悲喜交々
京都に引っ越してきて初めての冬。京都の冬を過ごすのは人生で2回目だが、当時は大阪に住んでいたため朝から晩まで京都の冬を過ごすのはもちろん初めて。記録的な大雪で、そういえば、卒業旅行で訪れたイギリスで過ごした冬も記録的な大雪だった。自分は雪についているのかもしれない。そんな大雪でスタートした今週は、悲喜交々、一人の人間として、様々な感情に触れることができた1週間だった。
「人の転機に深く関わりたい、向き合いたい」というテーマ設定をして社会に出て早10年。仕事内容や業務内容は変わったが、やっていることは変わりなく「人の転機」に向き合い続けているわけだが、本当に毎日いろいろな人生の岐路に立つ。少しでもその意思決定に関して関与できていることを思うと非常にやりがいを感じるし、飽きない仕事だなあと思う。週の前半は、新年からそんな岐路に立たされている方々と向き合いながら怒涛の日々が過ぎ、なんとか仕事が落ち着いたタイミングで「忘れらんねえよ」のライブへ足を運んだ。
2021年12月に「久しぶりに見たいな~」と思い立ってから約1年弱。気付けばライブハウスでの光景も日常を取り戻し、マスク着用の中ではあったが「声だし解禁」ということで、最高に楽しめた。
ソロプロジェクトになって数年。コロナになり、未来も見えない現代社会において、中年バンドマンの活躍にはめちゃくちゃ勇気づけられる。まだまだ自分もやれるはず。自分とは違う世界にいて「夢」を見せ続けてくれるバンドも素敵だけど、ピュアにステージ上から(時にはステージを降りてw)自分に語り掛けてきて、そういう気持ちにさせてくれるバンドは貴重だ。
そして、翌日、久しぶりの東京へ向かった。
東京の西側育ちの自分は、あまり東京駅周辺には馴染みがない。社会人になって、すぐに関西生活がスタートした自分にとって東京は異国の地であり、いつまでも色あせない思い出が残る素敵な場所だ。そんな東京への道中には、久しぶりに綿矢りさの書籍を手に取ってみた。
京都生まれの三姉妹が繰り広げる日常。三女は、東京に旅立つ。それは京都が好きだからこそ、外から見てみたいという純粋な気持ちで、最後のほうに京都御所が好きな三女が、御所になぞえらえて皇居を歩くシーンが出てくる。京都出身、強い。皇居にすらも親近感を持つことができるのか。東京では、皇居をそんな風に感じられる人は少ないだろうから、やっぱり京都はすごいなと思うのであった。
そして、束の間の東京滞在で悲喜交々、様々な出来事があり、どっと疲れたが自分は「こんな東京が嫌いだ」と思い込んでいたが、そうではなく「好きだからこそ外から見たかった」という気持ちに気付くこともできた。当時は気付けなかった様々な人の感情や、機微に気付ける年齢になってきた。年をとったのかもしれない。でも、好きなものからあえて離れたくなるのはよくあることで、なんとなく、その感情を今も引きずっているのかもしれない。まだまだ大人になり切れない自分もいる。そして、いつか、また東京に住むことはあるのだろうか。その時自分はどんな気持ちで向かうのだろう。
帰宅後、約1年経ち、ちょっと気持ちを入れ替えたくて、模様替えでもと思い立ち、家具を動かす。慣れてきた家がまた少し、違った形で楽しめるようになった。その後、遅ればせながら、スラムダンクを見てきた。
第ゼロ感を聞くために見たといっても過言ではないくらい、音楽の使い方が素晴らしく、一瞬も飽きずに楽しめた。原作を読みなおす人が多いのもうなずける。(自分もその一人になりそうだ。)
日本を代表する至高のエンタメ作品で日曜日を終えて、うれしい気持ちで週末を終えるが、ここまで感情を動かされる1週間も珍しい。大好きな京都で過ごす2023年、どんな年になるかワクワクしながら1か月を過ごしたが、良い形で1か月を終えることが出来そうだ。2月はいよいよフルマラソンということで、健康に過ごして大会当日を無事に迎えたい。
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