
ぼくのかんがえたさいきょうのおこづかいばいぞうけいかく(なぜ・ぜんていの巻)
※この文章は「保護者」・「中学生以上の子ども」に向けて書いています。
※「自分で稼ぐ経験って『生きる力』じゃん」って話
生徒との雑談でよく「お金を稼ぐ」という話をする。
中学生は「スマホが欲しい、服が欲しい、推し活したい。だけどおこづかいがない…」と言っている。
そうした話の流れで「じゃあ稼いでみたら?」となるわけだ。
まぁ、返ってくるのは「え〜、そんなの無理。」という答えがほとんどなのだが。
もちろん中学生だから勝手にやってはいけないので、生徒と保護者が協力することが前提であり、保護者はアドバイザー、子どもがプレイヤーとなって「稼ごうとする経験」を積んでほしい。
なぜ「稼ごうとする経験」が必要か。
なぜ中学生にそんなことを言うのか、どうしてこの文章を書こうと思ったのかというと、
①「稼ごうとする経験」は勉強に必要感を生むから
②「稼ごうとする経験」で親も子も成長できると思っているから
である。
「知る」・「わかる」・「できる」
学びは「知る」「わかる」「できる」の段階を踏む。
例えば、
赤ちゃんは、言葉を習得するために大人が話している言葉を聞き、言葉を「知る」。
次に真似したり、様々な場面で使ってみたり、意味を尋ねてみたりして、その言葉が「わかる」
そして言葉を何度も使っていくなかで、正しく使えるようになるし、他者に教えることができるようになる。(「できる」)
この「知る」「わかる」「できる」という段階を順に踏みながら、時には往復しながら学びは進んでいく。
ここで忘れてはならないのが、「知る」から「できる」までに「経験」と「失敗」が欠かせない、ということだ。
学校の勉強と「社会」をつなげる
私たちは普段様々な能力を使っている。
言葉を使って対話する、歴史や英語の知識、推論する、相手を思いやる。
どれも学校で学ぶことだし、各家庭でも「大事なこと」として扱っているものだろう。これらを「稼ごうとする経験」を通して実社会とつながる場で使ってみるのである。
知識を活用しようとすることで、「知っている」レベルから「わかる」レベル「できる」レベルへと高めることができる。
保護者としての成長・子どもの成長
子どもが稼ごうとした場合、どうしても足りない部分が出てくる。
知識が足りない場合もあれば、コミュニケーション能力が足りない場合もある。
そこで、保護者としてアドバイスやサポートが欠かせない。
前提1:目的は「学び」「成長」である
「お金を稼ぐ」ことが目的ではない。
「お金を稼ぐ・稼ごうとする経験」から子どもが様々なことを学び、成長することが目的である。
例えば
金融教育、「お金」に対する価値観、コミュニケーション能力、文章力、ロジカルシンキング、etc…。
社会へ出たら自ら稼ぎ、生活をしていかなければならない。
その練習の場として「稼ごうとする経験」を積んでもらいたい。
もちろん練習なのだから、「失敗」してもいい。「失敗」から大いに学べば良い。
前提2:「稼ぐ」とは
「お金を稼ぐ」とは「誰かの役に立って(欲求を満たして)対価を得る」ことだ。相手のニーズを満たすことだ。
今の子どもたちはどうか知らないが、僕が子どもの頃は「食器洗い1回10円」とか「お風呂掃除1回20円」とか家のお手伝いをすることでおこづかいを得ていた。
両親なりの「お金を稼ぐことの大変さ」を教える「教育」だったと思うのだが、やはり家族からお金をもらうと「稼ぐ」という色が薄まってしまう。
だから赤の他人と関わりを持って「相手のニーズを満たす経験」をしてもらいたいたい。
前提3:なぜ中学生以上なのか
理由は2つ。
①対価・報酬によって逆にモチベーションが下がってしまう「アンダーマイニング効果」があるから
②中学生以上であれば、ある程度「自分の好きなこと」がわかっており、「好きなことで対価をもらえる」という経験で自己肯定感・自己有用感が高まるから(高まってほしい)
「アンダーマイニング効果」が起こる原因は「やらされ感」である。
親に「自分で稼ぎなさい」と言われて、お金を稼ごうとすると「やらされ感」が出てしまい、途端にやる気を失ってしまう。そうなると好きだったことも嫌いになってしまうかもしれない…。
ここで大切なことは、子どもが自ら「やりたい」と思って稼ごうとすることである。
だからこの「おこづかいばいぞうけいかく」は、子どもが「お金を稼ぐ方法」の一つとして扱わなければいけない。
決して「お金を稼ぐ」ことが目的になってはいけない。
この約束が守れるなら小学生がこの「けいかく」を実行しても構わない。
「ぼくのかんがえたさいきょうのおこづかいばいぞうけいかく①(なぜ・ぜんていの巻」はここまで。
次回は「どうやって稼げばいいの?」という声に応える記事になる(なるといいな)
更新を待て!
バーイ(o_o)/