診断士2次試験を「国語の試験」と考えた受験生の末路
もうすぐ4月です。
診断士2次試験の受験資格がある方は、試行錯誤しつつも、本格的な問題演習を始める時期かと思います。
私も2次試験対策は随分と試行錯誤しました。
いろいろ考える中で、診断士2次試験は、
結局のところ、国語の試験なのではないか?
そういう疑問を持たれる方もいるかと思います。
私は身をもって、
国語の試験とは違う
といえます。
今回はそう思うように至った原因として、国語の試験だと思って対応したある受験生の末路(私)を書いてみたいと思います。
私の末路
私は2次試験を5年連続で不合格となり、6年目にようやく合格しました。特に3年目はひどくて、DAAAの総合A、つまり総得点は240点以上だが事例Iで足切り、という成績で不合格でした。
今考えても、そんな落ち方する人いるんだと驚きます。
当時の私は、事例Iで読解を致命的に間違えたのが原因だと思いました。
こうなったのは、私は元々理系で、読解力が鍛えられていないから、と結論付けました。
そして、逆に読解力を身につけさえすれば来年は受かると考えました。
幸い次回は2次試験の権利持ちで時間だけはあったので、何を血迷ったか、読解力を徹底的に身につけるため、大学受験用の国語の参考書をやり始めたのでした。
参考書は、評判の良かった
新・田村の現代文講義
を選びました。
最終的に、1,2を完了して、3まで進みました。
3は記述問題中心の構成で、診断士試験対策としては是非やっておきたいと思ったのですが、あいにく絶版でした。仕方ないのでヤフオクで手に入れました(5千円近くしたと思います)。
それぞれの本を、夏までに3周くらいしました。
これで、国語の試験対策の準備は万端です。
そして本番。
結果は不合格でした。
なぜ不合格だったのか
国語の記述問題は、問題文と本文を厳密に対応させて解答を作ります。
決して問題本文に根拠の無いことは書きません。
「新・田村の現代文講義」には
とあります。
私なりに解釈すると、例えば以下のような問題があったとして、
この場合、a b cを具体的に説明してい A B Cを本文中から厳密に引いてきて、解答欄に収まるような文字数で
のように解答を組み立てます。
「理由を述べよ」系の問題についても基本的には本文から文章を引っ張ってきて、最後に「から」を付けてしめます。
国語の試験ならこれで良いのですが、診断士試験は異なります。
第2次試験は、試験案内によると以下のような目的で行われています。
「応用能力を有するかどうかを判定することを目的」の部分が重要です。現状分析だけでは無く、応用なのですから、本文に書いてないことでも助言のためには書かないといけません。
もっと言うと、場合によっては本文からある程度離れる必要があります。これは時にはものすごく勇気がいることです。
ただ離れすぎてもいけないのが難しいところで、1次試験の知識などを使って解答を考えます。
問題本文から着かず離れずの感覚を身につけることが、2次試験対策として重要だと思います。
国語の問題として解くとどうなるか
国語の勉強をして臨んだ、忘れもしない平成27年の事例IIの問題です。
国語の試験だと考え「サービス業の業種」を厳密に本文中から引いてくると「娯楽施設」「居酒屋」が見つかりますので、これらを中心に解答を組み立てました。
しかし1次試験の知識を使った解答をするなら、新たなターゲット層向けに、もっと違った提案が出来るはずです。
予備校の解答例などを見ると、増加しつつつあるファミリー層向けの業種を考えれば良かったようです。問題文に「どのような」とあるので具体的な業種を指定する必要があり難しいですが、なんとか1次試験の知識の範囲で考えるべきでしょう。
まとめ
文書が読めないと診断士2次試験には対応できないので、確かに読解力は必要なのですが、解答を作る上では受験用の国語とは異なる対応をしないといけない、ということでした。
もちろん「新・田村の現代文講義」に罪は無いです。
この参考書は、設問文のチョイスが良く、解説も丁寧です。
根拠の無いことは書かない、というビジネスで必要な姿勢を身に付けるにために、社会人になってからでも取り組んでみるのも良いと思います。
余談ですが、私は設問文として取り上げられていた川端康成の小説に出てきた「竹久夢二」という芸術家に興味を持って、彼の出身地である岡山の美術館に行ったりしました。「夢二式美人画」で有名な方です。
国語の勉強をせず、普通に生活していたら出会わなかった世界だったと思いました。
IT系企業に所属する企業内診断士です。