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「皆んなで路地スキャン会」に参加して思ったことなど
1 はじめに
iPhone LiDARが登場して以来ずっと1人でスキャンしていたのだけど、この度初めて合同でスキャンする会に参加して、いろいろと学ぶことが多かったので、その備忘録としてメモしておこうと思う。
2 路地スキャン会の内容
路地スキャン会の内容は、ヤサさんのブログで紹介されている通りです。
3 参加して思ったこと
以下、思ったことや感じたことのメモ。
(1)地域に理解してもらう、地域を知っている、が大事
路地をスキャンするというのは結構人の生活圏に入る話なんだけど、まちづくり活動で地域に溶け込んだ信用のある人たちがスキャンすることで、その(かなり大きな)問題が一定クリアされているように思った。
「こういう取組をやってて…」「また面白いことやってるなあ」というやり取りを何度も見て、地域の人に理解してもらっているのがとても大事だなあと感じた。高齢の人が多かったんだけど、スキャンした3D路地をiPadで見て皆さんが「面白いなこれ」っていう反応だったのも印象的。
(2)どこをスキャンするか、という議論が既にまちづくり
そもそも何を目的として何をスキャンしてどうつなげるのか、という議論が既にまちづくりという感じがして、面白いように感じた。地図見ながらこの辺どう、っていうのもいいし、あれこれトピックを挙げてそこに行くのもいいし、あてどなく散策して見つけるのも面白そう。
今回の路地スキャンでは、あらかじめロケハンいただいた箇所をあちこち案内してもらいました(多分、いろいろ考えられて検討されたんだろうなと思った)。
(3)「無くなるもの」を手軽に記録できることが大事
当日も話があったけど、「いずれ無くなってしまう地域のものをデジタルで残しておく」ということが大事だと思う。個人の写真を集めて首里城をデジタルで復元されたプロジェクトという例もあるし、3Dデータだってクオリティはそんなに高くなくてもデータを取っておけば、フォトグラメトリやNeRFのような技術が将来登場して、iPhoneLiDARの3Dデータを集約し、欠けた部分はAIとかが一定補完して、高精度にまちを再現できるかもしれない。
(4)複数で広域をスキャンすると楽しい(VRで入れる)
路地スキャンのように、複数人で広域をスキャンしていく(まちそのものをスキャンしていく)と、VRにして入って歩けるのが楽しい。スポットをスキャンするより、面でスキャンする方がワイワイガヤガヤするのに向いているなあと思った。
(5)NTTのDOORが手軽
(僕含め)何も知らない一般の人がVRワールドを作るのであれば、手軽さではNTTのDOORが頭一つ抜けているように思う。ブラウザベースでワールドを作って入れる、データもドラッグアンドドロップでOK、といろいろ便利。DOORくらい即時性があれば、ワークショップで一般の人が初めて触ったとしてもそんなに不都合無いかもしれない。ClusterやVRchatだとUnity経由でアップするから初めての人が触るにはちょっとハードルかもしれない。
※DOORは容量制限があるのでたくさんのスキャンモデルを一気に配置するのはちょっと難しそう。あとスマホで入るなら最新機種がおススメ。
4 おわりに
雑多ですが、以前から思っていたこと、実際に参加して思ったことは以上のような感じです。
僕が好きな本に三土たつおさん編著の「街角図鑑」というのがあって、これを読むと「まちの仕組みって、こんな風になってたのか」「まちで見かけるあれ、こんな名前だったんだなあ」っていう気付きが多い。なんというか、「まちなか」が自分事になって、解像度が上がるというか。
iPhoneLiDARを使った取組が、参加者の気付きやまちへの解像度が上がるきっかけになるといいな、と思いました。