運動神経を良くするための考え方
子供が運動をしている場面をみると
「運動神経が良い」
「運動神経が悪い」
という言葉を使うことがあると思います。
力がある子が運動神経がよいのでしょうか?
足が速い子が運動神経がよいのでしょうか?
バランスが良い子が運動神経がよいのでしょうか?
『運動神経』とはなんでしょうか?
多くの方が、「思ったように体を動かせる」という意味で使っていると思いますが、今日はその点を深堀りしたいと思います。
そもそも運動はどのようにできているか?
運動神経を考える上で大事なこととして、
そもそも運動はどのように成り立っているのか?
という点をまとめてみます。
運動は、
まず5感から外部の状況を認識して、
その後、運動の司令を出し、
実際に、体を動かし、
そして、その動きが上手く言っているかどうかを体の感覚を使って確認する。
という流れで起きています。
「5m先まで歩く」という簡単な運動でも、同じ流れをたどっています。
多くの人は、実際に体を動かす部分だけを考えてしまうことが多いでしょうが、
実はその裏側にはたくさんの過程が存在しています。
体の感覚と運動パターン
運動神経が良い子は例外なく体の感覚は優れています。
例えば、
両目をつぶって、左右の人差し指と合わせる!
というのような動きをしてもらっても、その精度が高かったりします。
つまり、体を動かす際に、
どの関節がどれくらい動いた、ということや
この関節とこの関節は動いて、この関節は動いていない。ということが感覚的にわかっています。
この感覚が鈍いと
自分のイメージした動きと、実際の動きにズレが出て
いわゆる"思ったように体を動かせない人"になってしまいます。
もうひとつ、運動神経が良い子は、「運動パターン」が豊富という特性を持っています。
運動パターンとは、
脳が体に動きの指示を与える時のパターンです。
これが少ない人は、同じ様な動きが多くなり、
これが多い人は、様々な動きをすることができます。
この運動パターンは一度身につくと、半永久的に忘れないという特徴があり、
自転車の乗り方などは、そのための運動パターンが身についた状態と言えます。
多くの運動パターンを獲得することができれば、
状況に合わせて、Aの動きをしたり、Bの動きをしたり、Cの動きをしたりと
多様に体を動かすことができるようになります。
運動神経を高めるには(大枠)
さて、ここまで運動神経の話をしましたが、
最後に運動神経を高めるための方法について書きます。
今日は大枠部分のみのまとめとさせてもらいます。
方向性としては以下の2つです!
1.新しい運動をすること。新しい刺激を入れること
2.これまでやったとこを反復練習し強化すること
同じ種目の運動を週4回以上やると、運動神経は下がってしまう!
と言われることもあるくらい、子供にとって同じ刺激はよくありません。
例えば、同じサッカーの練習でも、ルーティンメニューが決まっている場合は注意が必要です。
同じ刺激を入れ続けても、運動神経を一定以上は良くならないからです。
逆に新しい運動をすることは、子供にとって大いに良い刺激になります。
子供のうちは、複数種目のスポーツをしたほうが良いと言われる理由はここにあります。
新しい刺激という部分で、
使ったことのない道具を使って運動をする、
使ったことのない体の部位を使って運動をする、
ということも大いに必要なことだと言えます。
特に下半身ばかりを使うスポーツ(サッカーとフットサル)の場合に、上半身の運動をすることは非常に大切です。
新しい刺激を入れないと、一定レベルまでは運動神経が高まりますが、それ以上のレベルまで高めることができなくなってしまいます。
そのため、手を使う運動、四つ這いや動物の動きをしたり、逆立ちをしたり、手で道具を操作したりという運動が必要となってきます。
2つ目の、「これまでやったとこを反復練習し強化すること」という部分は、
技術の精度を高めるというような練習になります。
できるようになったことを、より質高く、そんな状況でも、成功率高くできるようにするために必要な練習になります。
多くの人がこちらの重要性は感じていると思います。
こちらルーティンの運動でも大丈夫ですが、子供のうちは、こちらに偏らないほうが運動神経の総合力は確実に高まります。
まとめ
今回は、運動神経とはなにか?ということ
運動神経を高めるためにはどうすればよいか?ということについてまとめました。
特に多くの人が盲点になっていると思われる部分は、
上手くなりたい競技がある時、その練習をたくさんすればよい!
というわけでないこと。
子供のうちは、新しい運動・新しい刺激が不十分だと
運動神経は育っていきません。
この様な観点にも、気づいていただけると良いかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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