にまれっこ世に憚って半世紀
ヘドラ50周年! そしてそれをお祝いするイベントやグッズが続々登場。あの公害怪獣が、ゴジラシリーズで最もアバンギャルドな怪獣がここまで人気者になるとは。それはひとえに『ゴジラ対ヘドラ』が異色作中の異色作であるために、怪獣ファン以外の支持も高く得ているからではないだろうか。でもまあ、セブンガーやジェットジャガーが人気者になるこのご時世だからヘドラオンリーイベントがあっても驚かないのです。
ということで京都みなみ会館、恒例の超大怪獣2021はヘドラ誕生祭で『ゴジラ対ヘドラ』『GODZILLA FINAL WARS』の二本立てにゲストトークありの盛りだくさんな内容。初日の7月24日は『ゴジラ対ヘドラ』の公開日。
炎天下の中、たくさんの人が集まってくれました。ちなみにみなみ会館のカウンターにはオリンピックにぶつける形で上映中の『AKIRA』と、カネゴン(加根田金男)つまりW金田がお出迎え。
まず初日は『ゴジラ対ヘドラ』で矢野研役として出演された川瀬裕之さんのトーク&サイン会。川瀬さんには『ヘドラ』のみならず『メガロ』の思い出話も。ゲストが直接登壇するのも久しぶりなら、サイン会も久しぶり。もちろん感染対策は十分にとって行われました。
まずは『GODZILLA FINAL WARS』から上映。ここでのヘドラの登場シーンは驚くほど短い、いやそもそもこの映画はゴジラ映画最終作として作られたお祭りムービーなので、怪獣も出演者もオールスター勢ぞろい、その中でもヘドラの再登場は珍しかったのです。あっという間の登場&退場でしたが、特別にエンドクレジットだけ単体で大暴れするシーンが追加撮影されたほど、厚遇されています。ニューヨークで警官とチンピラの帽子がひゅーんと飛ぶシーンと北村一輝のX星人が語尾にやたら『ンッフゥ』とつけるのが好きです。もちろんスリムで狼みたいな顔つきのゴジラもかっこいい。
そして『ゴジラ対ヘドラ』はそのサイケな作風が特徴ですが、クライマックスのバトルは異様なほどに静かです。お互いの鳴き声と風の音が聞こえる中、公害怪獣と水爆怪獣は地球の生存権をかけて戦うのです。今回のゴジラはヒーローというよりも、存在自体が悪であるヘドラを倒し、人類を戒めに来た大自然の使いのようなポジションです。今回のゴジラ、人間のことなんかお構いなしで、間接的に何人か殺してますから
そして二日目は前日の川瀬さんトークを撮影したVTRを流すという新趣向、だったのですが……。なんとあの『ゴジラ2000』~『ゴジラ×メカゴジラ』、そして『ゴジラVSコング』では吹き替えで出演されたフリーアナウンサーの笠井信輔さんが来場! 本当にびっくり、これが本当のサプライズ、何よりもお客様が一番びっくりしたかと思います。。このイベントのためだけに京都に来られたとのことで、トークショー上映前に登壇していただき、あふれるゴジラ、ヘドラ愛を語っていただきました。
ヘドラも乾ききりそうな暑さの中、盛況のうちに幕を閉じたヘドラ誕生祭。次回は新旧吸血鬼大会……あと2週間しかない! はよ新聞書かないと!
お誕生日おめでとう、ヘドラ。