絵本『にんじんようちえん』の みりょく。
ポプラ社さんのにんじんサポーターズとして、絵本の感想を書かせていただく事になりました。
ポプラ社さんのnoteは、絵本制作秘話や裏側が知れるのでとても楽しいです。いつも興味深く拝見しております。
今回紹介させていただくのは、2022年3月10日にポプラ社さんから発売された
『にんじんようちえん』(作/アンニョン・タル 訳/ひこ・田中)
という絵本です。
最後まで読んでいただけると幸いです。
みりょく① 絵がかわいい。
まず見ていただきたいポイントは、絵柄。
色鉛筆で細かく描かれていてとても繊細なのです。
何より、キャラクターがかわいい。
キャラクターがかわいいんです…!(2回言う。)
見てください。
この、クマ先生の大きさ!!
大きな体につぶらな瞳。一目で大好きになりました。
クマ先生のモコモコ感も色鉛筆でふんわり描かれています。土のサラサラ感、葉っぱのわしゃわしゃ感、どのページも温かみがあります。幼稚園内の掲示物やおもちゃ、本棚も細かくて楽しい。
思わず、じーっと眺めたくなる絵なのです。
みりょく② 本文は少なめ。そのぶん会話が多い!
本文は、そんなに多くありません。
でもよーく見ると、子ども達ひとりひとりが自由に話しているのを聞く事ができます。
会話は手書きの文字で書かれています。
ようちえんの子ひとりひとりに個性があって、話している部分を見るだけでも面白いです。絵と同様に、すんごく細かい!
思わずクスリと笑ってしまうユーモアがいっぱいです。
みりょく③ 「だいすき」の表現方法。
とげとげウサギの子はクマ先生が好き過ぎて、ある日、猛アピールを始めます。
「カッコイイふく カッコイイふく…」
と、自分でタンスの中からお気に入りの勝負服を出してきたり。(この時選んだ服は、なんと…!?かわい過ぎる!)
「みてみて せんせい みてみて!」
と大きな声でアピールしたり。
とてもほほえましいシーンです。
何回も何回も「みてみて!!」を続けるとげとげウサギの子を見ながら、私は思い出しました。
『あ。私、この子を知ってる。』
娘です。
絵本の中のとげとげウサギの子は、『3人きょうだいの1番上の子』という描写があるのですが、実は我が家も3人きょうだい。第1子の娘が年中さんの時に3人目の子が生まれました。
さみしくて、こちらに心を向けてほしくて、毎日何回も、何回も「ママ、みて!」
あの時は、赤ちゃんのお世話や幼稚園の送り迎え、公園での遊びなど、日々の生活をこなす事に必死でした。「みてみて」攻撃に疲れてうんざりする事もありました。
うまく対応できない事も沢山あったと思います。
子どもの「みてみて」には「だいすき!」がたくさん詰まっていたんだなぁ、と改めて気付かされました。(子どもの健気さに泣いた。)
そして絵本の最後に飛び出すワード
「せんせいとけっこんする!」
子どもにとって
結婚 = いま、せかいでいちばんだいすき
という事なのかな?
いつでも真っ直ぐな「だいすき」の気持ちにほっこり癒されました☺️
*****
この絵本、とても可愛らしいので子ども達は絵を楽しみながら読んでいました。
ストーリーはどちらかというと、大人の方に刺さってしまうのではないでしょうか。
とってもかわいくて、ほっこりします!!
あと!風景だけの見開きページが最後の方に出てくるのですが、その空の色がすごくキレイで…しばらく見惚れました。
ユーモアがいっぱいで、背景や登場人物の動きも細かくて、優しい絵柄で描かれた素敵な絵本です。
今回は4分の1サイズのかわいいミニミニ絵本を読ませていただいたのですが、本屋さんに行ったらぜひ原寸サイズの絵本を手にとってみたいです。
クマ先生、だいすきー!!
にんじんサポーターズより🥕