今日で最後の高画質変化
今週、毎日映画館に座ってる。見たいものが多いから仕方ないのだ。
今日も仕事終わりにシネ・ヌーヴォ大映4K映画祭『雪之丞変化』へ。思えば1月の最後に『四谷怪談』を見て、数々の名作傑作、珍作を見てきました。ほとんど時代劇中心で、スケジュールの都合で泣く泣くスルーしてしまった映画もありますが、かなりの数を見た、ように思います。大映4K映画祭は金曜日まで開催中ですが、自分は今日でおしまい。この間、大映映画関連の書籍を買ったり読んだりして反芻しておりました。
さて『雪之丞変化』。市川崑監督の長谷川一夫300本記念作品、ということでキャスト、スタッフも総力戦のような布陣。
上方で話題の雪之丞の一座が江戸にやってきた。しかしてその目的は両親を死に追いやった商人たちに復讐するためだった。
女形の雪之丞と義賊闇太郎の二役を演じる長谷川一夫の使い分けが見事。悪徳商人に女スリ、盗賊昼太郎に闇太郎の子分と、登場人物がほとんど悪人。
背景が真っ黒だったり真っ白だったり舞台劇のような簡素化したセットもあれば、大映時代劇お得意の重厚なセットだったり、立ち回りも暗闇に白刃が舞ってるだけだったり、と市川演出も変幻自在。この緩急のつけ方はやはり市川監督がアニメ出身だからだろうか。そう思うと同じアニメ監督が手掛けた実写映画『シン・仮面ライダー』を思い出す。アニメ的な演出とアニメのまんまな演出はちょっとニュアンスが違うね。
雪之丞の復讐譚だけど、各自第三者に殺されたり自害したりと、仇に直接手を下していない、というのも面白い。
長谷川一夫をサポートするように市川雷蔵、勝新太郎も出演。ようやく市川雷蔵がひどい目に遭わない映画を最後の最後に見れた。そういえばこの映画祭で初めて見たのが長谷川一夫の『四谷怪談』だった。長谷川一夫で始まり、長谷川一夫で終わった自分の大映4K映画祭でした。今の映画も昔の映画も面白いね、まんべんなく見よう。
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