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沖縄県の中小企業診断士受験者はどうすべきなのか

2023年、台風6号の影響で、中小企業診断士1次試験の那覇会場での試験が中止になりました。
その後、試験を受けられなかった方向けに、1次試験の再試験と、2次試験の先行受験が行われることとなりました。

沖縄県の受験者は、今後どう対応すべきでしょうか。

これは、
 1次試験を受けることができる
だけではなく、
 先行して2次の筆記試験を受けるかどうか
に加えて、
 沖縄に2次筆記試験会場は無く、県外に出なければならない
という複雑な状況と判断を迫られる問題になっています。

結論としては、時間とお金の余裕があれば、2次試験は受けたほうが良いと思います。

■ なぜすぐに1次試験の再受験が出来ないのか、1次試験はいつになるのか

再試験の日程は、2023年8月27日時点で「年内」とだけ発表されています。

本当は、再試験は8月のどこかで出来れば良いのに、と私は思います。

おそらく、試験問題の予備は用意されておらず、ゼロに近いところから1次試験の問題を作ることになるため、数ヶ月を要するものと思います。

2次試験が先行して実施されるので、日程の候補は、2次筆記試験終了後から、12月31日までの範囲のどこかです。

ところで、2023年度の2次試験の合格発表日は以下の通りです。

2次筆記試験合格発表日(口述試験を受験する資格を得た方の発表日)
    2024年1月11日
合格発表日
    2024年1月31日

令和5年 中小企業診断士試験案内より

1次試験の合否は、2次試験の合否発表後だと間に合いませんので、遅くとも1月31日には1次試験の合格発表が設定されると思います。

例年、1次試験の実施から合格発表までは1ヶ月程度かかっています。
年末年始の休みも考慮して逆算すると、1次試験の日程は最も遅くて

12月23日(土)、24日(日)

になると思います。

筆記試験の合否にあわせる場合は、1月11日に合格発表をする必要があります。この場合は、1次試験の日程は、1ヶ月前の

12月9日(土)、10日(日)

が候補になるでしょう。

図にまとめると以下の通りです。

2次筆記試験から合格発表までと、1次再試験の予想日程

なお、最近は2次筆記試験から筆記試験合格発表までの時期が長くなっており、余裕があったことが幸いでした。そうで無ければ11月中には1次試験を終わらせる必要がありました。
どんな風に変わってきたかは以下のブログに記載しています。

■1次試験が不合格の場合に、2次試験はどうなるのか

省令改正の案が出ています

改正の概要は以下の通りです。

  • 災害等で1次試験を受験することが出来なかった者については、1次試験を受験しなくても2次試験を受験することが出来る

  • 2次試験に合格、1次試験に不合格の場合は、2次試験合格の効力は失われる

特に2番目の項目で、
「2次試験に合格」で「合格の効力は失われ」
と「合格」という言葉が出てきますので、2次試験は個別に合格判定されるのでしょう。
そのうえで、1次試験が不合格の場合に、「合格の取り消し」となると思われます。

しかたがって、1次の結果にかかわらず、きちんと採点され、得点も開示されるものと思います。
(ちなみに、2022年度から、開示請求しなくても得点が簡易書留で全員に通知されるようになりました)

また、ここで述べられている2次試験とは、筆記試験も口述試験も併せて2次試験です。従って、1次試験の結果にかかわらず、筆記試験を突破した場合に口述試験も当然受験出来るものと思います。

■2次試験を受けられることに注目しがちだが、1次試験が行われることも重要

1次試験が実施されるということは、1次試験をあえて辞退した場合は、科目合格の効力が延長されるかどうかは気になると思います。

1次試験の再受験日は未だに決定していない状況です。
急に決められても都合がつかずに受験できない方もいると思います。

コロナ禍の時には、欠席の場合、検査結果等を添え申請を出すと、科目合格の効力は延長できました。
今回も不可抗力には変わりませんので、それと同じ措置が取られてほしいと思います。

先ほど述べたとおり、省令改正のパブリックコメント募集が出ています。
ネットで誰でもできますので、私は、以下のような意見を応募しておきました。

パブリックコメントに応募しました

■沖縄には2次試験会場がない問題

さて、2次試験を受けることを決断しようとしたとしましょう。
しかし沖縄の方には次の壁が立ちはだかります。
それは、
沖縄の方は、2次試験は、県外に出なければならない
ことです。

島外に渡る旅費が必要ですし、前日泊する場合には宿泊代も必要です。
1次試験に受かることが確実なら、何としても2次試験会場に向かうでしょうが、1次試験を受けてもいない状態で、県外の試験会場まで出向くのは判断に迷うと思われます

2次試験は実際に受けてみて経験できることが多くあります。
特に事例IVの計算問題で、何を求めれば良いのか意図がどうしても読み取れなかったり、計算問題で時間が無かったりして慌てる経験は、事前に体験しておいた方が良いです。

受けられるものなら受けた方が絶対に良いと思います。

■2次試験を受けるか受けないか

メリットと、デメリットを考えると、以下のようになると思います。

絶対に受けた方が良い方
 1次試験一発合格の自信がある方
 1次試験が残り数科目で合格確実か、もしくは免除を使うと合格確定の方

場合によっては受けたほうが良い方
 費用対効果を考えて、2次試験の経験を得ることを重視する方
 出張等で別件と合わせ技で移動できる方

場合によっては受けなくても良い方
 今年は科目合格をいくつか取れればOKの計画だった方
 1次試験合格後に養成課程に入る方
 もともと試験を受ける予定が無く、当日は別件を入れてしまっている方

沖縄の受験者の方は、1次試験が全く不透明な中、2次試験対策になかなか身が入らないと思います。しかしそんな中で受験する決断をされた方は混沌の中でもやってやろうという意志が強い方です。

そんな方々に私はエールを送りたいと思います。

IT系企業に所属する企業内診断士です。