中小企業診断士が第二種電気工事士試験を受けて、改めて診断士2次試験について考えた話
中小企業診断士の宮﨑です。
いきなりですが、第二種電気工事士の資格を取得しました。
この資格を持っていると、照明やコンセントなど家庭内の電気機器の配線が出来るようになります。
電気工事士試験の勉強中、診断士の2次試験のことを思い出し、いろいろと考えました。今回はそんなお話をしてみたいと思います(診断士の2次試験も近いですので)。
結論としては、診断士2次試験は
「企業を診断できるかどうか、やってみたまえ」
を測定する試験だなあと改めて実感しました。
第二種電気工事士試験とは
第二種電気工事士を取得しようと思った話の発端は、子どもが大きくなってきて自分だけの部屋を要求するようになったことです。狭いマンションに住んでいますので、一つの部屋を分割して子ども用スペースを作ろうと思いました。そこに壁スイッチ連動の照明を付けようと思ったのですが、電気配線は電気工事士しかやってはいけないことが分かりました。調べてみるとこの資格、誰でも受験できて、さらに資格を持っていると今後の家庭内DIYの幅が広がるとも考え、だったら取ってしまえと思った、という次第です。
電気工事士試験は、1次試験がマークシート式で電気工事の知識を問われます。内容は工具や交流回路の知識です。2次試験は実際の電気工事を行います(本当に電気工事です!)。試験では配線図と器具および電線が与えられ、設計図通りにスイッチやコンセント、ランプ取り付け台を工具を使って配線します。試験会場は大学の講義室などで工事現場ではありません。スイッチやコンセントなど器具は本物ですが、器具間の配線は20cmなどと短くなって机上で完成するように出来ています。
試験問題は候補問題が13問あり、なんと事前に発表されています。何が出るかは分かりませんので、下の写真のように、全問分の電気回路を練習してから試験に臨みます。ちなみに、工具や機器、配線などは受験対策用にセットになったものがAmazonなどで購入できます。
試験では40分で回路を完成させます。合否はその出来栄えで決まります。配線間違えはもちろんNG、スイッチを入れたらブレーカーが落ちたなんて悲惨ですからね。また、電線に深い傷を付けてしまったり、器具から電線がはみ出していたりするのもNGです。
いわば「電気工事が出来るかどうか、その場でやってみたまえ」の試験です。
診断士2次試験との類似点
試験対策中、診断士2次試験と類似してるなあと思っていました。つまり、1次は知識を問い、2次は士業として実際にできるか問われる点で類似です。電気工事士試験が「工事できるかその場でやってみたまえ」だとすると、診断士試験は「企業の診断が出来るかその場でやってみたまえ」なのだと思います。
電気工事士試験が実際の器具を配線するように、診断士試験でも、事例企業の社長が目の前にいて、ヒアリングして診断し、結果について報告するのが「やってみたまえ」を確認するのには本当は良いです。当然無理ですので、次善の策として、企業の状況が文章で与えられて、診断結果を記述するようにしているのでしょう。そう考えると診断士2次試験は単に知識を問うペーパーテストではないですよね。
「診断をやってみたまえ」にどう対応するか
診断士にはいろいろなスタイルがあり、正解の「やってみたまえ」を当てるのはなかなか難しいですので、まずは逆に「やってはダメ」を避けるのが良いと思いました。私が診断士の資格を取得して約1年の間に、マスターコースや実務従事などでプロコンの先生がよくおっしゃっていた診断士の「やってはダメ」はこんな感じでした。
・時間を守らない(遅刻する)
・上から目線で決め付ける
・無関係な知識をひけらかしてごまかす
・施策の実現手段を示しておらず、言いっぱなし
耳が痛くなる話です。「やってはダメ」を試験でしないためにはどうするかというと…
1番目は試験に遅刻しないことでクリア(笑)
2番目は上から目線で決めつけな思考は答案も決めつけになるので
避ける
3番目は問題に出てきたキーワードに反応して無関係な知識を羅列
しないようにする(知識の判定は1次試験で済んでいます)
4番目は難しいのですが、それってどうやるの?と社長に思わせない
具体的な実現手段を示した提案(答案)にする
だと思いました。
特に4番目は受験生時代の私はあまり出来ていませんでした。ほぼ1年前に、noteブログで実務補習について書いたのですが、その中で、提案内容は経営者の腹落ち感が大事だが、それが私には分かっていなかった、と書いています。言いっぱなしで具体的手段がなかったのですね。
士業の試験はそれぞれの士業に必要な「実務能力」を測定する目的があり、試験ではその士業毎の「やってみたまえ」に対応しないといけません。それは診断士試験も同じ、ということが電気工事試験の受験経験から改めて実感できました。