人狼ゲームに強いプレイヤーなんて存在しない。(2021.07.30追記)
「〇〇さんって(人狼ゲームで)強いですよね!」っていう賛辞の声をたまに見かけると、「この人は何を基準にして強い・弱いを選り分けているんだろうか?」と思ってしまう自分がいます。あなたはどうですか?
決して嫉妬心から考えているわけではありませんよ。
人狼ゲームは「ダーツ」と形容されることがあるくらい「運(確率)」が絡んでくるゲームですから、プレイヤーごとの「強い・弱い」を客観的に説明しにくいんです。(もっと言えば、個人戦ではなくチーム戦なのも説明しにくさに拍車をかけています。)
極端な話ですが、ほぼ全員が議論せずに黙っていようと、進行役が適当に三人を選んで処刑したら運よく人狼が一人以上吊るせることだってあるでしょう。
周りの人の勝率に注目してみてください。その人がよく参加しているレギュレーションにもよりますが、試行回数(ゲームに参加した回数)が多い人ほど勝率50%から60%くらいに収束しているはずです。
それこそ1000戦ほど試合を重ねていけば、勝率20%を下回るプレイヤー・勝率80%を超えるようなプレイヤーがまったくいないことに気づけると思います。
これは私見ですが、人狼ゲームは勝率が一定の数字で落ち着くようにデザインされているゲームなんだと思います。だから、「強い」と言われていても勝てないことだってあるし、「弱い」と言われていても思ったより負けていない。
じゃあ、どうして自分は第三者に対して強い/弱いという感想を持つのか? その理由を考えてみるのも、このゲームを極めたいなら重要なことだと僕は思いますよ。
(追記)2021.07.30
参考までに「人狼ゲームにおける強さとは何か」について、僕の考え方を開示しておきますね。
結論からいうと、「人狼ゲームにおいて強いプレイヤーなんて存在しない」と思っています。
あ、奇抜な主張で関心を持ってもらおうとしてるわけじゃないですよ(笑)。
正確に言えば、「自分のことを強いと言い張ることができるし、相手のことを弱いと言い張ることもできるゲームだからこそ、プレイヤーごとに強い/弱いなんて評価ができない」と思っています。
簡単に言えば、他人の強さを計測できないから、他人を強いとはいえないよねということです。わかりにくいですか?
たとえば、「Aさんは弱いよ」という話になったとき、どうしてその人が弱いのか説明できるだけの絶対的な基準がないんですよ。あるいは、「あの人は説得が下手だから弱い」と誰かが言っても、他の人は「あの人の言ってることはわかるし、納得できるよ」と言うかもしれないんですね。
ここでちょっと考えてみてください。人によって強い/弱いの基準が違うって不思議なことじゃないですか? 人狼ゲームには勝敗があって、勝敗がある以上は勝因と敗因があるはずです。ですから、本来は自陣営の勝利に大きく貢献できるプレイヤーが強いはずなんですよ。
一方で、簡単でわかりやすい基準として「勝率」を使って強さを測ろうとする人もいるわけです。
ですが、人狼ゲームは定石を理解さえすれば、一定の勝率が確保できます。しかも、チーム戦なので自分が生きてようと死のうと、勝てるときは勝てるんです。
なので、「勝率という観点から個人の強さを測るのはとてもむずかしい」とも考えています。(もちろんある程度は参考になるとは思いますが、筆者は勝率が全てではないということを主張したいわけです。)
この持論を裏付ける根拠として、前述したとおり僕のこれまでの友人・知人(だいたい300人〜800人ほど)の中に勝率30%を下回った、あるいは勝率80%を超えたプレイヤーが存在していません。
(もし、「私はいろいろなレギュレーションにたくさん参加しているが、総合勝率80%を超えているぞ!」という方がいらっしゃるのであれば、ぜひ僕にご連絡ください。)
もはや暗黙の了解になりつつあるFO進行や、占いロラ・霊能ロラも定石と呼んで差し支えないでしょう。これらの既存の戦術が「定石」と呼ばれるに至ったのかは個別に理由がありますし、定石と呼ばれていながら完全に合理的な戦術とは限りません。
それでも定石をきちんと押さえておけば、多くのプレイヤーが総合勝率40%から60%まで確保できているわけです。しつこいようですが、あくまで私が見てきた範囲では。
そんな状況で、個人の力量がどれくらい勝率に作用したのか判断していくには、その人が参加してきたゲームの「メンバーやレギュレーション、誰が自陣営の勝利に貢献したのか」などを個別に考えていく必要があるんですよ。
これ、人によっておおよそ40%から60%の範囲で勝率が変わる要因がわからないからなんですね。
勝率を左右する要因はレギュレーションかもしれないですし、運かもしれませんし、メンバー同士の相性かもしれませんし、はたまた個々人の知識量の差かもしれないですし、あるいはそれら全てかもしれません。とにかく勝敗を左右する要因が多くて、個々人の技量が勝敗にどれくらい影響を与えてるかわからないんです。
ですから、ケースごとにどれくらい自分が勝敗に寄与したのか考える必要があります。誰が本当に自陣営の勝利に貢献したのか、突き止めることができますからね。
しかしながら、これは本当に本当に手間のかかることで、不可能とは言いませんけど———とても難しいことなんですね。
ですから、いまだに人狼ゲームにおいて強いプレイヤー・弱いプレイヤーの基準が曖昧なんだと思います。そんな曖昧な基準では、本当の意味で強い人なんて見つけられるわけがない——そう思いませんか?
そういう意味で、僕は「人狼ゲームにおいて強いプレイヤーなんて存在しない」と考えていますよ。
あなたには説明できますか?
もしできるなら僕に教えてください。本当の意味での「人狼ゲームにおける強さの基準」とやらを。