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置き配とコミュニケーションを考える(2021年度診断士2次試験事例IIより)

2021年度の診断士2次試験を受験された皆様、お疲れ様でした。
診断士試験は直近の時事ネタは入らないと思っていたのですが、今回は事例IIと事例IVでコロナ関連の話題がありました。
それだけwithコロナの世界が定着してきたのだと思います。

私は特に事例IIの第3問に目を引かれました。
事例IIは、簡単に言うと、品質に自信がある豆腐製造業者が移動販売のフランチャイジーとなって展開していく事例です。

第3問の問題文はこちらです。

第3問(配点30点)
 B社のフランチャイズ方式の移動販売において、置き配を導入する場合に、それを利用する高齢者顧客に対して、どのような取り組みを実施すべきか。中小企業診断士の立場から(a)フランチャイザー、(b)フランチャイジーに対して、それぞれ50字以内で助言せよ。

以下の点で特徴的です。
・最近の話題である「置き配」への対策がダイレクトに問われている
・置き配はだれでも使いそうなのに、高齢者対応だけを書かせる
・50文字x2で合わせて100文字しかないのに30点と高配点

登場人物が多いので整理してみます。

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解答の方針としては、高齢者向けと明言されているので、フランチャイジーと主婦など、この問題と関係ない組み合わせのことを書くのはNGと思われます。上図の中で赤い四角で囲った部分を中心すべきでしょう。

また、問題本文では置き配を希望する理由として、接触を避けたいからと、不在時も届けてほしいから、の2つがあげられています。高齢者は非接触だけなのか、それとも不在時対応なのか、どちらとも取れる微妙な書き方がされていますが、高齢者=非接触希望ばかりにこだわるのもリスクが高いでしょうね。

事例IIなので、コミュニケーションによる顧客ロイヤリティ向上重視を踏まえると、回答はこんな感じになると考えます。

■フランチャイザー向けには、
【顧客ロイヤリティを維持するために】
置き配のプロモーション活動
フランチャイジー向けのオペレーションマニュアルの整備
豆腐が出来るまでの努力が分かるパンフレットなど、商材の作成

■フランチャイジー向けには
【顧客ロイヤリティを維持するために】
在宅時に置き配する場合は、電話やインターフォンでコミュニケーション。
不在時に置き配する場合は、非リアルタイムなコミュニケーション(パンフレット配布や置き手紙など)。

現実の置き配コミュニケーション

さて、診断士試験の事例IIでは、置き配でもコミュニケーションを積極的に取っていく方向が望まれると思いますが、世間一般的には様相が異なるようで、コミュニケーションをとってほしくない場合もあるようです。一言で言うと、

置き配でもチャイムは鳴らすのか、それとも鳴らさのか、の問題

です。

ネット検索すると、置き配でもチャイムを鳴らしてほしい派とそうでない派が存在していて、それぞれ理由がもっともなところがあります。
鳴らしてほしい派は、いつ荷物が付いたかわからないすぐ受け取って盗難リスクを下げたいそもそも受け取ってすぐに使いたいなど。
鳴らさないでほしい派は、そもそも置き配なのになぜ連絡するのかリモートワーク中なので静かにしてほしい静かに寝ていたい赤ちゃんが起きてしまう、などのあります。

時と場合によってチャイムを鳴らしてほしいかほしくないのか変化する中間派の向けには、便利グッズもあります。裏と表で立場を変えられるところがポイントです。

置き配とコミュニケーション問題はこれといった決定打が無く、皆、模索しているのかもしれません。これは今後どうなっていくのか興味深いです。何かビジネスチャンスが眠っているかもしれません。

ちなみに我が家のマンションの場合、在宅時には、エントランスのインターフォンで置き配指定が出来ます。この場合は、玄関前に置き配した後にもう一度チャイムを鳴らすことがほとんどです。これは、鳴らしてほしいとの要望が住民から多かった結果だと思います。

特にリモート会議中の場合、この2回鳴らされるのがつらいです。1回離籍してインターフォン対応、さらにもう一度玄関でチャイムを鳴らされるとチャイム音が2回マイクに入ってしまいます。せめて1回で済ませてほしいなあと思います。
どうしても音が入ってほしくない会議中に2回チャイムが鳴らされるのを防ぐため、私の場合はアナログですがこんな対策をしました。

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リモートワークの部屋からでも玄関チャイムがよく聞こえるように設置したスピーカーなのですが、会議中はスイッチでオフに出来るようにしました。メーカーさん製品化いかがでしょうか、というところで今回は終わりたいと思います。

IT系企業に所属する企業内診断士です。