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物流企業の新卒採用不人気業界だからって諦めてない?

不人気業界

 『うちの業界はそもそも人気ないからね〜』
中小の運送会社の社長さんとお話させて頂くと、大体この言葉を聞きます。
そこで、今回の題目。『不人気業界だから、と諦めていませんか?』
 まず、私が運送会社で実際に人事をしていて、感じている実態をお伝えします。

中途採用に関して

 多くの運送会社は中途採用に頼っているのではないでしょうか。 
そして、そんな中途採用への多くの応募者の共通点は
①40代以上
②複数の運送会社を経験している
③会社に不満を持って辞めた人が多い
以上の3点が挙げられます。
※あくまで私の知っている運送会社を参考にしています。

 今の物流業界は、人材のパイがほぼ変わることなく、同じ人が同じ業界で転々としていることが多いです。
 そのため、ドライバーの年齢が徐々に上がり、今となっては40代後半〜50代のドライバーが多くの割合を占めることにつながっています。

 そして、そんな転々としているドライバーの多くは環境に不満を抱く人が多い。
給与が低い、労働時間が長い、自己負担金を課せられる。
そんな中で他社の話を聞くと、耳障りの良い言葉が入ってくる。
まさに『隣の芝生は青く見える』状態となるのです。

 事実、今居る私の会社は『出戻るドライバー』が複数います。
聞いていた話と違った。この言葉を一番よく聞きますが、同じ業界で、同じ業務内容なのに、待遇や環境がそんなに大きく変化することはまずありません。
 まず会社側としては、現実の見えていないドライバーが多い、という事を認識する必要があります。

 気になる点としては、正社員の中途採用面接にも関わらず、ラフな服装で来る人が多い事。
確かにスーツを着てする仕事ではありませんが、TPOを弁えることのできない人は仕事を任せてもトラブルを起こす可能性が高い、と私は思います。
 多くの物流会社が人手不足で、どんな格好で来ようが採用してしまう現状が、ドライバーという職業の価値を下げ、『これで良いや』につながっているという事を我々物流業界はもっと知るべきです。

 とはいえ、中途採用を行わないと人手が足りないのも事実。
最低限、自社の基準をきっちり設け、それに則って採用を行うことが重要になってきます。

新卒採用

 結論から述べます。
大卒でも、意外とドライバーをやりたいという子はいます。

 弊社は、キャリアのスタートは全員ドライバーと謳っていますが、それに魅力を感じ入社してくる子もいるのです。
何十人とそういう子を確保できるかと言われれば、現状はNOですが、思っている以上に母集団を形成できるというのが私の率直な感想です。

 新卒採用を始めた初年度。
私も思っていました。実際どれぐらい応募が来るんだろう。
不安に感じながらも着々と準備を進め、いざ本サイトオープン。

3月の頭から説明会に数件の予約が入り、順調に選考を通過。
4名の新卒者が内定承諾、入社となりました。

 正直、初年度は私も自信がありませんでしたので、選んでもらえるような採用を行なってしまいました。
その結果、最終選考まで残った学生は10名ちょっと。
その内、9名に内定を出し、4〜5名の採用を目標にしていました。
 なんとかミニマムの目標は達成しましたが、選んだというより選んでもらえてよかった。という認識が強かったです。

 選んでもらおうと思うと、まずは会社をよく見せようとする。
ただ、上辺だけでは入社後バレて退職につながるので、社内の改革に目が向きます。福利厚生、社内環境、人事制度など様々な事を見直し、受け入れ態勢を整えました。

 初年度で自信を得た私は、2年目は選ぶ選考にスイッチ。
自信を持った会社説明会を行い、厳しい目で面接を行いました。
採用基準も初年度と比べ高く設定。それもあってか採用人数は3名に減少。
ただ、内定を出した4名のうち3名が弊社へ入社を決めたという事実は、より自信を深めることになりました。

 この2年は、様々な求人広告やツールを活用しました。
ナビサイト、ダイレクトリクルーティング、人材紹介、合同説明会出展。
その中で見つけた弊社の最適なツールで3年目勝負をかける。

 もちろんKPIは設定していますので、早め早めにテコ入れは行っていきます。
KPIやPDCAと横文字を聞くだけで面倒臭い、そう感じる人もいるかもしれません。ですが、言葉を難しくしているだけで、普段みなさんが業務の中で、自然と行なっている行動のことを指します。難しく考える必要はありません。
 ゴールまでの中間目標をたて、自分で決めた周期で目標に対する進行を確認し、間に合っていないのであれば、見直し、改善する。当たり前のことですよね。これを行っていきます。

『総合職』と募集をかけ、実態はドライバーなんて話も聞きますが、本当にドライバーをやりたい学生は、『ドライバー』として募集している企業に応募してきます。確かに数は少ないです。その中で競合他社との競争になります。

 どこで差別化するか。どのように魅力を感じてもらうか。
そして、魅せ方をどのようにするのか。ここが肝心です。

また、新卒採用は非常に時間と労力を使います。
社長が採用も兼任しているような会社は社長の時間がかなり奪われるという事は覚悟してください。

それでも、やる価値があります。
確実に若い人材を得られるのが『新卒採用』です。

まとめ

 不人気だから、どうせ応募なんて来ないだろうと卑屈になり、諦めてしまえば、今までと何も変わりません。
 ハッキリ言います。
世間のドライバーに対するイメージは、決して良いものではありません。
しかし、少なくともその職に魅力を感じる層はいます。
もっといえば、男性だけでなく、女性でもドライバー希望はいます。

 その層に響くようにPRすることができるのであれば、あなたの会社は若い人材を獲得することができ、今後の会社の屋台骨となる人材を確保することができるようになります。

 採用だけすればいいという訳ではありませんが、まずは採用することが入り口です。
ちなみに、弊社は新卒採用を初めてから、20代の割合が一番多くなり、活気付いてきました。
 変化を嫌っているだけでは会社は維持できない。
若い世代の活力は会社にとっての新たなエネルギーになります。

諦めず、多くの物流企業が新卒採用に乗り出すことで、そこに興味をもつ学生も増えてくるかもしれない。

諦めて手を出さないうちは何も変化しない。
新卒採用を始め、若者が増え、居場所がないと感じた年配のベテランを狙った中途採用というのも良いかもしれませんが、結局はその場凌ぎにしかならない。
お金と、時間と労力はかかりますが、長い目で見たときに毎年若者が入社してくるというサイクルを作り上げておく事は魅力に感じませんか?

大丈夫です。人気はなくても採用はできます。
諦めずに1歩目を踏み出してみませんか?

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                                                                                                                          takuya






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