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ルールに縛られた無法地帯
機会があってフォーマルスペシャリストとなりました。
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以前から、
どうして同じ場で新郎はタキシード(夜の準礼装)、父親はモーニング(日中の礼装)なんだろう…?
と疑問に思っていました。
今は「ロングタキシード」なるものもあり、これらは日本独自のスタイルだそうです。それも全くタキシードではないのに、検索でヒットするための苦肉のネーミングとか。
歴史とともに式の位置付けも変わってくるし、時代の価値観も変わります。
フォーマルの基準も変化して当然です。
世界史の「サンキュロットの乱」の名称を覚えていますか?
18世紀頃、長ズボン を穿くのは下層民で、"短い丈のズボン(キュロット)を穿かない人"という意味でした。
(余談ですが “ズボン" の由来は諸説ありますが、日本語でしか使われていません)
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『サン・キュロットの扮装をした歌手シュナール』
今は国王だってフォーマルな場でも"サンキュロット"です。
トップ画像は、男性の夜の最高礼装「燕尾服」です。
ベストと同じ白いピケの蝶ネクタイをすることから「ホワイトタイ」とも言われます。
(モデルはホワイトタイが歴史上一番似合うフレッド・アステア https://youtu.be/c0VeEqonEa0?si=RkiNeMrlFH_afsXb)
日本では宮中晩餐会やオーケストラの指揮者や奏者、競技ダンスのファイナルくらいでしか着用されていません。
そういえばバブルの頃、オペラの公演会場(日本)でタキシード姿の若者を見たことがあります。
「頑張っちゃったな〜」
というのが正直な感想。日本のオペラ観劇ではそこまでの正装は必要ではないと思います。
同様に指定もされないのに日本国内ではホワイトタイを用意する必要はありません。
色々細かいルールはあるけれど絶対ではないし、変なルールもまかり通っている