コロナでみる、凄い中国!!
今週の始め、半年ぶりに「新型コロナウィルス感染症 診療の手引き」が改訂されました。3年前の今頃は、月刊誌か!!というほど改訂されていたのに・・・
5月から5類感染症となり、それとともに厚生労働省や東京都の情報も少なくなって、勉強も疎かになっていました。
ですがここの情報アップデートは凄い!それは日本感染症学会です。学会で毎月更新されているのは、ゼロコロナが終わってから流行し、今は第二波がピークを越えた中国です。その中国のコロナの治療が熱いんです!!
1.中国のコロナ治療薬
今は全世界的に、コロナの治療薬といえばアメリカのファイザーのパキロピッド(パクスロビド)か、メルクのラゲブリオです。
ですが、中国ではパキロピッドの保険適用の価格交渉が2023年1月に決裂し、3月で保険適応をなくして国内企業の薬に切り替えています。結果、価格は半分以下になっています。
ですが効果はどうなんでしょうか。
2.中国のコロナ治療薬のエビデンス
アメリカのファイザーやメルクの抗ウィルス薬が、入院や全死亡率の低下のエビデンスがあるのに比べ、中国の抗ウィルス薬は1-2日早く治ったかどうかというところです。
見た目には、アメリカの薬が優れていて、中国の薬が劣っているように見えます。ですが結果的に中国のコロナの新規死亡者数は、1日1~2人程度に抑えられています。
3.日本のコロナ治療薬
現在の日本のコロナの治療薬を、前記の中国の治療薬の表と同じようにまとめてみました。もともと日本は海外の薬を買いたたく傾向にありました。ですが、日本のパキロピッドは中国の3倍弱、ラゲブリオは3倍以上なんです。コロナの診療をしていますが、抗ウィルス薬が枯渇した経験はありませんでした。供給が安定しているのには感謝しますが、少~しお高くありませんか?
そして中国では、治療薬を国内企業の1治療1万円前後の安い薬に切り替えていました。ですが日本の塩野義の薬はまだ1治療5万円チョットと高いですね。
4.そして思うこと
少しでも安いゾコーバに切り替えができないのは、安定供給が出来ていないのと、重症化・死亡率の低下などのエビデンスがないからです(主要5症状の改善までの時間が8日→7日(24時間短縮する)程度の効果)。
コロナもオミクロンの時代になり(かなり前ですが)、ワクチンの接種もすすんで重症者や死亡者が減った今、重症化率や死亡率でアメリカの2剤に挑むのはもう難しいと思ったりします。エビデンスも大事ですが、できれば日本を元気にするためにも、塩野義のゾコーバに頑張ってもらいたいなぁと思ったりします。
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