大庭 拓也|Nikken Wood Lab
「木を使う」=「環境に良い」は本当だろうか? カーボンニュートラルやSDGs、木材利用促進という社会の大きな流れの中で、ますます都市や建築における木材利用がトレンドとなってきている。 組織の中で専門の活動を始めて数年が経ち、「木づかい」には適切なアクセルとブレーキが必要であることを学んだ。 その中で最近考えていることを整理してみる。 木は使うだけではダメ 一つ目が、戦後拡大造林の中、植えられた樹木がまさに「切りどき」となっていること。この木材をしっかりと使わないと、適切
公共空間と向き合い、循環し続ける木質外装の提案。人々の多様なアクティビティ、アメニティを創出し、それらを永続的に実現する社会システムを構築を目指す。 パブリックスペース/ファサード とは パブリックスペース及びそれらと向き合うファサードは、多様な人にアメニティを享受し、アクティビティを誘発すべきものであると考える。また、それらには持続可能性が求められ、官民が共同でそれらを構築、運営しいくことが必要不可欠である。現代のパブリックスペースを考えるにはこれらの複合的な課題を同時
「建設すればするほど、自然を拡張する」新たな都市開発手法 インドネシアは、⼈⼝増加と経済成⻑の渦中にある。それに伴う社会問題・環境問題は過去に同じ島国である日本の都市開発の系譜と類似しており、自然との距離を遠ざけ、「つくればつくるほど、環境を破壊する」という、従来型の開発手法による経済活動が前提となっていると言える。本提案(ケーススタディ)においては、このような社会課題を念頭に、熱帯気候に位置する多島国家・海洋国家という気候的、地勢的特徴を生かした独自の解決法として筆者が
日建設計公式noteにて執筆させて頂きました。 ご高覧頂けますと幸いです。 https://note.com/nikken/n/n52414d73b701
現代の日本の集合住宅の多くは高層化により大地と離れて暮らすことを余儀なくされており、行政指導等で建物の緑化が促されているものの、本質的に大地に根ざした生活を送ることはできない。ウィズ・コロナ社会の都市の在り方が議論されているが、コンパクトシティの流れの中で都心部に集中して住むライフスタイルにおいても、戸建の庭の気持ちよさや、家庭菜園による自給自足、そこから生まれる新しいコミュニティなど、大地からの様々な恩恵を求めている人々は少なくない。一方、建物の高層化、都市化によるヒー
2020.08.28 「SOCIAL ACTION」(16:00〜16:10頃) TBSラジオで放送中の「ACTION」。金曜パーソナリティは、武田砂鉄さん。現在Nikken Wood Labにて開発中の木質ユニット「つな木」について、コンセプトや今までのご活動、今後の展望などについてお話してきました。 武田:この時間は世の中の問題、課題を解決するためのアイデアや、それに取り組む人達を紹介するソーシャルアクションのコーナーです。 幸坂:はい、今日取り上げるのは、「災害時
日建設計公式noteにて執筆させて頂きました。 ご高覧頂けますと幸いです。 https://note.com/nikken/n/n1ba22cf85c34
農業的な素材|「地産地消」と「地産外消」 木材を活用した建築作品において、「地産地消」というワードはもはや馴染みのフレーズである。「地元で生産したものを地元で消費する」という概念であり、地元の生産者と消費者をつなぐ仕組みを構築することで、地域の活性化を図りつつ、輸送コストの低減や教育力の強化が目的とされている。このように産地が前提とされた素材であることは、コンクリートや鉄にはない木材ならではの「農業的な」性格と言えるだろう。 また同時に「地産外消」は「地元で生産されたも
国土の4分の1が人工林の国 日本の国土のおよそ2/3が森林と言われている。歴史を遡ると、そのうちのおよそ4割が戦後に植樹された人工林であり、つまり国土の1/4が人の手によって形成された「人工的な自然」ということになる。レジャーやキャップで我々が目にする針葉樹を基本とした森林のほとんどがそれらに該当する。この「人為的に作られた」森林は昨今の土砂災害や水不足、花粉等々の諸問題と深く関係していることもあり、現代を生きる我々にとってこの森林課題への積極的なアプローチは社会責務とも言
「背に腹はかえられない」とは言えない木材利用 中大規模の木造建築に従事し始めて5年の月日が流れようとしている。 現在では担当プロジェクトのそのほとんどが木造化、木質化されており、その社会的意義を感じながら、同時にその未開拓への難解さを痛感する日々が続いている。 木造は他の構造種別(RC造・鉄骨造等)と比較し、材そのものが有機質で構成されており、材自体の経年変化を前提とされた設計作法や、構造体や内装材における法的制限など根本的かつ多岐にわたる相違点が存在する。コンクリートや
大庭拓也|株式会社 日建設計 Nikken Wood Lab ダイレクター 設計監理部門 ダイレクター ウッドスケープアーキテクト。准木材コーディネーター。 1982年福岡県北九州市生まれ。福岡大学建築学科卒業、東京工業大学大学院建築学専攻修了後、日建設計に入社。 「つくればつくるほど生命にとって良い建築」を自身のマニフェストとし、建築・都市の木質化に従事。最近では森林(もり)と都市(まち)の新しい関係を見いだす「つな木」プロジェクトを推進中。 Twi
↓第26回 建築環境デザインコンペティション/最優秀賞(大庭拓也、角田大輔) ↓パッシブデザインコンペ/入賞(渋谷篤、大庭拓也、池田裕紀) ↓第49回セントラル硝子国際建築設計競技/入賞(大庭拓也、木下皓之) ↓ファサードデザインコンペ/入賞(大庭拓也) ↓Lumion コンペ2016/Architect Technical Talent賞(池田裕紀、大庭拓也) ↓Lumion コンペ2017/映像クリエーション賞(池田裕紀、大庭拓也) ↓第44回 日新建築設計競