情報デザインコース卒業研究制作 | インタビュー第8弾 | チョ ウォンギョンさん
みなさん、こんにちは!
多摩美術大学情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展2024 - From: To:広報部門です。
今回のnoteは、卒業研究制作展参加者へのインタビュー記事の第8弾です。
これから約2週間にわたって全9名のインタビューをお届けしていきます!
彼らがどのような想いを持って今までの制作をしてきたのか、記事を通じて皆様にお届けできたらと思います。
第8弾は「ラーニングとデザインゼミ」に所属するチョ ウォンギョンさんのインタビューをご紹介します。
インタビュイー紹介
普段は主に、どんなもの・ことを制作していますか?
チョ:今までの制作は主にアプリやウェブの形になっています。キャラクターデザインとタイポグラフィデザインもやっています。
どんな分野に興味がありますか?
チョ:サービスとUI/UXデザイン、イラストレーションに興味があります。
卒業研究制作作品について
誰に届けたい作品ですか?
どんな作品ですか?
チョ:「bubbles」はチャットアプリの吹き出しにダイナミックなモーションを取り入れたシリーズです。吹き出しのモーションは「身体性」を基にデザインしました。文字会話にボディランゲージのような効果を付与することで、意味や感情の伝達をより強化することを目指しました。このシリーズは20個の社会的なインタラクションキーワードと40個の感情的なインタラクションキーワードからなる、合計60個のバリエーションで構成されています。
作品を作ろうと思ったきっかけを教えてください。
チョ:テーマ探しの当時、私が最も興味を持っていたのは「言語」、特に「絵文字」でした。絵文字という言語はなぜ登場したのでしょうか。私はこの疑問に答えられるヒントを、メディア界の主役とも言える「チャットアプリ」から観察しようとしました。それで気づいたのは、絵文字とは基本的に感情を視覚的に表現し、文字による会話を強化するために使われているということです。そしてその役割をしている他のメディアコンテンツには写真や動画、スタンプ、GIF、音声メッセージなどがあります。面白いのは、様々なチャットアプリがお互いに非常に似ているということでした。基本的なUIや構成、機能がほぼ同じであり、中身の言語やコンテンツも大体同じでした。私はここで今のチャットアプリには表現されていない要素を見出し、メディアコミュニケーションの世界に新しい形の会話を提案したいという動機ができました。そしてピックアップしたキーワードが「吹き出し」と「ボディランゲージ」です。
制作過程を教えてください。
チョ:私は前期審査会と中間審査会を経て、研究テーマを「メディアにおけるテキストベースコミュニケーションの感情や意味の伝達の強化」に決めました。そして研究対象を「チャットアプリの吹き出し」、研究コンセプトを「身体性」と決め、軽い吹き出しモーションのプロトタイプを作成しました。
最終審査会に向けて、本格的に吹き出しのモーションデザイン作業に取り組みました。まず、ステップ1として自分の中で思い浮かぶ感情や言葉、そしてそれに適すると思われるモーションを直感的にペアリングしてみました。ステップ2で、作られたものを検討するため、10人にインタビューを行いました。インタビューはそれぞれの参加者に対して10個のキーワードを演技してもらう形で、2つのアプローチでデザインしました。「インタビュー1」ではキーワードを引き出せる会話を作り、私とセリフのやり取りをしながら身振りを含んだ演技をしてもらいました。「インタビュー2」ではシンプルにキーワードを1つずつ身体で表現してもらいました。検証ステップが終わり、ステップ3で最終ブラッシュアップを行いました。最終的に3パターンのモーションができました。それは、ステップ1で作ったそのままのもの、ステップ1のデザインを修正したもの、そして新しく追加したものです。完成したシリーズにはそれぞれの使用例を見せられるチャットシーンをデザインしました。
シリーズの完成後、展示のために研究内容をまとめた天吊りバナー3枚とディスプレイ、さらにウェブを制作しました。
制作を通して気づいたことを教えてください。
チョ:身体と言葉の関係を研究した結果、身体は会話のサポートをするだけでなく、それ自体が意味を持ち、伝達できる「言葉」なんだということがはっきりわかりました。身体的な動きや表現を大切にしていきたいと思い、この研究で得たものは今後のデザインにも取り入れたいです。
そして「bubbles」シリーズの完成には他の人とのインタビューやフィードバックがとても役に立ちました。自分の意図や表現をしっかり持って行くのも大事ですが、客観的な意見やアイデア、新しい情報に対するオープンな姿勢も重要であることを学ぶことができた一年でした。
今後の活動や進路について教えてください。
チョ:「新しい、楽しい、フレンドリー、イノベイティブ、クリエイティブ」私がとても大事にしている言葉です。この5つのキーワードを忘れずに、現在興味を持っているサービスとUI/UXデザイン、イラストレーションをメインに、今後のデザイナーとしてのキャリアを構築していきたいと思います。
(インタビュー・編集:中野 梨杏・佐藤 萌香・パク ミスン、画像提供:チョ ウォンギョン)
インタビュー第8弾、いかがでしたでしょうか。
本卒業研究作品は多摩美術大学 情報デザイン学科情報デザインコース 卒業研究制作展に展示されております。
記事だけには載せきれない、実際に見るからこそ伝わる魅力がある作品がたくさんありますので、みなさまもぜひ会場にお越しください!
第9弾は、「デザイニング・エモーションゼミ」に所属する松本 優太さんのインタビューをお届けします。次回もお楽しみに!