化資料送信サービス」を利用するには、「本登録」が必要です。雑誌記事のコピーの取寄せなどで「簡易登録利用者」(旧インターネット限定登録利用者)だった方は、本登録への切り替えが必要です。今回、この手続きもインターネットからできるようになりました。
さっそく使ってみます!
①「国立国会図書館オンライン」にログインし利用規約に同意
利用を始める前に、まず「国立国会図書館オンライン」(以下、「NDLオンライン)にログインしましょう。NDLオンラインは国会図書館で利用可能なあらゆる資料を一元的に検索し、各種の申込みを行うことができるページです。
NDLオンライン: https://ndlonline.ndl.go.jp/
NDLオンラインにログインすると、「個人向けデジタル化資料送信サービス」への利用規約が表示されます。個人送信サービスの利用にはこの規約への同意が必須となっています。内容をよく読んで理解したら「同意する」をクリックしましょう。これで、個人送信サービスの利用の準備がととのいました。
なお、利用規約はNDLオンラインにログイン後、「利用者情報」のページにある「その他」の項目からも同意の手続きが可能です。
②「国立国会図書館デジタルコレクション」にログイン
実際の電子資料の利用には「NDLデジタルコレクション」のページを使います。こちらでも改めてログインが必要です。
ログイン画面の表示は画面内にもありますが、URLは次の通りです。IDとパスワードは先ほどの「NDLオンライン」と同じものです。
ログイン画面のURL: https://www.dl.ndl.go.jp/soushinLogin
無事にログインできると、右上に「図書館・個人送信資料利用可」との表示がされ、個人送信資料の利用ができる状態になりました。
③「図書館・個人送信資料」を検索
デフォルトで「インターネット公開」(=これまでも個人向けに公開されていたもの)と「図書館・個人送信資料」(=今回、個人向けに提供開始されたもの)の両方にチェックがついていますので、キーワードを入れて検索してみましょう。
たとえば、「多摩美術大学」で検索してみると、多摩美関連の定期刊行物で、以前図書館長もつとめられた秦剛平名誉教授が中心となって刊行された『宗教美術研究』(1994-2000)が収録されていることがわかりました。秦先生の「宗教美術研究会の紀要発刊について」という創刊号の冒頭記事から全文をしっかり見ることができました。この他にも、多摩美の図書館でもかつて良く利用されていた雑誌『広告批評』(マドラ出版)や建築関連の『10+1』(INAX)など、これらがオンラインで読めるようになり、とても便利になりました。ただし、商業雑誌というより研究向けのものが中心です。
雑誌だけではなく、図書もあります。ちなみに今回追加された資料は以下の図の通りです。著作権の関係で最新のものという訳にはゆきませんが、インターネットで気軽につかえるようになったので、「デザイン」とか「浮世絵」とか、思いつく言葉を入れて検索してみれば、「こんなものもあったのか!」という出会いがあるかもしれませんね。
なお、こちらでご紹介したのは、今回(2022年5月19日)、筆者が個人として利用した時点のものとなります。サービス開始後、いろいろと改善され、説明と齟齬が生じることがあるかと思いますが、どうぞご了承ください。
国会図書館のホームページにも利用者登録から、実際の検索・利用までの流れを詳しく解説したページがありますので、こちらもあわせてご参照ください。
印刷機能は2023年1月を目途に提供開始
プレスリリース(https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2021/220201_01.html)によると、サービス開始当初は閲覧のみが可能とのことで、印刷機能が提供されるのは2023年1月を予定しているとのことです。
それまでの間は、印刷が必要な場合は、これまで通り、公共図書館や大学図書館など「図書館向けデジタル化資料送信サービス」を提供している図書館で手続きをしたり、国会図書館の遠隔複写サービスで依頼したりする必要があります。(なお、多摩美術大学の学生さんは、八王子キャンパスの図書館にて「デジタル化資料送信サービス」の利用が可能です。八王子図書館2階カウンターでお申込みください。)