同化政策:同化はliner fashionだけじゃない?
移民は世代を重ねるごとに主流社会に同化すると思いますか?
今回は、今学期の授業を受けて新しく学んだことを書きたいと思います。
移民の社会統合(理論)に興味があるという方はよかったら見てください
これまで私は移民は次第に主流社会に”統合”(同化)していくと思っていました。
今学期の授業を受けていまさらながら全ての移民が直線上にホスト社会に同化されないということに気づかされました。(おはずかしながら)
<同化の理論的枠組み>
○ 古典的直線同化 (classical assimilation theory)
ー 世代を重ねるごとに移民は主流社会の価値観や文化を吸収し、最終的にホスト社会の中流階級として同化していく。
○ Segmented assimilation
ー 同化は均一には進まず、3つのカテゴリーに分類される。(1)世代を重ねるごとにホスト社会に統合され社会的上昇を経験するグループ。(2)世代を重ねても社会的上昇を経験できず、主流社会の底辺に位置し続けるグループ。(3)社会的上昇を経験するが、主流社会には統合されないグループ
(Poetes Alejandro and Min Zhou. “The New Second Generation: Segmented Assimilation and Its Variants.” The American Academy of Political and Social Science, vol.530 (1993):74-96.)
○ New assimilation theory
ー 古典的な同化理論とにている。違いとしては上記の流れを踏まえて、同化は均一に起こるものではないし、同化が必ずしもホスト社会での社会的上昇をもたらすとは限らない。これに加え同化は個人や家族ですすむと考える。
(Alba, Richard D., and Nee, Victor Remarking the American Mainstream: Assimilation and Contemporary Immigration, Cambridge, MA: Harvard, 2003.)
また今学期一番衝撃を受けたのがGanzによって書かれた ”Gnas, Herbert J. “Accumulation, assimilation, and mobility.” Ethnic and Racial Studies, vol.30, no.2 (2007):152-164.” これは必見です。
これまで同化とmobilityが同時に起こると考えていました。しかしこの論文を読むことで、それぞれを分けて考える必要があることを学びました。その結果、上記のように同化においても多くの理論が存在することを知ることができました。
この記事がどれだけ価値があるかは疑問ですが、大学のレポートや論文などで興味がわいた人はぜひこれらの理論を調べて利用してみてください。
(間違いなどがあれば指摘していただけるとありがたいです)