
PandasをDDD/クリーンアーキテクチャで活用するには
DDD(ドメイン駆動設計)やクリーンアーキテクチャでは、システムをレイヤーに分けて関心ごとを分離し、依存関係を内側(ドメイン)に向けます。Pandasのようなデータ処理ライブラリを使う際も、この原則に沿って配置することが重要です。以下に各観点ごとに解説します。
レイヤー構成とPandasの位置付け
DDD/クリーンアーキテクチャの典型的なレイヤーは、プレゼンテーション層(UI)、アプリケーション層(ユースケース層)、ドメイン層、インフラ層に分かれます (Understanding interaction between domain layer and infrastructure layer - Stack Overflow)。それぞれの役割は次の通りです。
ドメイン層: ビジネスロジックを担う層です。エンティティや値オブジェクト、ドメインサービスが含まれ、業務上の振る舞いを実装します (Understanding interaction between domain layer and infrastructure layer - Stack Overflow) (ざっくりDDD・クリーンアーキテクチャにおける各層の責務を理解したい①(ドメイン層・ユースケース層編) #Go - Qiita)。ドメイン層は他の層に依存しないことが原則で、リポジトリなどのインタフェースのみを持ち、実装は持ちません (architecture - Layers in Domain Driven Design - Stack Overflow)。この独立性により、ドメインロジックを他から影響されずにテスト・変更できる利点があります (architecture - Layers in Domain Driven Design - Stack Overflow)。
アプリケーション層(ユースケース層): UIからの入力を受け、ドメイン層の機能を組み合わせてユースケース(具体的な処理手順)を実現する層です (ざっくりDDD・クリーンアーキテクチャにおける各層の責務を理解したい①(ドメイン層・ユースケース層編) #Go - Qiita) (ざっくりDDD・クリーンアーキテクチャにおける各層の責務を理解したい①(ドメイン層・ユースケース層編) #Go - Qiita)。ここではトランザクションの制御やドメインオブジェクトの呼び出し、他の層との調整役を担います。
インフラストラクチャ層: データベースやファイル、ネットワークなど外部サービスや永続化と接続する実装を担う層です (Understanding interaction between domain layer and infrastructure layer - Stack Overflow)。リポジトリの実装やファイル入出力、ログ記録、メール送信などが該当します。クリーンアーキテクチャでは、この層への依存をドメインから切り離すことで、DBやフレームワークから独立したビジネスロジックを保つことを重視します (ざっくりDDD・クリーンアーキテクチャにおける各層の責務を理解したい①(ドメイン層・ユースケース層編) #Go - Qiita)。
Pandasによるデータ処理は、この中で技術的なデータ操作にあたるため、インフラ層またはアプリケーション層で扱うのが基本的な指針になります。Pandasはデータ読み書きや変換・集計といった処理を提供するライブラリであり、これは多くの場合ビジネスルールというより技術的関心事です。そのため、以下のように位置付けるのが望ましいです。
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