ちょっと思い出話を1つ
昔静岡の清水で働いてた時に、駅前に片足が義足で字を色紙に書いて売ってるおっちゃんがいたのね。身なりは小汚くて前歯も1本取れてる様な感じの人だったの。
でも笑顔がすんごく素敵でさ、輝きがあったの。なんか通りすがる人達もおっちゃんに笑顔で挨拶していくくらい。
間もなくして自分もおっちゃんと顔見知りになっていった。
おっちゃんと毎日ちょこちょこ話す様になってどうして義足になっちゃったのか、どうして字を売り始めたのかとかを聞いた。
色んな大切な言葉をもらった。
レシートの裏やチラシの切り端の裏に書いてくれたりもした。
お礼になんかないかなと思ってたらアプリで吉野家の無料チケットが届いた!
しかもおっちゃんがいつもいるとこの目の前に吉野家あるぅ!!て事で牛丼をおっちゃんに御礼にあげたんだ。そしたらめちゃくちゃ喜んでくれてさ、こっちまで嬉しかったよ。
そんで次の日におっちゃんに会ったら色紙になんか書いてプレゼントさせてくれよ、って言うから、そしたらおっちゃんが俺に伝えたい言葉を書いてちょうだいよー!ってオーダーしたの。
3日後くらいかな?できたよー!ってくれた色紙には 一期一会 て書かれてた。
おっちゃんさすがだな!!って思った。
冬の寒い時期だったんだけど、もう少しあったかくなったら東京に向かうよ、って言って暫くしておっちゃんは清水の街から去っていった。
別れの挨拶もなしに。
色紙ができあがった時に俺を見つけた途端、片足びっこ引きながら猛ダッシュで俺のとこに来た時はさすがにあぶねーよw!!って思ったけど
あの姿は一生忘れられないだろうな。
勿論今でもおっちゃんが書いてくれた色紙は部屋に飾ってあるし、くれたメモ紙は大事に財布にしまってる。そう言えば色紙におっちゃんのサインが書かれて無かった気がするな。
家に帰ったら確認してみよ。
またおっちゃんに会いてーなー。
日本の何処かに必ず居ると思うから。
今度会ったら色紙にサインしてもらお。
そんであの頃の話をまたするんだ。
あれからおっちゃんのおかげで俺元気になれたんだよ!って。
そして今度は俺が誰かに「大丈夫だよ」って言ってあげられる存在になるんだ。
圧倒的に無責任な根拠の無い自信で、
全力でみんなに言ってあげたいんだわ。
ある2月〜3月の想い出。
読んでくれてありがとう。
※この話はノンフィクションです。