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さよなら、ネイビーブルー

長い年月を私と共に過ごしたHI-TEC-Cが、娘の手の中で死んだ。
それは私の戦友であり相棒だった。
HI-TEC-Cは自分の中身を撒き散らし、娘の指を青く染めた。

キレイなキレイなネイビーブルーだった。

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『HI-TEC-C(以下ハイテックC)』とは、PILOTから発売されているペンの名称だ。私が学生の頃、一番愛したペン。
昔はお店に大量に置いてあるイメージだったんだけど、近年は文房具コーナーに行っても見かけなくて寂しい。まだ売ってる?売ってるよね??

思えば私は小学生の頃から文房具が好きだった。小学校の近くに小さな書店があり、そこにはいかにも小学生女子が好みそうな、かわいらしい文房具や小物も売っていた。

鉛筆や消しゴムはもちろん、ゆるーいどうぶつの描かれたノート&下敷き、ロケットえんぴつ、うす緑色のミニシャープペン、猫柄のおこづかい帳、小瓶に入ったカラフルで乙女心をくすぐる香り玉。などなど。意外と覚えてて自分でびっくり。

そのうち中学生になり、ペンを自由に持てる年齢になると、キレイな色のペンも必需品になった。たとえば

★キラキラのラメ入りのペン。
★マーブル柄のペン。
(調べたら一度廃盤になって、新しいデザインで復活してるらしい!!すてき!)
★ミルキーペン。
(こちらも一度廃盤になって、令和の時代に復活したらしい!すてき!!(超脱線))

そんな多感な(?)学生時代の中で出会ったのが、ハイテックCだった。

華やかさは無いが、とても機能的。
中学、高校、大学の授業で活躍してくれた。ペン先が細い&キレイな発色で、細かい字が書きやすい所がすき。

ハイテックCの赤、青、緑、オレンジあたりをペンケースに入れておき、注釈や授業のポイント等を書き混むと、キレイな色のノートのできあがり!テンション上がりますわ!!てな具合。

黒は、字はもちろんの事、主にイラストを描く際に使用。ハイテックCは

0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.25mm

といった具合に、ペン先の細さを0.1ミリ単位で刻んでくる。すごい。畳み掛けてくるかんじ。嫌いじゃない。むしろすき。
ピーク時は黒だけ全ての太さを揃えていた。だって描き心地ちがうんだもん。(オタク)

友達への手紙などを書く時には黒だけだと味気ないので、ハイテックCの茶色や紺色も購入。落ち着いた色合いで、書いた字にも柔らかさが出る!と信じていた。

社会人になり黒・赤・青は何かの時に使い切り、オレンジはペン先がおかしくなったのか何を試しても全くインクが出なくなり、泣く泣く手放した。

いつの間にか字を書く事もほとんど無くなったので、新しいメンバー(ハイテックC)を迎え入れる事は無かった。
緑、茶、紺がうちにいる残りのメンバー。
思い出がたくさん詰まっていて、何となく手放せなかった。嫁いだ先にも持ってきてしまうほどに。

そして、2021年。事件は起こる。

娘が青系のペンを求めて、ペン立てから紺色のハイテックCを手に取った。そして文字を書こうとして………

「うわぁ!」

娘の悲鳴が聞こえた。洗い物をしていて、娘が何をしているのか分からない私は

「何?!だいじょうぶ?!」

と声をかけた。すると娘はびっくりした顔をしつつも状況を説明してくれた。

「書けないなぁと思って、持ち上げたら、、壊れた…」

ハイテックCは、ペンの先端に付いている
銀色の円すい部分が取れ、中身のインクがなぜかブッシャー!飛び出していた。
それを見て私はすぐに悟った。

───寿命だ─────。

そしてハイテックC(紺色)を優しくティッシュで包み、お別れをしたのだった…。

誰かに手紙やメッセージを書く時、君には本当にたくさん助けてもらった。
こんな形のお別れは寂しいけれど、もうさよならだね。
今までありがとう、ハイテックC(紺色)。
永遠に大好きだよ。

というか、ペンの寿命って一体何年くらいなのだろう?
このハイテックC達は大学在学中に買ったやつだとしても、◯◯年以上経過…?(恐ろしくて伏せ字)

とりあえず、ハイテックCの緑色と茶色は未だに現役。大丈夫。今日も元気です。

お読みいただき、ありがとうございました☺️