【レビュー】NiceHCK EpicSeeker
イヤホンリケーブル界隈でも最も知名度があると思われるNiceHCKのフラグシップケーブル、Epicseekerのレビューとなります。
なお、エージング50時間ほどでの記事となりますのでご承知置きを。
製品概要
『EpicSeeker』はイヤホン用リケーブルを主に取り扱っているNiceHCKの
フラグシップ純銀ケーブルです。
材質は6N(*)純銀となっており、これは怪しげな自称を除けば2024/7現在で唯一無二の超高純度純銀を使用したケーブルとなります。
*6N:純度が99.9999%以上ということ
ケーブル部分以外の材質などは以下の通り。
プラグ: プラチナメッキOCC(単結晶高純度無酸素銅)
コネクター: 銀メッキ銅銀合金
スライダー等のパーツ: 非磁性ステンレス(真空チタンメッキ+UV技術)
コネクタの射出成形材料: PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)
PEEKってなんぞ?と思ったので軽く調べたところ、スーパーエンジニアリングプラスチックに分類される超高機能プラスチックの様です。
優れた絶縁特性を持ち、耐久性もバツグンで欠点は高価なこと位とのこと。
うーむ、流石ハイエンド品だけあって細かい所も凝ってますね。
ケーブル部分の構造などについては非公開のようですが、ケーブル部には
パッシブワイヤーコアなる技術が使用されてるとのこと。
恐らく、頑強かつしなやかな取り回しを実現させるために導体とは別に
ワイヤー部のコアになるものを組み込んでるんでしょう。
導電性に影響しないとあるので絶縁されてるのかな?
最近発売された5aplusも同じ直径なので、この技術が使われていそう。
開封の儀
ケーブル単体としてはかなり大きいパッケージです。
マットな質感の外装に箔押しされて開ける前からワクワクさせてくれます。
黒色の外装を外すと、かなり密閉性の高い『NICE HCK』と箔押しされた
厚紙の箱になっており、その中に革製ケースとケーブル本体が。
NiceHCK製のケーブルはコネクタやスライダーの傷などが結構あったりしますが、流石に配慮されていて傷防止のフィルムが巻かれています。
鏡面仕上げでかなり傷が目立ちそうなので、そのまま使うかガラスコーティングなどをした方が良さそう。
ケースの方は、DragonScaleなどに付属しているものと恐らく同じですね。
ケースの中にクリップも入っていました。
1000円ほどで別売りされている奴みたいですね。
革製の磁気でくっつくタイプです。使いやすそう。
本体レビュー
音質以外の部分
まず、取り回しは良好です。ちょっと硬めというか芯がある感じですが、4芯なので軽くしなやかです。NiceHCK製ケーブルとしては、SpaceAuAgなどの取り回し最強勢を除けばかなり良いと思われます。
スライダーもイヤホンを耳に装着している状態だと止めたい所で止まってくれます。ただ、イヤホンを装着していないと好き放題ズレまくるのはちょっと気になった。
タッチノイズは室内では全く気になりません。
このレベルのケーブルを外で使う人は居ないと思いますが、外使いにも耐えるんじゃないでしょうか。
プラグ部分もビルドクオリティが高いです。
他のケーブルだと、イヤホン側端子に硬くて刺さり辛いといった事がありますが、EpicSeekerは殆ど力入れずスッっと抜き挿し出来ます。
また、コネクタ部分の金具がくびれた形状になっているので引っこ抜く時につかみ易く滑りづらいようになっています。
地味ながらよく考えられてるなと。
・・・というか、他のケーブルも同じような仕様にしてください。
視聴環境
以前の記事でも紹介していますが再掲しておきます。
音源:デスクトップPC(ハイレゾ音源)
DAC:Fiio K7
電源:GaN充電器+TB4ケーブル+DC12Vトリガー+電源平滑化モジュール
イヤホン:DUNU×GIZAUDIO DaVinci
イヤピ:ELETECH BAROQUE
折角なのでコチラの記事も是非!(ダイレクトマーケティング)
Davinciに繋いで聴いてみた
今回の比較基準となるのは、同じくNiceHCKの「5aplus」となります。
こちらのケーブルは公式で音質A+を謳っており、イヤホンの性能を純粋に引き上げるという評価が多数の方にされている製品となります。
本来は同じく純銀製のSsorpheusと比較するべきなんでしょうが、持っていないのでご容赦を・・・。
イヤホンの性能を引き出す、という意味では同じコンセプトかなと思いますので、価格は5aplusが10本買えるほど異なりますが、手持ちでは一番よい比較先かなと。
さて肝心の音質ですが、まず分かるのは解像度が非常に高いということ。
高いと言うか別次元に澄んだ音です。なんだこれは。
ミドル帯のケーブルだと、ボーカルは綺麗なんですがドラムやシンバルの音は他の音と同時だと正直ボヤけ気味でした。
が、Epicseekerだと焦点が合って個別の音としてちゃんと追えます。
音がくっきりハッキリするので、残響も聴いてて気持ち良いです。
音場は特に左右が明らかに広く感じられます。
ライブ音源だと楽器の位置関係がよく分かる。前後も十分だと思います。
音域ごとの特徴としては、中~高音域が綺麗に良く出ています。
かといって低域が出ないなんて事もなく、音のキレが良くなったこともあり低域もバッチリと力強く出ています。
ボーカルはもちろんの事、ベースドラムやエレキギターなんかが特に気持ちよく聞こえますね。
高音も耳に刺さらなく聞き疲れしません。
鉄琴の音も非常に綺麗に出てくれます。高音が低音に比べてイマイチなんて言わせねえからな・・・!とDavinciくんが主張してくる。
総評
全領域をきれいに整えて聞きやすくした上で、満遍なく強化してくれるケーブルなのかな、と思います。
いわゆるクセ強ケーブルではなく、非常に高い水準でイヤホンの性能を引き上げてくれる・・・というか本来の性能を引き出してくれるケーブルという感じでしょうか。
イヤホンとの相性はやっぱあるでしょうし、お値段もハイエンドなので気軽にオススメできませんが、音質上げたいという目的ならば満足の行く結果を得られるケーブルだと思います。
なお箱出し時点でも良い音ですが、ある程度エージングすると更に解像度が上がりました。2日ほど放置していたので具体的な時間は不明ですが、50時間時点でワンランク上がったなと明確に感じられました。
金に糸目は付けねぇ!俺はいい音を聞きたいんだ!という方は是非。
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