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元研究開発者の日々の情報:「怒り」を上手にコントロールするアンガーマネジメント(2020年12月21日号)

(1)アンガーマネジメントとは?

アンガーコントロールとは、怒りを上手にコントロールして適切に対処すること。アンガーマネジメントともよばれています。

1970年代にアメリカで提唱され、普及した心理トレーニングで、日本でも2000年代頃から一般化され、近年では仕事やプライベートでのコミュニケーションを円滑に進めるスキルとして活用されています。

アンガーマネジメントとは「怒り」を上手にコントロールすることを言いますが、誤解してはならないのは「怒り」を抱くこと自体が悪ではない、ということです。

適切な状況において怒りを表現することが、効果的な場合もあるでしょう。

ただ、ちょっとしたことでイライラせず、怒りを上手に扱う方法をみんなが使えるようになったら、周辺の環境もよくなり、周りの人の意欲や生産性もアップするでしょう。アンガーマネジメントが教えてくれるのは、この「怒り」をコントロールする方法です。

(2)アンガーマネジメントの背景

①なぜ現代人はイライラしやすい?

例えば、あなたは「絶対に時間を守るべき」と考えていたとしても、相手も同じように時間を守ることを重視しているとは限りません。毎度、遅刻してくる相手に、あなたのイライラは募るばかりでしょう。価値観が多様化するということは、価値観の違う人と仕事をしたり、生活したり、付き合ったりする機会が増えるということなのです。

②便利になるほどイライラが増える!

世の中が便利になると物事がスムーズに進み、一見、イライラする人が減りそうですが、実はその逆。あらゆることがスピードアップし、仕事でもプライベートでも、たくさんの情報のなかから判断したり選んだりする機会が格段に増えます。何かしらの行動を迫られることが分単位で起こり、それが見えないストレスになっています。

③なぜ怒りが生まれるのか?

人は瞬間的に怒るのではなく、必ず次の3ステップを経て怒るようにできています。では同じ出来事に遭遇して「怒り」を感じる人もいれば、無視できる人もいるのはなぜでしょうか。

その理由は、私たちの「怒り」は出来事そのものによって生じるのではなく、出来事に「意味」をつけた時に初めて生まれるからです。

意味づけは、その人がもつ価値観(信念)に基づいています。

そして、意味づけによって何らかの感情が湧き起こると、目に見える生理的反応や行動となって表れます。この一連の動きを「怒り」のサイクルといいます。

④アンガーマネジメントのポイントとは?

アンガーマネジメントは、以下の三つのポイントにまとめられます。

自分の「怒り」のタイプを診断し、何に怒りを感じやすいのかを知る
怒りを感じても、外に出さない方法を知る。

怒りを外に出す代わりに、自分が何に怒りを感じているかを落ち着いて説明する。

ここでは「怒り」のタイプを診断する方法と、怒りを感じてしまったときの「アンガーマネジメント」の実践方法を解説します。

(1)「怒り」の診断方法

怒りの診断方法はいくつかありますが、ここでは代表的なものを取り上げます。まず、下記の項目に1~6段階で答えてみてください。

※まったくそう思わない→1点、そう思わない→2点、どちらかというとそう思わない→3点、どちらかというとそう思う→4点、そう思う→5点、まったくそう思う→6点

Q1. 世間には尊重すべき規律があり、人はそれに従うべきだ。
Q2. ものごとは納得いくまでつきつめたいと思う。
Q3. 自分がやっていることは正しいという自信がある。
Q4. 人の気持ちを間違って理解していたということがよくある。
Q5. 性善説よりも性悪説の方が正しいと思う。
Q6. 言いたいことははっきりと主張すべきだ。
Q7. たとえ小さな不正でも見逃されるべきではないと思う。
Q8. 好き嫌いがはっきりしている方だ。
Q9. 周りの人が自分のことを何と言っているのか気になる。
Q10. 自分で決めたルールを大事にしている
Q11. 人の言うことをそのまま素直に聞くのが苦手だ。
Q12. 後先考えずに行動できるタイプだ。
次に

(1)Q1 +Q7

(2)Q2 +Q8

(3)Q3 +Q9

(4)Q4 +Q10

(5)Q5 +Q11

(6)Q6 +Q12と

6通りの合算を行います。

一番高い点数だったものが、あなたのタイプです。

(1)公明正大タイプ(Q1 +Q7の点数が一番高かった人)
マナー違反や社会的に正しくないと思うことについて怒りを感じやすいタイプ

(2)博学多才タイプ(Q2 +Q8の点数が一番高かった人)
なんでも白黒をつけないと気がすまないタイプで、はっきりしないことや人に対してイライラする傾向がある

(3)威風堂々タイプ(Q3 +Q9の点数が一番高かった人)
自分が一番でいたいと思っているタイプで、軽んじられたり、大切にされなかったりすると、怒りを感じやすい

(4)外柔内剛タイプ(Q4 +Q10の点数が一番高かった人)
自分が決めたルールから外れることを嫌がるタイプで、表向きは穏やかだが、自分ルールから外れるとイライラしやすくなる

(5)用心堅固タイプ(Q5 +Q11の点数が一番高かった人)
ものごとをネガティブな方に誇張して考える傾向があり、周りが大ししたことがないと思っていることでも、必要以上に悪くとらえて怒ってしまうことが多い

(6)天真爛漫タイプ(Q6 +Q12の点数が一番高かった人)
後先考えずにとにかく行動し、なかなか思ったように進まない、時間がかかるということにイライラしやすいタイプ

引用3

アンガーマネジメントでは、自分がどのタイプに属すかを知り、自分のイライラの傾向がどのようなものかを理解することからはじまります。

たとえば、あなたが天真爛漫タイプに当てはまるのならば、イライラし始めた際に「思ったとおりにいかないから、イライラしているのだな」と判断し、「焦らなくてもよいから、もっと寛大な心でいよう」と思い直すことで、無用なイライラを防ぐことができます。

自分の「怒り」の傾向を知ることは、「怒り」をコントロールするはじめの一歩になります。

②7つのアンガーマネジメント実践方法

次に、怒りを感じても外に出さないようにするために、

すぐにでもできる七つのアンガーマネジメント実践方法を説明します。

6秒間数える

別名6秒ルールとも言いますが、怒りがわいたら6秒数えることが、怒りを鎮める効果的な方法だと考えられています。これは、人間の怒りのピークが長くても6秒であることからきており、怒りが爆発しそうなときは、まず6秒間数えることからアンガーマネジメントをはじめてみましょう。

怒りがわきそうな場面から離れる

その場にいると怒りがどんどんわいてきそうという場合は、トイレに行ったり、飲み物を買いに行ったりして、その場から離れることが効果的です。怒りの焦点から気をそらすことで、冷静になることができます。

今後自分の評価がどうなるか考える

感情的に怒りをあらわにする行為は、周りに負の感情を与えかねません。今後の自分の評価を考えて、怒りがわくケースも自分の評価向上の場面に転換しようとすることで、怒りを鎮めることができます。

過去の成功体験やうれしかった経験を思い出す

仕事、日常生活で、特に怒るような場面がなくても、なんとなくイライラしたり、起こりたくなったりすることもあるでしょう。

そのようなケースで「怒り」のままに行動すると、第三者への八つ当たりなども発生し、周りのの雰囲気が悪くなってしまいます。

そのようなときは、過去の成功体験やうれしかった経験を思い出すことで、感情をリセットしやすくなると言われています。

怒りがわいたときに言うセリフを決めておく

「大丈夫」「わかってたこと」など、怒りがわいたときに必ず言う言葉を決めておくのも、怒りを鎮めるよい方法です。好きなアニメのキャラクターや、ペットの名前でもよいでしょう。

怒りを点数化する

現在抱いている自分の怒りの度合いを点数化することは、冷静になる機会を与えてくれます。

「今回の怒りは3点」「この前は5点」「これは思ったよりも高く8点」など、自分の怒りを冷静に評価することで、心に余裕をつくることができます。

深呼吸をする

深呼吸は、言わずと知れた怒りのコントロール方法です。深く息を吸って、いったん止めてゆっくりと吐き出すだけで、怒りを鎮めることができます。

何度か繰り返すことで、副交感神経の働きが高まり、リラックスすることができるでしょう。

怒りをもったままでいると、交感神経が高ぶり、体が休まらず、疲労がたまってまたイライラしやすくなってしまいます。

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引用:

1.アンガーマネジメントとは――意味と効果、6秒ルールなど7つの実践方法をわかりやすく - 『日本の人事部』

2マネジメント実践ブック

3.アンガーコントロールとは?|アンガーコントロール・マネジメント|通信教育講座・資格のキャリカレ

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