【破産の確率】あなたのトレードルールは大丈夫?
前回の記事で、トレードで利益を残すために必要な考え方を解説しました。
しかし、プロフィットファクターが1を超えるだけでは、勝つためのトレードルールとしては足りないのです。
1回の損失の許容率を考える必要があります。
ヨビノリの動画がとても参考になります。
バルサラの破産確率の表が有名ですが、損失許容率が書かれていない場合、意味が変わってしまいます。
1992年にナウザー・バルサラが出版した『Money Management Strategies for Futures Traders』には、資金1$からスタートし、1回の損失が1$で、リスクリワードと勝率を変化させた時の破産確率が書かれた表があります。
Money Management Strategies for Futures Tradersと検索すると、原著の内容を見れるページがあるので、ぜひそちらを参考にしてください。
表のうち、現実的な勝率とリスクリワードの範囲を抜粋
また、破産確率の計算式があるのはリスクリワードが1の時のみであり、それ以外の場合は、シミュレーションによって計算します。
ネットの記事では、確率漸化式を使って、あたかも計算式が存在するような書き方がされています。(特性方程式を使って説明しているケースがほとんどで、本来は隣接三項間の時に成り立つもの)
統計学をかじって、ボリンジャーバンドの±2σの間に価格が存在する確率が95%以内と言っているような感じです。
リスクリワードが1の時のみ、破産確率を求める計算式があります。
また、リスクリワードが1以外の時にも共通して言えることは、
とある資金量で破産確率が1%の手法があるとします。
その資金量を半分に減らす(損失許容率を2倍にする)と、破産確率は10%に跳ね上がります。
リターンを大きくしたいからと、レバレッジを大きくかけすぎると破産しやすくなるのは、数学的にも計算できるのです。
一般に破産確率Rの手法で、資金量をS倍にすれば、破産確率がRのS乗になります。
なぜそうなるのかを感覚的に説明すると、例えば、100万円の資金を使って10%の破産確率の手法で取引するとします。
破産して、再度100万円で同じ手法で取引する場合と、初めから200万円で取引して破産するのと変わらないから。
・100万円→0円、100万円→0円 10%×10%=1%
・200万円→100万円→0円 上と同じだから1%
ただ、現実的な問題として、投資用資金の半分を失う場合、取り戻そうと思ったら倍にする必要があります。
資金が25%にまで減ったら戻すまで4倍にしなくてはいけません。
資金を大きく減らした場合、ほぼ再起不能になります。
そう意味では、今まで見てきた破産確率は資金が0になる確率なので、もっとシビアに見るべき。ドローダウンを抑える工夫が必要です。
ウォーレン・バフェットの
ルール1:損をしないこと
ルール2:ルール1を忘れないこと
は、資金管理の重要性を言っているように思えます。
話をまとめると、どんなに高勝率な手法やPFが高い手法でも、1回あたりの損失許容率を大きくすると破産してしまいます。
せっかく勝てるルールで取引しても、途中で破産してしまっては意味がありません。
かといって、極端に損失許容率を小さくしすぎたら儲かりません。
ある程度リスクを取りつつも、破産しないようにトレードルールを作るべきなのです。
将棋で例えるなら、どれだけ相手に王手をしても、自分の王の駒が取られてしまっては負けてしまいます。
守りを間違えると、すぐに詰んでしまうのです。
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