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将来価値と現在価値


キャッシュフローの時間価値



 キャッシュフローの経済的価値を比較する場合には、キャッシュフロー
が発生するタイミング(時間価値)を考慮に入れる必要があります。

 現在手許にある100万円は5年前の100万円と同じ価値ではありませんし、また、現在の100万円と5年後の100万円も同じ価値ではありませんね。
 異なる時点に発生するキャッシュフローは、一定の金利水準によって現在価値に引き直したうえで、価値を比較する必要があります。


 現在のキャッシュフローの将来における価値を「将来価値」といい、将来のキャッシュフローの現在における価値を「現在価値」といいます。


将来価値


 将来価値とは、「一定の金利水準のもとで、いま手許にあるお金を複利
運用した場合における将来における価値
」を意味します。

 いま手許にあるお金の将来価値は、運用期間が長いほど、また、金利が
高い
ほど、増加するペースが速くなります。
 一般的に、金利はr(rate)、年数はn(natural number)で表記します。

                                                                                 n                    
  将来価値(FV、Future value)= 元本 ×(1+r)


 現在価値


 現在価値とは、将来のキャッシュフローの現時点における経済的価値、
つまり「一定の金利水準で複利運用することにより得られる将来キャッ
シュフローの現在における価値
」を意味します。
 将来価値の計算式を変形すれば、元本(現在価値)を計算できます。

                  

    現在価値(PV、Present value)      n
  = 将来のキャッシュフロー  ÷ (1+r)


 
 金利水準が高いほど、将来キャッシュフローの現在価値は小さくなる、
言い換えれば、元本が少なくても高い利回りでの複利運用をすれば大きな
将来キャッシュフローを手に入れることができます。

 将来キャッシュフローを現在価値に引き直して評価することを「割り
引く」ともいい、算式での金利水準(r)は「割引率」とも呼ばれます。

 株式や証券など金融商品の価格は将来支払われるキャッシュフローの
現在価値の合計額と等しいと考えるため、この算式はとても大切です。


10%の複利運用の下での
5年前と5年後の
お金の価値

  

 たとえば、金利10%で課税を考慮しない仮定の下で、5年前の手許現金62.09を複利運用すれば現在100になり、現在の手許現金100を複利運用すれば5年後には161.1に増えることになります。
 現在のお金100は5年前の62.09と同じ価値であり、現在のお金100は5年後の161.1と同じ価値だといえます。


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