見出し画像

京都モダン建築祭#2回目参加

ちょうど1年前、京都移住直後だったこともあり、改めて京都の街の魅力を知っておこうと京都モダン建築祭に参加した。

そして、迷うことなく参加した第二回。前回とはまた違ったラインナップや、日々京都で生活していて「この建築、中に入ってみたい!」と思ったことのある建物や、もっと知りたい!と思った場所にも参加でき、良い記念となった。

今月は神戸でもあるらしい。(神戸も魅力的な建築ばかり・・・来年は神戸参加かな。)

今年の参加記録ということで、備忘として残しておこうと思う。

11/4 今原町家→晴明神社→be京都→堀川団地→郭巨山会所→本願寺伝道院→龍谷大学

とにかくオーナーの心意気が素晴らしかった。実際に生活されているというから驚きだ。庭の手入れはもちろん、現在の形になるまでの経緯や、仕事ぶりが伺えて非常に楽しかった。
そして、近所の晴明神社へ。御神木にあやかる。木から立ち上がってくるものを感じることは出来なかったけど、木にそういう力があることは信じている。(以前、トレイルラン中に感じた。)
「be京都」では下記書籍の情報をGet。
それだけでも収穫だったが、和室もきれいで、アートの展示も素敵だった。

元々、京都モダン建築祭は京セラ美術館での催し物がきっかけとなっているというから驚きだった。そんな経緯で街を巻き込んだイベントって開催されることになるのね。素晴らしい取り組みだと思う。

be京都にて見つけた鳥の作品。時々出くわす「イソヒヨドリ」だ。
京都に来てから、鳥にも大分詳しくなった。
堀川団地には、以前一度来たことがあったが、歴史や現状、未来を考えるのは初めて。
どんな形で時代に合わせた進化を遂げていくのか注目したい。
あと、堀川団地の本棚オーナーの情報を見つけてしまい、色々検討したくなった。
そして!!!普段は空いていない郭巨山会所の中へ!!!
地域の方しか入れないであろう「レア」感はなかなかのものだった。
来年の祇園祭も益々楽しめそう。
しかし、なんとも不思議な、贅沢な建物である。
こういうものを都心のど真ん中に残してあるのだから、京都とは底しれぬ・・・
資本主義にまみれた効率的な都市開発観点で考えたら、明らかにおかしいしな、これ・・・
デベロッパー泣かせではあるけど、これ買収主導したら末代まで呪われそう。
こちらもなかなか普段垣間見ることができない現役の「伝道院」
内部は写真撮影禁止だったが、細部までこだわった装飾や、見るものをワクワクさせる
動線の数々に感動しっぱなしであった。ありがとう。いつかまた入りたい。
施工は竹中工務店。寺から見えるこの伝道院の佇まいが、良い影響を街に与えていると思う。
そして、龍谷大学へ。
こちらも仏教を教える大学だが、レトロなモダン建築で、異国感を味わうことが出来た。
最近、リニューアルされた唐門を横目に見ながら東本願寺へ。
お参りして初日が終了。
御影堂にて。

11/11 京大・尊攘堂→島津製作所創業記念資料館→TSUGU京都三条(日本生命京都三条ビル旧棟)→東本願寺工事現場見学→視聴覚ホール→顕正会館→龍谷ミュージアム→元・淳風小学校

土曜日はご近所の京大からスタート。途中、みちのくの仏との出会いも楽しみながら、あっという間に1日が過ぎた。

京都大学からスタート。幕末の想いに触れながら1日が始まる。
時間がわりとあったので、急遽島津製作所の記念館をルートに組み込む。
今の事業にも通ずる、素晴らしい言葉に出会えた。
肝に銘じて、明日から過ごしたい。
現在はホテルとして利用されているビルの宿泊者専用ラウンジへ。
お値段を調べたところ、立地のわりにお手軽だったので、オススメを聞かれたら
こちらを答えるようにしたい。素晴らしい建築であった。
工事現場見学当選し、次の修理は40年後ということで、自分の老後にも想いを馳せる。
果たして、どんな老後を送っているのだろうか・・・。
法話が行われる視聴覚ホールへ。こちらも信者でないとなかなか入れないことから、非常に貴重な機会に。途中から、寺建立にまつわるムービーが上映され、見入ってしまった。こういったサプライズが随所で起こり、今回のモダン建築祭は楽しかった。
こちらも普段は入らない会館。空手教室なども行っているようだ。
雅な建物である。
龍谷ミュージアムに立ち寄る。
みちのくの仏、というものが日本にあることを恥ずかしながら初めて知った。
どことなく優しい表情をした東北地域の守り神。
民間仏、と称されるようだが、面白い出会いだった。
可愛いコーヒーマグカップだったので、つい。
小学校に立ち寄ると、ユニークな展示が。
DeNA出身でこんな素敵な仕事をしている方がいたのか・・・。

初の展示だったらしい。去年のモダン建築祭ではなかった、導線でのふとした出会いやアートとの会合が設計されているのかなと、なぜか運営目線で見てしまった。(作品は非常に良かった。)

11/12 国際会館→毎日新聞社京都支局→京都府立医科大学本部棟→京セラ美術館

二日目はペースを落としつつも、欲張りに朝から電車移動も織り交ぜて。

ずっと来たいと思っていて、ようやく入れた国際会館。白鳥は2018年から飼育されているそうだ。
日本の高度経済成長期を象徴する要塞のような建物は、本当にワクワクした。
元気な日本を感じる。
会議室の雰囲気もすごすぎる。あふれ出るSF感。近未来感。
ここで、数々の世界の方向性を決める重要な意思決定がなされていったのだろう。
場所を移動して毎日新聞社ビルへ。
旧ビルは存じ上げていたが、まさか近所にこんな建物があったとは!
よく近くを通るけど、全貌を視認したのは今回が初めてだった。
まだまだ、街歩きを楽しめそうである。
また、たまたま設計された方のお話を聞く機会に恵まれ最高だった。
「挑戦」を続けてきた当事者から、作品の中で聞くメッセージはグッとくるものがあった。
こちらは京都府立医科大学本部棟。自身のランニングコースにもほど近いこともあり、
中に入るチャンスをうかがっていたが、モダン建築祭で入れるとは!
やはりすごい建物だったんだなあとしみじみ。
最後は90周年をちょうどお祝いしていた京セラ美術館へ。
ちょうど館長さんを交えたトークイベントに参加することもでき
美術館の展示からスタートしたという京都モダン建築祭を、図らずも美術館で終える形となった。

最後のトークイベントでは美術館の可能性について、まさに業界の中心人物から聞ける非常に貴重な機会だった。一市民としては、こうした機会から得られる刺激は何にも代えがたく、ただ楽しいだけではなく、多くの気付きや、示唆や、人生を豊かにする次の興味へのヒントをもらえる。

インターネットでも、現実社会でもない、偶然の出会いや学び。美術館は「原っぱ」のようなものだ、という話もあったが、現代では「原っぱ」自体がほとんど存在しない。東京にいたときは少なくともその存在を感じることはなかった。でも、京都には原っぱがある。いつまで京都に住めるか分からないが、どん欲に今後も吸収していきたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?