ぜひ踊って欲しい

僕は田舎の高校だったので、年度末頃になると
「うちの学校は今年から募集ストップらしいぞ」
なんてデマがよく流れていた

その度にある先生が「そんな情報に惑わされるな、メディアに踊らされるな」と話していた

僕はこの「踊らされる」という単語がずっと気になっていた

この「踊り」かなり地域性が出ると予想される

徳島県であれば阿波踊り、北海道ならソーラン節だろう。ハワイならフラダンスかもしれない

だとしたら、メディアの方がお金を払って見せてもらうくらいの立場なんじゃないか

それを何を偉そうに

こんな魅力的な踊りが、本当に全パターン「される」という受動的なものであっていいはずがない

また、今回の対象は学生であることを前提とすると、仮にダンス部やチアリーディング部であれば、放課後の練習の成果を活かしフレッシュなキレッキレのパフォーマンスをするのだろう

彼女らは踊らされているわけでは無い、踊りたくて踊っているのだ

ただひたすらに、踊ることで青春を全うしているのだ

そんなキラキラした美しい青春の隣で、僕は屁理屈という鎧を纏った汚い大人になった