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はじめての同人誌作り備忘録:計画が大事だよ

はじめまして、タクヤカスミと申します。
先日、生まれて初めて同人誌を作りました。即売会で頒布しました。ベリーベリーハッピーでした。また作ります。同人誌って、いいですねぇ。

そんな私ですが、『同人誌を作ってみたい!』という想いはずっと前から抱いていたものの行動には移さず数年は足踏みしていました。というのもですね、同人誌の作り方がまったくわからない!ので作ろうにも作りようがなかったのです。最終的に同人誌は完成したのですが、作り終えた後の私はこうも思いました。

「同人誌作ってみたいけど、作り方わからないからやめておこう」と考えている人は山ほどいるのだろう。初めて同人誌を作った体験記を残しておけば、もしかしたら誰かの役に立つかもしれない……

はい、このNote記事はそういう記事です。
ただし、この記事では同人誌制作そのものには触れていません。作ろうと決めた人はなんとしてでも作るでしょうし、『作り始めたら完成するまで作るしかないので、あれこれ書くこともない』と思っているので。

じゃあ何を書くのかというと、同人誌を作ろうと決意してから実際に作り始めるまでのスケジュール感について書いていこうと思います。
初めて同人誌を作ろうとして、私がいちばん困ったのはそこだったので……数か月先なんて想像できないし、なにをどの順番でやっていけばいいんだ~となったので。

覚えていることをできる限り書き出していく予定なので、長くなります。
それでもよろしければ、どうぞ~

大前提:早割入稿を目指す!

SNSを眺めていると極道入稿とか早割入稿とかよく目にしますよね?あれはつまり入稿日(データを印刷所さんにお渡しして印刷を依頼する日)がイベント開催日からさかのぼって早ければ早いほど印刷料金が安くなるのであり、遅ければ遅いほど割増料金になるのです。まあ、そりゃそうですよね。

はじめて同人誌を作るのならば、ぜったいに早割入稿がいいです。その理由としては
①印刷料金が安くなる
②原稿スケジュールを早めに設定できる
の二点だと思っています。①は文字通りですが、②に関しては初めての同人誌作りなんてどう頑張ってもひっちゃかめっちゃかになるから早め早めに動いとけ!っていうことです。
「早割って実際はどれくらい早いの?」と疑問に思うでしょう。それは本のサイズやカラーorモノクロで印刷するかによって変動しますし、印刷所さんによっても違います。印刷所さんのHPで確認してください。ちなみに私のときの早割締め切りはイベント開催日の一か月前でした(文庫本)


①どんな本を作るのか決める

まずはこれを決めるべきだと思います。
イラスト本か、漫画本か、それとも小説本か。
ページ数は?
カラーorモノクロ。
内容は全編書下ろし?再録?半々にするのもアリ。
オフセットやオンデマンドは気にするな!でも本のサイズは決めろ!サイズ感がわからなかったら家にある同人誌をかたっぱしから手に取って「これがいいな」ってサイズにしろ!
これらが決まらないことには、後述する印刷所さん選びやスケジュール組みもできません。利用しようとしていた印刷所さんが自分の作りたい本に対応していなかったりします。おおざっぱでもいいので、自分の初同人誌の「ありたき姿」を決めておきましょう。

カチコチに固める必要はありませんが、本のサイズだけは決めておいたほうがいいと思います。先述したように締め切りが本のサイズによって変動するのと、印刷料金もサイズによって変わります。また、当然ながら原稿のサイズ=本のサイズなので、作っている最中にサイズを決めるのは激ヤバです。


②利用する印刷所さんを決める

これも早めに決めるべきだと思います。先述したように印刷所さんによって締め切りが違うためなのと、入稿するデータの形式等は利用する印刷所さんの指示に従わなければならないからです。

とはいっても、印刷所さんたくさんあってどれか決められませんよね?

はい、私もそうでした。
決め方はいろいろあると思います。家にある同人誌を片っ端から触っていいと思ったところ、好きな作家さんが利用していたところ、家から近いところ……などなど。もしもSNSで作家さんと相互になられているのであれば、リプやDMで聞いてみるのもいいと思います。印刷所さんにも得手不得手があったり、あるいは紹介割引もあったりするのでじっくり考えてみるといいと思います。楽しいですよ、印刷所さんのHPをつらつらと眺めるのは。車のカタログ眺めているみたいでした。

私はどうやって印刷所さんを決めたのかというと、あ、ねこのしっぽさんにしたんですけども、理由としては文庫の本文用紙がダントツに読みやすかったからです。ラフクリームっていう紙なんですけども、名前のとおりクリーム色の紙で文字を見やすい、紙が薄いのでページ数が多くても本を薄く軽くできる&表面がザラっとしていてとってもめくりやすいのです。表紙の用紙もやわらかくて開きやすいんですよね。
あと家から近かった(といっては県を移動する)のも大きかったですね。私は入稿にあたっては店頭入稿(印刷所さんの事務所にデータを持ち込んで入稿する方法)にすると決めていたので、近いところが望ましかったのです。だって……初めての同人誌、データが合ってるかどうかなんてわからないじゃないですか。店頭で、印刷所さんの人にデータを確認してもらうのが間違いないですよね?というわけで、店頭入稿をしたかったのです。店頭で表紙用紙のサンプルを見せてもらったり、本作りにあたっての疑問点をあれこれ聞けたのはとてもよかったです。店頭入稿、どうですか?

③参加するイベントを決める

半年以上後のイベントにしろ!
三か月じゃ本はできねえぞ!ぜったい半年以上後のイベントにしろ!

「イベントまで〇か月あるから本作れるぜ~」って思いがちですけども、締め切りはイベント当日よりも前ですからね!しかも締め切りが迫ってくると焦りで平常心じゃいられませんからね!平静なときと同じように作業できると思ったら大間違いっすよ!
おっとすみません。不安を煽りたいわけではないのですよ。でも真面目な話として締め切りまでには半年以上はあったほうがいいですよ。初めての本作り、本文以外に時間を食われることがたくさんあります。それらにアップアップしてると半年なんてあっという間です。

さて初参加イベントの選び方も重要です。初手コミケもいいですけども、私はオンリーイベントを選びました。なんでかというと、コミケ等のオールジャンルはいろんな人が来るけどもジャンルのファンはそのうちの何割かはわかりません。ジャンルオンリーならそのジャンルを好きな人だけがくるから初参加サークルの本も手に取られやすいだろうっていう打算です。
それは神戸かわさき10っていうイベントだったんですけどもね。艦これのオンリーは他にもありましたが神戸を選びました。というのも、私の本の主役が摩耶っていう艦娘なんですけども、その子が神戸出身なんですよ。「オンリーイベントで地元のキャラクターメインの本なら一冊も売れないってことはないやろ!」っていう目論見があってそのイベントを選びました。

売れる売れない論は同人誌じゃどうなのと言われそうなのですが、それはそれとして、初めて作った同人誌が一冊も売れないのだけは絶対に避けたかったので参加イベントは吟味しました。このあたりは人によって考えは違うのでしょうが、私はひとつでも多く手に取ってくれる選択をしました。ただ、規模がすこし大きすぎた(500SP超え)かなーと思いました。それだけサークルの数が多いと、買う人からすると知らないサークルの本を手に取る余裕がなくなるんじゃないかと。100~200SPくらいが初参加にはちょうどいい規模なんじゃないでしょうか。


④締め切りを予想する

半年後のイベントの締め切りなんて印刷所さんのHPには記載されていません。当たり前ですよね。でも予想はできます。参加予定のイベントと同じくらいの規模で二か月後に開催予定のイベントの締め切りを確認しましょう。そこには割増・通常・早割の締め切り日が書いてありますね。早割の締め切りがイベント開催日から何日前に設定されているのか確認しましょう。日数を細かくカウントする必要はないとは思いますが、一週間前か、二週間前か、あるいは一か月前か、イベント開催日と締め切り日のおおよその間隔をメモっておきましょう。
先述したように、締め切りは本の形式によって変わるので要注意です。
文庫や新書は特に締め切りが早いのでキケンです。漫画書きの作家さんの原稿進捗ツイートを見て余裕ぶっこいてるとハジけます。


⑤印刷所のQ&Aページを穴が開くほど読む

そこには同人誌制作のすべてが書かれています。制作作業に突入後も読みふけることになると思います。
ページのサイズや形式を間違えたまま作り進めると大惨事です。しっかり確認して、原稿終盤の修正作業をできるだけ減らせるようにしておきましょう。締め切り数日前にキャンバスサイズが間違っていたとか、小説の組版がぜんぜん違うサイズだったりすると……大惨事です。
ときにはQ&Aページを見てもわからなくてメールや電話で直接問い合わせをすることもありましょうが、それをするにしてもできるだけ質問の数は少ないほうが親切ではありますし自分のためになると思います。


⑥原稿作業開始!


はい、作りましょう!気合だ!本を出したければ、やらねばならない!
こんな記事を読んでいる場合ではない!手を動かせ!

それはまあ半分冗談ですが、原稿作業についてのアレコレはもうすでに有益な情報をまとめてくださった方々がいらっしゃるので、そちらを見てもらえるといいんじゃないかと思います。それに、情報があったとしても手を動かさなければなんにもなりません。モノづくりとは、手を動かし続けたヤツが勝つのです。

原稿作業開始時点で、締め切りまで残り六か月くらいあると安心じゃないでしょうか。え?そんなにいらない?そうですか……ま、この記事はあくまでも私の体験をもとにしているので、そのあたりは参考程度にしてください。作業の速度はとうぜん人によってまちまちなので。

ただし、これだけはよく覚えておいてください

原稿の締め切り日はイベント開催日じゃないぞ!もっと早いぞ!


イベント開催日までまだまだあるぜなんて余裕ぶっこいてると、ほんと……


さいごに

以上、私の書きたかったことは概ね書き出せました。
「そんなことよりも同人誌の作り方を聞きたかった!」って思いますか?私も自分で作る前には(データの)作り方ばかり調べていました。でも、大事なのはそこじゃなかったんですよねぇ……

もちろん、原稿作業しながらこの記事に書いたことを確認していくことは可能だと思います。それでもいいとは思いますが、もしも、万が一原稿作業に遅れがでてしまったとき、冷静に原稿以外のことを考えるのは難しいんじゃないかと思います。ですので、あらかじめ考えておいたほうが安全なんじゃないかなと。後顧の憂いを断つ、ということですね。

初同人誌っていうのは、音楽でいうデビューシングルみたいなものだと思っています。その後の同人生活の名刺代わりになるモノなんです。せっかくなら、自分にとってできる限りイイモノにしたいですよね。

同人誌はいいですよ!買うのも作るのもサイコーです!
これを読んでいるあなたも、半年後か、一年後か、未来のイベントで同人誌を出してみてはいかがでしょうか。恐れることはありません。しょせんデータが紙に印刷されるだけです。難しいことなんてありません。でも、いざ本になって自分の手の中に収まると……幸せなんですよねぇ。


人生ではじめて『自分の本』と対面した瞬間
このときの感動は、きっと一生忘れないことでしょう


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
あなたの今後の同人生活がより良きものになることを祈っています。
それでは、さようなら。

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