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山小屋で1ヶ月半バイトした話

山小屋バイト生活


期間は1ヶ月半
同僚はバイトが20~30代の男3人、女3人
社員が2人とオーナー
意外なことに県内者はオーナーのみ
稜線上に立つ小屋
電波、水は山小屋にしては豊かな方。お風呂は2.3日に1回。自分は了解して行ったが、耐えられなくて下山する人もいたらしい
あまり働いているという感覚が無かった。今まで出会ったことの無い人種と交流して新鮮だった。
朝、晩は食事がでる。昼は各自カップ麺を食べるか自炊するか、休み時間に別の山小屋に行って食べるのもあり
毎日、朝から夜まで山が見れて最高だった。台風などの荒れた天候も経験したことがなかったので興奮した(屋根が飛びそうと心配していたら、「もう飛ぶやつは飛んだから大丈夫!」と社員さんに言われた笑)

一日の流れ


3:30 飯炊き当番のみここで起床▶︎炊飯
4:30~5:30 起床▶︎朝食の準備
6:00 お客さんの朝食、昼弁当を作って渡す。お客さんは早くから食堂前に並ぶ人もいれば、なかなか起きてこない人もいる
6:30~7:30 自分たちの朝食、お客さんの朝食の片付け
8:00 客室、風呂、トイレ、廊下の掃除 まだ売店が開いていない、CLOSEと書いてあるのにズカズカ入ってきて商品を要求する客の多いこと。水場が近くにないので、水は求められれば仕方なく売っていたが……あまりにも態度が悪い、人数が多い、1人に売ると開店してると思われるなど面倒なことになりそうなら売らない
9:00 売店開店
ここから休憩組と売店組に分かれる
売店組は売店業務、売店の商品を売ったり、軽食(おでん、ご飯、カレー)を出したりする
休憩組は自分の部屋に下がって寝ていてもいいし、天気が良ければ近くの山に登ったり、別の山小屋に行ってランチしてもいい
売店組と休憩組は時間で交代
13:00 チェックイン開始
16:30~17:00 全員集合▶︎夕食準備 17時を過ぎても連絡がなく、来ていない客が数人いる。本当に来るのか?何かトラブル発生して遅れているのか?とにかく心配。双眼鏡で登山道を見て登ってきているか、夕食に間に合いそうか、なるべく暖かい食事を提供したいので様子を見る。
18:00 お客さんの夕食、明日早く出る人には朝食用の弁当を作って渡す。週末はお客さんが多いので売店のお酒がよく売れる。ビールはもちろんワイン、地酒の日本酒、米焼酎などがあった。寒い日には熱燗がよく出た。団体で一升瓶を何本も開けていくお客さんもいて驚いた。テレビと雑誌があるとはいえ、WiFiは弱いし、酒飲むしかやることないからね……
19:00 夕食の片付け▶︎自分たちの夕食
20:00~20:30 トイレの見回り、食堂の片付け、火の始末、売店閉店
トイレットペーパーの補充、ストーブに灯油を補充、簡単な掃除をする。お客さんに話しかけられやすい
21:00 消灯▶︎自由時間
次の日も朝早いし、さっさと寝るのが良いのだろうが毎日のように夜更かししていた。非常灯の電球1つでも意外とできることはあるもので、UNOや花札、天気のいい日なら星を撮りに出たり、ひたすらおしゃべりしたり。ダルマストーブの周りで集う。消灯時に非常灯と冷凍庫以外の電気は切れるのでスマホの充電は昼間のうちにやっておかないといけない

お風呂がある日は午後のどこかで仕事を抜けて交代で入る。シャワーはないが浴槽がある。お湯が桶に貯めてあるので決められた量のお湯だけを使う。慣れてこれば湯が余るようになった。浄化槽があったので石鹸が使える。

ヘリの荷揚げ


月に2.3回、ヘリコプターで荷揚げがある。大事な食材、飲み物に加え私物もタイミングが合えば上げてもらえた。頂上の小屋が最優先で順番に回ってくる。30分ほどで5回くらい荷揚げする。荷揚げの日は誰かが朝のうちにヘリポートに降りて畚を組み、ヘリが上がるタイミングで電話を小屋にかける。ヘリが小屋についたら待機していた人がヘリに手信号を出して荷物を受け取る。荷受役はヘリの爆風で怪我をしないようにヘルメットにサングラス、長袖。小屋の窓も全て閉める。

お客さん


登山初心者向けの山として紹介されることの多い山だったので、軽装の人、ツアー客、モンベルで全身新品そろえてきましたみたいな人から、もっと難しい山からロープ持って縦走して来た人、トレランの人など様々。天気がよければ軽装でもなんとかなるが、稜線上の小屋なので風が吹けば遮るものがないし、整備されているとはいえ岩場もあるので下りは滑る。コースタイムや帰りのバスの時間の把握していない人が多くて驚いた。毎週のように来ているガイドもいるが、全くトンチンカンなことを客に説明しているガイドもいてびっくりした。ガイドつきのツアーなら安心と考えていたが、あの様子では自分でしっかり調べた方がよいだろう

小屋生活で役立ったもの


イヤホン


掃除しながら音楽聴く、昼寝時の耳栓代わりにもなる

湯たんぽ


小屋のものを貸してもらっていた。寒がりなのでこれがない初日は寒くて寝れなかった。

ダウンジャケット


寒さ対策

保湿ジェル


乾燥対策。化粧水だけでは肌がカサカサでひび割れた

ドライタオル


スポーツショップに売っている薄くてコンパクトで速く乾くタオル。乾燥室に火が入るとは限らないため、常温で干しておくだけでも乾くタオルはありがたい

手ぬぐい


ズボンから垂らして手を拭いたり、おでんの鍋など暑いものを持ったり。万能

カメラ


毎日、毎日変わりゆく山の景色を記録できる。重かったけど一眼持って行ってよかった

モバイルバッテリー


電気を落としたあとにスマホやカメラを充電するために必要

あったら良かったもの


厚手のフリース


嵩張るかと思って薄手のものしか持っていかなかったが、寒かった

暖かいアンダーウエア複数枚


風呂に入れなくても下着は着替えたいし、肌に触れるものが暖かいと全然違ったと思う

フワフワ靴下


夜寝るとき用、登山用のウールの厚手の靴下を履いていたが浮腫が気になった。もっと柔らかいものだったら気にならなかったかも


暇つぶし用。電子書籍をダウンロードしていったが、プリミティブな環境では本の方が相性がよかった

眼鏡

予備の眼鏡やコンタクトレンズ。すっぴん隠しにも使える