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あの頃、夢見た世界

もうすぐ「ハリーポッターレガシー」というゲームのプレステ4版が発売される。普段はめったにゲームをしないけど、同居人がこれならすきなんじゃない?と教えてくれて以来ずっと、やるのを心待ちにしている。夏には東京に、ハリーポッターの舞台裏を体験できるパークもできるらしい。昔から母親が大のハリーポッター好きなので、その影響で自然とわたしも大好きになった。人が落ち着いた時期に一緒に行こうねと約束している。

それらを楽しむ解像度を上げるべく、ハリーポッターを全シリーズ読み直したい。というきもちがここ数週間めきめき湧いていて、でもちょっと落ち着こうぜ自分とも思っていて、そんなふうに迷っているうちに映画シリーズはファンタスティックビーストも含めてすべて観直し終えてしまった。好みのタイプはシリウス。だけどね、スネイプ……わたしはあなたがすきです。「永遠に」

小学生のとき、とにかく夢中になって読んだハリーポッター。夏休み、外へ遊びに行かず本にかじりつくようにして読んでいた。それが初めてしっかり読んだ長編小説だったような気がする。

久しぶりにファンタジーが読みたくなって、手に取られたのは先日手に入れたばかりの『地下図書館の海』。『夜のサーカス』のエリン・モーゲンスターンの訳書が3月に出たばかりだと本屋で知り、きたきたきたと即座に買ったもの。タイトルだけでもうわくわくする……と思っていたら、読みはじめてすぐにのめり込む。

自分の子供の頃の体験が書かれた、著者不明の不思議な本を図書館で見つけた大学生のザカリー。その本の続きに記される、地下図書館の手がかりを探して仮面舞踏会に潜入し……

知っている本の名前や文章がどしどし引用されていて、わくわく必須。ハリーポッターのことも結構出てくるので、ちょうどわたしたち世代が大人になって読む本じゃないかこれは!とにまにましている。

ザカリーの専攻がゲーム系で、ちょうど最近マルチバースをモチーフにした映画エブエブこと『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を観て興奮したところだったし、さらに柿内さんとわかしょ文庫さんがラジオのなかでエブエブについて語っているのを聴いたばかりだったので、その辺の知見とゆるやかに繋がっていき、あまりにもたのしい。

「人はゲームの中で生きることができる」

「本や映画や演劇によって味わうより、ずっと長い時間ね。(中略)物語は退屈なところを省いてて、すごく凝縮されている。だけど長篇のRPGは、そういう部分も要素としてとり入れている。砂漠をさまよったり、会話したり、酒場でだらだらしたりする時間を残してある。現実にいちばん近いものじゃないとしても、ペースという点では映画やテレビ番組や小説よりも現実に近い」
『地下図書館の海』より引用

このあたりのゲーム論などは、なかなか興味深くて、本は良いのにゲームは長時間接してはだめというイメージがわたしの中にすくなからずあるけど、なぜ無意識にそう思うのか、本当にそうなのか?についても考えるきっかけになっている。

いろんな方面からおもしろい。これはあっという間に読んでしまうぞ………

ところで、心待ちにしていた「ハリーポッターレガシー」のプレステ4版はもともと4月発売の予定が5月に遅れることになったらしい。どの寮に組分けされるだろうとか、魔法動物育てたいとか、禁忌の呪文使ったらどうなってしまうのだろうとか、母親を呼んで一緒にやろうとか……日々いろいろ考えていたのに、ホグワーツ入学が一ヶ月も延びた。わたしはしっかり不貞腐れています。

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