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freeeが作る、究極のルームウェア

こんにちは、freeeでアプリストア関係の業務を担当しているtall(トール)と申します。
freeeは「クラウド会計ソフト freee」などのスモールビジネス向けのバックオフィス業務システムを提供している会社なのですが、私はアパレル企画に携わることになりました。
何を言っているのか分からないと思うので、順を追って説明したいと思います。

そもそも

freeeにはコーポレートウェアの文化があります。
ミッションを実現するためにはメンバーの一体感が不可欠だという想いから、その象徴として創業時からfreeeTシャツを作り続けています。半袖Tシャツだと冬場は寒いので、ロゴ入りパーカーも毎年制作しています。
2018年からはテキスタイルデザイナーのtakamyさん(freeeではUXデザインを担当)主導でプレミアムラインを展開しており、今回はその2020年度版の話です。

きっかけ

freeeにはfMD(freee MAJIKACHI Day)というイベントがあります。
fMDに関する詳しい内容はこちらの記事に譲りますが、議論テーマの中に「2020年のウェアのコンセプトを決める」というものがあました。
当日はそのテーマに参加できなかったのですが、後日fMDの議事録にたくさんコメントを書いてみました。すると、takamyさんが好意的な反応を示してくれたので、すぐに1on1を入れて過去モデルのフィードバックや新作に期待することなど色々と話し、自ら企画に巻き込まれていくことになります。
外野からちょっかいを出しても邪険に扱われないのはfreeeの良いところだなと思います。

コンセプトは「究極のルームウェア」

新型コロナウイルスの影響による外出自粛や在宅勤務など、自宅で過ごす時間が増えているという時勢に対する提案として、ルームウェアを作ろうという方針で議論が進みました。議論の中で出た意見をまとめると、以下のような目指すべき姿が見えてきました。

快適であること
ルームウェアなので当然ですが、快適性はとても重要です。そのままベッドで寝られるくらいの着心地の良さがあって、シワが気にならず、洗濯する時も気を使わなくて良い、あらゆる意味でストレスフリーなものを目指したい。

寝巻きに見えないこと
ルームウェアとはいえ、在宅勤務中に着用することを想定すると、オンライン会議に出席することもよくあるでしょう。また、お昼に飲食店やスーパーに行くというシーンも想定されます。これらを考慮すると、寝巻きに見えてしまうようなものは適切ではなく、ある程度きっちり感が求められます。

コーポレートウェアであること
これを忘れてはいけません。いくら良いものを作っても、コーポレートウェアとしての要素が欠けてしまうと、本末転倒になってしまいます。だから、どこかしらにfreeeのロゴなどを入れなければならない。でも、あまりにも派手なロゴだったりすると着用すること自体に抵抗感が生まれてしまう。freeeのことは好きだけど、大きなロゴが入っている服を着用するのはなんだか恥ずかしい、という人が結構いるんです。その気持ちはすごく分かります。

まとめると
結構難しいんです。
部屋着としての性能だけを追求するのは比較的簡単です。パジャマやスウェットを作ればいいんです。きっちり感だけを追求するのも比較的簡単です。シャツやジャケットを作ればいいんです。でも、両方をバランスよく組み合わせるとなると、結構難しいんです。さらに、ロゴも入れないといけない。。。
そんな矛盾する要素をミックスして、一着の服で表現しようとしたfreeeの考える「究極のルームウェア」がこちら↓です。
ちなみに、ブラックがメンズ(ユニセックス)、ライトベージュがレディースです。

トレーナーの画像

その名も「fRT(freee Room Trainer)」

どのような意図でこのような服に仕上がったのか、いくつかの要素に分けて説明したいと思います。

デザイン
アイテムの分類としては、その名前のとおりトレーナーです。freeeはスーツ文化ではないので、仕事着としてトレーナーを着ることは問題ありません。ただ、寝巻きのトレーナーに見えないための工夫をいくつかしています。

1つめのポイントは首元です。一般的なトレーナーに多いクルーネック(丸首)ではなく、モックネック(立ち襟)を採用し、きっちり感を演出しています。また、襟が立っていることにより、ジャケットなどの上着を着た際の納まりが良くなり、普段よりフォーマルさが求められる商談などにも対応できるようにしました。

ジャケットを着たときの首元

2つめのポイントは袖口と裾です。一般的なトレーナーは袖口と裾はリブ(ゴム編みになっており、畝がある仕様)になっているのですが、fRTはボディと同じ生地で袖口と裾を作成しています。どちらが優れているという話ではないですが、よりスマートな印象にするため、このような仕様にしました。レディースは袖口の布に余裕を持たせてパフスリーブになっている点も特徴です。

トレーナーの袖口

トレーナーの裾

全体のシルエットは誰でも着やすいようにレギュラーフィットにしました。
ちなみに、専用のパターン(服の設計図のようなもの)を引いています。さらに、レディースは仮縫い段階で試着したときに問題点が見つかったのでパターンの修正を行っています。たぶん、コーポレートウェアでここまでやっているのはfreeeだけではないかと思います。
着用するとこんな感じ↓です。

着用画像

テキスタイル(生地)
ダンボールニットと呼ばれるタイプの生地を採用しました。スムースなテクスチャーと高いストレッチ性が特徴なのですが、その中でも極上のものを使っており、適度な光沢感が醸し出す高級感と、もちっとした生地感、さらっとした肌触りが最高です。(写真で伝わるだろうか。。。)
色は何にでも合わせやすいように、メンズ(ユニセックス)はブラック、レディースはライトベージュにしました。

トレーナーの画像

ロゴ
ロゴに抵抗がある人でも着やすいように、テキストのみのシンプルなものを採用しました。レディースは人気のあった2018年モデルのロゴ①、メンズ(ユニセックス)はファッションブランドを意識してサンセリフ体のロゴ⑥を新たに作成しました。
ロゴの大きさは控えめなのですが、オンライン会議の際にカメラに写るように、少し高い位置にプリントしています。

6つのロゴ案

最後に

いかがでしたでしょうか?
ここには書き切れていないことも色々ありますが、freeeのコーポレートウェアの本気度やカルチャーが少しでも伝われば幸いです。

なお、オンラインでの発表会を経て社内販売したfRTは、無事に配布されました。リモートワーク時のユニフォームとしてヘビロテしてくれているメンバーもいたりして嬉しい限りです。

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