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ドルコスト平均法


 

定額購入(ドルコスト平均法)と定量購入



 前回のおさらいから。
 定期的な購入には「定額購入」と「定量購入」の2つがあります。

 期的に一定購入する定額購入では「価格が安いときには多くの口数
を購入し、価格が高いときは少ない口数を購入」するため高値買いを防ぎ、結果として、取得価額を平準化できるメリットを受けられます。

 投資のリスク分散効果を得る定額購入をドルコスト平均法といいます。

 それでは「定額購入」と「定量購入」を比較してみましょう。
 事例において、定額購入では1回当たり10,000円を5回に分けて購入し、定量購入では1回当たり10,000口を5回に分けて購入するものとします。
 いずれも、1口1円、10,000口単位での購入とし、税と手数料の負担は考慮しません。


取得価額を平準化できる「ドルコスト平均法」



 定額購入では毎回10,000円を継続的に投資します。
 投資期間中に価額が変動するため、1回当たり投資額10,000円で購入できる口数は、7,692口から14,285口までと大きな幅があります。

 一方、定量購入では毎回10,000口の投資をしますが、1回当たりの購入口数に対応する購入価額は7,000円から13,000円までと差があります。

 それぞれの平均購入価額を計算すると、定額購入では10,121円(=50,000円÷49,400口×10,000口)、定量購入では10,600円(=53,000円÷50,000口×10,000口)となります。
 そして5回購入後に基準価額12,000円(10,000口)で売却した場合には、①定額購入の売却益は9,280円、②定量購入の売却益は7,000円です。

 定額購入では取得価額が平準化され、売却益が大きいことが分かります。



ドルコスト平均法が負けるとき


 上記のように、一定額を継続的に投資する定額購入は「価格が安いときには多くの口数を購入し、価格が高いときには少ない口数を購入する」ため、高値買いを防ぎ、結果として取得価額を平準化できるメリットがあります。

 しかしながら、ドルコスト平均法も万能ではありません。
 ここでは積立投資と一括投資の損得を、基準価額が1万円から6万円まで変動するケースで比較してみます。
 次にように上がって下がる「逆V字相場」と「右肩上がりの相場」では、定額積立が裏目に出て、一括投資の方が有利な結果となります。
 

ドルコスト平均法が一括投資に負けるとき



 逆V字相場では、初回に一括投資した場合における損益は0円です。
 一方、定額積立では価格上昇局面で継続して購入するため、その後価格が下落すると一括投資より平均購入単価が高くなり損失が出てしまいます。

 また右肩上がりの相場で初回に一括投資すれば資産は6倍に増えます。 
 しかし定額購入は価額が上昇する局面で購入口数がどんどん少なくなり、一括投資よりもリターンが少なくなります。


 投資で大きな成果を得る方策は、「安いときに買って、高いときに売る」ことですが、それが最も難しいわけです。
 本業の傍らで投資活動にばかり時間も割けないですよね。

 そこでやはり、常勝ではなくても「ドルコスト平均法」の利点を活かした長期の積立投資で堅実な投資戦略の立案を♪

★重要★ 常勝ではないが「ドルコスト平均法」で長期の積立投資を!