2016年8月 『銀色、遥か』
冬が巡る。また君と、巡り会う。
・雛多
中学編は卒業でなんか一作終わったのに近い満足感あったよね。
学園編に入っていきなりなんか他と異なる制服着てるんだけど、なんで?
シーンまではあと三年かな〜、ストーリー面白いから良いけど〜とか思ったら割とすぐに「ムラムラしませんか」だったのには驚いた。そこから一晩おいてホテルに行くのもGood。二日目のカレーはその暗示だったかー。
でも黒板の下にウサギのケージ置いてあるのはどうなのかなって。そりゃ普段は授業にも使ってないぽいから良いんだけど、学園祭の時には黒板に文字書いてたし、ウサギにチョークの粉かからない?
3シーン連続で同じ場所ってのも芸がないでしょ(尚4シーン目〜)
7シーン目、ド変態じゃん(褒め言葉)。いや、まぁ雛多が「準備します」って言った時点で耳つける位は予想してたけど、それに対する主人公の適応能力よ。さすが偏差値70↑。
でも7シーン目と9シーン目、同じCGを使うのはダメだよ。まぁ合計51シーンあるから容量的な問題かもしれないけど。
EDの雪に足跡がつく演出、結婚してからEDに入って男物の革靴と女物のスニーカーの足跡に犬の足跡が加わって、そこに小さい靴が加わる演出、雪国である事を生かせてて良いと思うよ。
登場人物も皆いい人で安心する。主人公も行動力あって(雛多の影に隠れてるところもあるけど)有能オブ有能。ストレスがない。いや、文句を強いて挙げるなら中学生編にあたる最初の2(3)年間にエロいシーンが(ラッキースケベとか)ないことが確定的に明らかってことくらいで。でも結局10シーンもあるならエロゲとして問題ないじゃんね。
ただ気になるのはなんか中学生編のベスリーが張ってた壁が学園編になってからなくなった事。まぁでも中学編から学園編まで5年くらい開いてるし(中1の雛多が初潮を迎えた描写があったから中学生は13歳になる年度からだと思うんだよね。中学は3年で卒業して15歳。それでそのあと学園編で入学してから割とすぐにシーンがあってそれは18歳以上って注意書きがあるからその後3年ブランクがあって18歳で学園に入学なのかな。少なくとも雛多の誕生日前だったから入学するのは19歳になる年度だし)、その間カナダに帰国してたとしても日本語勉強して、普通に会話ができるようになったから壁がなくなったのかなとは思う。中学生編では「会話が苦手だから自分から他者と交わろうとしないんだ」って言われてたわけだし。まぁそこら辺は個別ルートに期待しましょう。
・瑞羽
まぁ「瑞ねぇ瑞ねぇ」って慕ってくれてた子が2年ぶりに会ったら「如月先輩」呼びになってたらああもなるよ。「瑞ねぇ」って呼んだのに対して「学校では先輩って呼びなさい」ってやりとりがあったならともかく。でもそれに気づけただけマシだよ。
デートじゃない(デートでしょ)のお出かけ、駅に集合ってところから遠出するって読み取った主人公は有能。でもそういうときって「交通費いくらくらい?」ってのは確認しなきゃいけないし、瑞羽も瑞羽で「私が払う」って言うんじゃなきゃ交通費は前もって言っておかなきゃ。
ヒロインの問題を解決するのは主人公であって欲しいけど、そのための焚きつけは他人でもいいわけで、その焚きつける役をアリサがやるのは良いけど、それを描写するのがサイドビューって言うのがね。
立ち絵が学園編のものに変わって、1年前を回想して「4年後中国でオリンピック」って言ってるってことは2022の北京。つまり2018年な訳だけど、このとき主人公16歳、瑞羽17歳。で、その後年明けてからの年度で学園に入学。つまり学園に入学するのは17歳になる年度。おい雛多ルートと矛盾してるぞ。
中学生編の行動(誰と付き合うか)で進路が完全に変わるのな。それでもももちゃん先生に顧問頼んだりするのは代わらないみたいだけど。やっぱり悪い人は居ないんだよな。ただ名前だけだった先輩たちも主人公に対して「それ何の意味があるの?」とか「自分たちの空間を邪魔するな」とかは言わないし。結局先輩たちは夫婦漫才を見て楽しんでたっぽいし。ギスらなくてよかったよ。
そしてここで雛多の制服の謎が判明する。それ個別ルートで書けよ。ライター違うけど。
指舐めするならCGを寄越せ。
にしても主人公が有能なんだよな。二年前に膝怪我して、「まだ違和感を感じるときがあるけど平気」って瑞羽が言ったけどちゃんとコーチに報告する。まぁその日に怪我再発してたら世話ないんですけどね。
椛さん、その貞操観念・避妊意識をいざ自分の立場になった時に守れるのか、見物です。(→ガバガバでした)
でもいくら怪我しててできるプレイが限られてるとは言ってもシーン2、3がCGも内容も同じなのはどうなの?
そもそもにシーンCGの使い回しが多い。衣装が違うだけとかそう言うのはなぁ……
ただEDで結末を暗示するのは良いけどちゃんと金メダルとったCG欲しいし、アリサのコメントも欲しい。
・椛
わたしも女の子だから。余計な心配、たくさんしちゃうんだ
個別ルート入るまでは回りよりちょっと目立たない女の子っていう感じだけどルート入った途端なんか可愛さが出てくる。でもこのルートのライター:にっし〜が「すみません」を「すいません」表記してる。ダメでしょ。(その後は「すみません」になるんだけど)
主人公が通い夫してる。いやそれ妻問婚って言うんじゃねぇの? 三日夜の餅は出たんですか!? 初日のあといきなり一月継続した事になってるけど。
ちゃんと自分の気持ちと向き合って、恋心を自覚するプロセスが書かれてるのがいい。
主人公は有能だからちゃんとコンドーム買ってるんだけど、ヒロインの方が「そのまま(ない方)がいい」とか言い出しちゃう。お前瑞羽ルートでなに言ってたのか忘れたのか?まぁ2日目以降は使ってたらしいけど。
ただね、演劇をやるのは良いし、題材が銀河鉄道の夜なのもいい。でも演じてる最中は台詞の話者表記を「ジョバンニ」とか「カムパネルラ」とかにして欲しかった。
2シーン目にしていきなりコスプレ。しかも今回はもう私物になったから汚れたとしても大丈夫なパターン。
いままでのシナリオでも、シナリオは10年間あるんだから一回くらい喧嘩しろよって思ってたけど今回はちゃんと喧嘩してくれた。これは同い年だから出来る事だし(年齢差があると年上が「年上だから」で折れることになるけどそれは解決方法としては違うよね)。
ライターが違うのは良いんだけど、瑞羽の時はSide MIZUHAとかやってたし、主人公以外の視点になるときにそういうダイアログ出すか出さないかは統一して欲しいよね。個人的にはない方が好みです。
ただね、主人公とかヒロインが作り上げたものって言うのは描写して欲しいわけで、どんな舞台になったのか全編書いて欲しいよね。まぁ今回は1時間の舞台だって言うからアレだけど。でもね、稽古着立ち絵はあるのにCGだと制服になってたり、舞台に立つときも衣装じゃなくて制服なの、ちょっと手抜きじゃない? とは思う。
でも瑞羽と違って結末をテキストに落とし込んだのは極めて正しい。
演劇やってるからコスプレ衣装がある→それコスプレって言うか?
衣装があるからシーンで着ます→ただしい。
演技もできるのでシチュエーション考えてやります→極めて正しい。
EDもシンプルながららしい演出で良かった。
ただ一つだけ心残りだったのは劇団員からもらったエロ下着を使わなかった事。使えよ。貰った後2シーンあっただろ。
・雪月
CVくすはらゆいだから「おにーちゃん」なんだろうけど義兄なんだから「兄さん」とかでも良かったと思うよ。
母親も母親で、「おにーちゃんって呼べるようになったのね」って娘の変化に気がつくのは良いし、「ならいっぱいおにーちゃんに甘えなさい」も良いんだけど、ちゃんと「雪月を甘えさせてあげてね。雪兎くんお願いね」とか言わないと。
兄妹は何するものぞって言う命題を掲げるのは良いけど、その一案としてでたお風呂に対して「兄妹でお風呂……水着着ればプールと同じか」って言うならプール行けば?
まぁ「俺たちがしていることは兄妹ですることじゃないよ」ってのはその通りなんだけど、それを言うのはあまりにも残酷だよね。しかもオルゴールも壊れちゃったし。でもこの2人、それこそ再婚の連れ子同士だからか、過剰に「兄妹らしく」に縛られてるんだよな。その根底には主人公の「他人に迷惑を掛けたくない」「失いたくない」っていうトラウマがあるわけだけど。でも失わないために手を放す事はできるんだよな。
このルートだと料理部に先輩がいなかったんだよなってか2年から始めたから入れ違いになったわけだけど、瑞羽ルートでは「廃部」とか言ってたけど実際には休部だったのかな。
まぁ両親が家に居るからイチャつけないってのはその通りだと思うよ。雛多の時はラブホの会員証作ってたけど、まぁ兄妹がいつも一緒に出かけててもアレだし。
わりとどのルートでもそうだけど色んな衣装を出す言い訳に「演劇部」を便利に使いすぎでしょ。
全体を通して一番エロゲエロゲしてたと思う。制服・メイド服・裸エプロン。着られる服は全部着せたんじゃないの?
・ベスリー
私はその雪の結晶を、宝物のように、じっと見つめていた。いつまでも、いつまでも見つめていた……
中学生編での拒絶の描写が怖い。あと一歩踏み込めるはずなのに、それをしちゃいけないんじゃないかという怖さがある。まぁ他のルートでは学園以降仲良くしてるし、自分のルートならなんか一緒にシャワー浴びてるんですけど。なんで?
北海道でオーロラが見えるのは10年に一度レベルらしいし見られた主人公たちは運が良いよ。作中だと中2(2015年)の12月22日に見た事になってるけど北海道でオーロラが観測されたのは2015年の12月21日らしい。1日くらいあわせよう?
「私の中にはこの国がない」ってのは拒絶としては相当強いものだよね。他のルートだと学園に入ってから2年生で留学としてまた来る訳だけど、それだって楽しい思い出をもう一回ってことで来てるわけだから主人公から「好き」なんて言われたらそれは枷にしかならないんだもんな。それに主人公の行動原理が「大人にならなくちゃ」=「誰にも迷惑を掛けない」だから「他人の事情なんて知った事か」「大人の事情なんてくそ食らえ」みたいなことはできないんだよな。
ホームステイ受け入れ先として現地校の学生の家っての妥当だけど説明会とかあるだろうし家族に隠せるものではないでしょ。
ってかファミリールールでドライヤーは部屋で1人一個とか言ってるけどよくそれでブレーカー落ちないな。
お父さんの心配もその通りとしか。留学先で恋するのは良いだろうし、関係を持つのも個人や文化的な貞操観念次第だけど、ホストファミリーがキズモノにしたってなったら問題だよね。だったらやっぱりホームステイ先はももちゃん先生の家の方が良かったんじゃないの?
個人的に避妊意識が高いことは高評価だし、コンドームじゃなくてピルを使う、そのために貯金箱にお金を貯めるってのはなかなか趣があると思う。でもそれを始めた日にいきなりアレだったから有言不実行かと思った。さすがにそれはね? 留学生だし。
アフターになってから外国人3人出てくるわけだけど、初動で仲良くなれなさそうな雰囲気出してたリリアンは次の場面では普通に仲良くなってるし、エミルはおちゃらけ担当だしジェイクはツンデレ。まぁ悪い人が出てこないのは本当に安心できるよ。ここでの男女比率も3:2なのも良いと思う。1:4とかだったら日本組に申し訳が立たないし。そして3度登場するエロ下着。そう言うノルマでもあるのか?
・総評
犬の鳴き声音量はボイス参照でいいと思うんだよな。SE参照してるけど。
全ヒロインにウェディングドレスCGあるのは有能。でもシーンで中外選択肢みたいなのはあるなし統一してくれよ。
ももちゃん先生もオチ担当としては優秀だった。でも先生を馬鹿にする流れはなんか違うと思うんだよな。
声優の演技がちょっとずつ大人になってく。やってる分には気付かないけど他ヒロインのルートで中学編に戻ると気がつく。
でもこの世界の教育システムが謎。小学校はある。中学校もある。高校もある(雪月ルートで「高校生」の概念が登場)。その後or平行で”学園”なる教育課程があって、その後に4年制の大学がある。じゃあ社会に出るのは何歳だ?中1が13歳になる年度、卒業が15歳。(でも雪月ルートでは「来年」って言われてる)学園の入学時には18歳(19歳になる年度)で3年で卒業(21歳)、そこから4年生大学で25歳か?ちなみに主人公は平成14年11月生まれなので今年度(2020年度)は18歳になった。つまり学園編からは未来の事だ(発売年でもそう)。
ちゃんとシナリオをキャラクター紹介ページに書いてあるのはいい。
特定ルートだけで出てくるキャラクターも他ルートに一瞬出てきたりしてもいいと思うんだよな。キャラの使い捨てじゃん?