自分が今まで生きていた確率は?~令和2年の生命表から~
以前大学に勤めていた時、気の重くなる仕事がありました。
それは「癌の告知」です。
特に気が重いのは、膵臓癌です。
膵臓癌は、その8割が見つかった時点でステージ4、平均余命は6ケ月となります(今はもう少し長くなりました)。
告知の際は相手の表情や反応を見ながら、話す速さをゆっくりにしたり、繰り返したりしながら理解を促してゆきます。
突然相手の表情が変わったら、こちらも話し方を変えたりします。
突然相づちが途切れたら、相手に質問はないか振ったりします。
非常に神経を使う、気の重い仕事です。
そして膵臓癌の場合は当然のごとく、残された時間の短さに驚かれてしまいます。
でも皆さんは、永遠と生きると思っておられますか?
人生の終わりを意識して、今をしっかり生きていますか?
1.生きるというリスク
厚生労働省のホームページに、人口推計による人口と人口動態統計月報年計による死亡数、出生数を基に作成している生命表というものがあります。
その中の令和2年の簡易生命表から。
表のなかで、昭和55年生まれの人が今(40歳)まで生きている確率は96.1%、昭和30年生まれの人が今(65歳)まで生きている確率は61.8%とあります。
ざっくり推察すると、50歳の人が今まで生きている確率は90%、60歳の人は75%程度でしょうか。
そして例えば昭和50年生まれの男性は、40歳までに4.9%、65歳までに23.2%、75歳までに49%の人が亡くなります。
つまり65歳から75歳は1年で2.5%程度の人が亡くなるわけです。
コロナの死亡率が2%弱(年代別死亡割合ではありません)だから、コロナにかかるより1年間生きる方が死亡リスクが高い訳です。
そしてこの数字を使うと、おそらく・・・50歳までに10%弱、60歳までに18%程度の方が亡くなります。
自分はもうすぐ50歳ですが、ここまでで約10%、そしてこの先は死んでしまう可能性が1年につき0.5%程度あるわけなんです。
当たり前のように毎日が過ぎてゆきますが、生きている事だけで感謝しないといけません。
2.後悔しないために
コロナの時代は、改めて健康について、生きるということについて考えた方も多いと思います。
突然、癌で余命6ケ月と言われたらどうしますか?
突然、脳出血で体が不自由になったらどうしますか?
そうなったときに後悔しないよう生きていますか?
実際に人間は、人生の終わりを迎えた時、どういう事に後悔するのでしょうか。それは少し前にブロニー・ウェアさんが「死ぬ瞬間の5つの後悔」に記しています。
・働きすぎなければよかった
・思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
・友人と連絡を取り続ければよかった
・幸せをあきらめなければよかった
・自分に正直な人生を生きればよかった
「仕事が忙しくて」と、後回しにしていることはありませんか?
「いつでも伝えられるから」と、伝えていないことはありませんか?
「いつでも会えるから」と、連絡をとっていない友人はいませんか?
世間体を気にして、変えなければいけないことを続けていませんか?
本当にやりたいことを我慢していませんか?
平均寿命まで生きれる保証なんてありません。普段から1日1日を大切にして過ごしていきたいものです。
3.そして自分は・・・
自分は寿命を50歳と仮定しています。あと2年と少しです。
それまでに出来る事を一つ一つやってきたいし、伝えていきたいことを書いていきたいと思っています。
新しい勉強を始めたり、突然ランニングのコーチを始めたり、突然昔の同級生と連絡をとって会いに行ったり。
もちろん50歳過ぎても、多分生きているとは思います。でも生きていたらラッキーくらいの気持ちで、今を生きていたいです。