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PandasをDDD/クリーンアーキテクチャで活用するには

DDD(ドメイン駆動設計)やクリーンアーキテクチャでは、システムをレイヤーに分けて関心ごとを分離し、依存関係を内側(ドメイン)に向けます。Pandasのようなデータ処理ライブラリを使う際も、この原則に沿って配置することが重要です。以下に各観点ごとに解説します。

レイヤー構成とPandasの位置付け

DDD/クリーンアーキテクチャの典型的なレイヤーは、プレゼンテーション層(UI)アプリケーション層(ユースケース層)ドメイン層インフラ層に分かれます (Understanding interaction between domain layer and infrastructure layer - Stack Overflow)。それぞれの役割は次の通りです。

Pandasによるデータ処理は、この中で技術的なデータ操作にあたるため、インフラ層またはアプリケーション層で扱うのが基本的な指針になります。Pandasはデータ読み書きや変換・集計といった処理を提供するライブラリであり、これは多くの場合ビジネスルールというより技術的関心事です。そのため、以下のように位置付けるのが望ましいです。


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